今週の主な予定、イベント
4/6(月)イースターマンデー、上海休場(清明節)、米3月ISM非製造業景況指数、NY連銀総裁講演
7(火)RBA理事会、豪州2月小売売上高、豪州3月ANZ求人広告、ミネアポリスFED総裁講演
8(水)日銀金融会合(黒田総裁会見)、日本2月国際収支、FOMC議事録,、NYFED総裁講演
9(木)4月日銀月報、BOE理事会、北朝鮮最高人民会議開催、IMFラガルド専務理事講演、米新規失業保険申請件数
10(金)中国3月CPI・PPI、米州首脳会議、地区連銀総裁講演(ミネアポリス、リッチモンド)
マーケットの焦点
キーワード:日米金融政策(日銀会合、FOMC議事録)、ドル高けん制(米議会、安倍政権)、ギリシャ問題、ウクライナ情勢とロシア経済(リセッション入りか)、GPIF、中東地政学的懸念
先週発表された米3月雇用統計は非農業部門就業者数(NFPR)が予想の+245千人に対して、+126千人に止まり、2月のNFPRも+295千人から264千人に下方修正さまし。
発表直後対円、ユーロなど主要通貨でドルは瞬間的に100ポイント下落し、そのレベルを回復せずに週末を迎えました。金曜日はNY市場はイースター休場でしたたがオフショアで米債利回りが低下し、米ドル全面安となりました。
ドル円は118円台後半に急落、ユーロは1.10台前半まで急上昇し1.10をやや割ったレベルで、またポンドも1.49台まで上昇して越週しました。今年に入ってから3月まで失業率は低下し、NFPRは平均25万人前後で増加していただけに、この12万人台への急減に市場はショックを受けた模様です。
もちろんこの1回の弱い数字をもってFRBが金融引き締めを中止することはないでしょうが、少なくとも6月利下げ観測が大きく後退したことに間違いはないでしょう。
今週の主なイベントは7-8日の日銀金融会合、そして9日にIMF支払期限が来るギリシャ債務問題、8日の3月FOMC議事録などです。
足元のドル相場を考えると米ドル軟調を示唆する材料が多いことに気付きます。
つまり3月の弱い雇用統計のみならず不冴えな指標が散見されることに加えて、近々発表される米主要企業500社のQ1決算は前年同期比で減益が予想されることで、もし減益となれば金融危機後2009年Q3以来ということになります。
原油大幅下落によりエネルギー関連企業が苦戦していますし、またドル高で輸出関連企業にも逆風が吹いています。
ドル高懸念はイエレンFRB議長はじめFRB当局が共有していますし、統一地方選挙に向けて安倍政権も円安を抑制するスタンスを強めています。
一方ギリシャ問題は本日ラガルドIMF専務理事が「9日のIMFへの返済確認を歓迎」と述べていますが、まだ予断は許さず、現在ドル反落を主な原因として1.10近辺に反発しているユーロもいまだ下値不安が強く、これはドルサポート要因となります。
ただギリシャ債務問題が悪化する場合や中東の地政学的リスクが浮上する場合、主要国株価の下落が顕著となる場合には“リスク回避の円買い”が再燃しドル円の頭を重くする可能性があります。
このようにドル円相場は足元120円が遠のいた可能性がありますが、ドル円が大きく値を崩さない要因としては、新期を迎えたGPIFはじめ本邦機関投資家の外貨建て資産投資の増額観測でしょう。
もう一つ可能性があるのは日銀の追加緩和です。
4月から日本の消費者物価は昨年4月の消費増税の影響約2%(日銀試算による)が剥落することから0%近辺への下落が予想され、黒田総裁のいう“本年度中に消費者物価2%”の実現が極めて厳しくなります。
黒田総裁は依然として達成に強気ですが、市場では4/30の日銀会合(日銀経済・物価の展望リポート発表)に向けて追加緩和の実施観測が高まり、ドル円の下値をサポートするでしょう。
今週の日銀会合で黒田総裁から追加緩和に踏み込んだ発言があるか注目されます。
足元はドル売り材料が目立ちつつあります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7533-0.7747 AUDYEN 90.20-92.37
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7450-0.7750 AUDYEN 89.50-92.50
今週の豪ドルは: 依然として軟調地合いでしょう
先週75セント台前半、90円台前半まで下落した豪ドルは弱い米雇用統計の結果を受けて一時76セント台後半、91円台半ばまで反発しました。
前回の3月のFOMC後もドル急落を受けて79 セント台、94円台まで反発しましたが現在ドル下落が唯一の豪ドルサポート材料という寂し現状です。
注目は本日のRBA理事会において利下げが行われるかどうかですが、5月の利下げ観測が鉄鉱石価格の急落を受けて俄然4月に前倒しされた格好です。
また本日利下げされたとして、さらなる利下げが示唆される場合には豪ドルに一層売り圧力をかけることになります。またあえて単発利下げを明記するようなことはしないでしょう。また本日利下げがない場合にも5月利下げ観測は消えないでしょうし、ドル反落が一巡すれば再び豪ドル軟調地合いに戻ることが予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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