今週の主な予定、イベント
4/20(月)黒田日銀総裁ミネソタ経済クラブでの講演要旨
21(火)独4月ZEW景況感指数
22(水)豪州Q1CPI、日銀4月金融システムレポート、日本3月貿易収支、英中銀議事録、米3月中古住宅販売件数
23(木)中国4月HSBC製造業PMI、米3月新築住宅販売件数、米新規失業保険申請件数
24(金)独4月ifo景況感指数、米3月耐久財受注、ユーロ圏財務相会合(ギリシャ融資に関して協議)
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ問題、TPP交渉、中国景気刺激、米経済動向、米貿易促進権限法案、ドル高けん制(米議会、安倍政権)、GPIF
先々週、先週と豪州、日本、英国、欧州、カナダなど各国中銀の政策会合が開かれ、またFOMC議事録が発表されるなど各国の金融政策が市場の焦点となりました。
ただ金融引き締めバイアスは米国のみであり、各国の金融緩和維持姿勢にサポートされて主要国の株価に大きな下落はありません。
特に中国は週末に預金準備率を1%引き下げて18.5%としましたが、景気刺激策や金融緩和策の期待が強く上海総合指数は4330台と1年7か月ぶりの高値まで上昇しています。
為替市場では最近の冴えない米経済指標から利上げ観測が後退し、加えて先週のG20やIMF・世銀総会などの国際会議を控えてドル高警戒感も高まり、ドル円は118円台半ばまで下落し、ユーロは1.08台まで反発しました。
ただG20では一部予想されたドル高けん制はなく、声明でもこれまでの為替に関するコミットメントが踏襲され、週初のシドニー市場でもドル相場は先週末レベルを維持しています。
今週市場の焦点は24日の欧州財務相会合に向けてギリシャ支援策合意の行方が焦点となります。
現在国際支援団はギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥ってもユーロ圏にとどまることが可能となる措置を検討中とも言われますが、実際にデフォルトとなれば金融市場には少なからぬインパクトがあるものと思われます。
したがって現在ドル下落のために1.08台に反発しているユーロですが、まだ下値不安はあるでしょう。
一方ドル円相場はドル売り材料が目立ちます。
リスク要因のとしてギリシャのデフォルトリスクや米国の利上げ後退懸念のほかにも、日米政府がドル高円安を当面抑制すのではとの思惑が働きます。
一方ドル円サポート要因としては米国議会は16日にTPP交渉を支援する「大統領貿易促進権限(TPA)」法案を上下両院に提出しました。これはオバマ大統領にTPPなどの通商交渉権を一任する法案で、法案が成立した場合TPP交渉が進展する可能性が高まり、ドル高円安の要因となります。(日本の輸入増加から)
新年度を迎えた本邦政府系機関であるGPIFや郵貯銀行などの外貨資産投資需要もドル円を下支えするものと思われます。
また米国の利上げ時期に関してはQ1の景気減速が悪天候や港湾ストの影響で一時的なものとの見方もありますが、4月以降の指標が力強さを取り戻すかどうかに注目したいところです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7553-0.7842 AUDYEN 90.47-93.04
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7650-0.7950 AUDYEN 91.00-94.00
今週の豪ドルは: 底堅い展開でしょう
先週の豪ドルは上値をテストする展開となりました。
中国のQ1GDPは7.0%に減速し、一方3月の鉱工業生産や小売売上高は不冴えな結果となりました。
しかし米ドルの調整反落地合いとなったことが”米ドルの受け皿としての豪ドル”をサポートし、加えて発表された3月雇用統計が失業率6.1%(予想・前回ともに6.3%)、就業者数が+37.7千人(予想+15.0千人、前回+15.6千人)と強い数字となり豪ドルは78セント台、93円台まで反発しました。
現在市場の観測としては今週22日(水)に発表されるQ1のCPIが原油価格下落の影響もあって弱い数字となり、5月のRBAでは追加利下げが行われるというものです。
鉄鉱石価格は先週47ドルから51ドルまで小反発しており、これも豪ドルをある程度サポートしています。
ただ5月に発表される連邦予算案では財政赤字が更に拡大する見込みであり、これも追加緩和観測をサポートしています。
現在最大の豪ドルサポート要因は中国が新たに金融財政両面から景気刺激策を講じるのではないかとの期待感です。先週発表された中国Q1GDPが7.0%に減速したこともあって期待感が高まり、実際先週末に中国人民銀行が預金準備率を引き下げたこともあり、今後とも景気刺激策に対する期待感が足元豪ドルをサポートするでしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。