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シドニー発豪ドル見通し(11May2015)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

今週の主な予定、イベント

5/11(月)ユーロ圏財務相会合(ギリシャ問題再協議)、BOE理事会

12(火)豪州2015/2016連邦予算案、EU財務相理事会、SF連銀総裁講演

13(水)日本3月国際収支、中国4月小売売上高/鉱工業生産、ユーロ圏/独/仏/伊Q1GDP、英中銀四半期インフレ報告、ECB議事録、米4月小売売上高、欧州委員会移民政策案提示

14(木)米4月PPI、米新規失業保険申請件数

15(金)黒田総裁講演、ギリシャ/ロシアQ1GDP、米4月鉱工業生産/設備稼働率、ミシガン大学消費者信頼感、米国債償還日

マーケットの焦点

キーワード:ギリシャ債務協議、TPP交渉、日米金融政策、米国4月小売売上高、中国景気刺激、ドル高けん制(米議会、安倍政権)、GPIF

先週は英国総選挙、米国4月雇用統計発表があり、また週末には中国が今年3回目の利下げを行いました。

非常に不冴えな米国Q1GDP以来世界的に株価は軟調でしたが、先週末のNYKダウは18,000ドル台を取り戻し、また本日日経平均は19,600円台まで回復しています。

与野党伯仲が予想された英国総選挙では保守党が単独過半数を確保するという事前予想を覆す結果となり、また野党第一方の労働党が議席を減らす一方、スコットランド国民党が躍進しました。

為替市場では英国選挙に向けてポンド主導でドル安が進行し、ポンドは一時1.55台前半、ユーロは1.13台後半まで上昇し、ドル円は119円台前半まで下落しましたが、週末はドルがやや反発して越週しています。

注目の4月米雇用統計は失業率は5.4%に1ポイント改善する一方、NFPRは+22.3万人と予想とほぼ同じでした。ただ非常に弱かった3月のNFPRが12.6万人から更に8.5万人に下方修正され、また平均時給も0.1%に低下するなど、全般的には弱い内容でした。

ただ取り敢えず前回の非常に弱い数字から足元20万人台を回復したことに市場は安堵してドルも若干買い戻された状況です。

今週は本日のユーロ圏財務相会談でのギリシャ債務問題再協議が注目されますが、協議の進展には悲観的な見方も多く、またウオールストリートジャーナル紙は「IMFがギリシャデフォルトの可能性で緊急計画を策定中」と伝えています。

ギリシャ問題が片付けばユーロ買い、またギリシャ離脱となっても長い目で見ればユーロ圏強化でユーロ買いとなるでしょうが、やはり離脱となれば足元では市場が混乱する可能性はあるでしょう。

また、その他でTPP関連では米国議会で大統領に通商権限を一任する「大統領貿易促進権限(TPA)」法案審議の進展を受けて、TPP合意間近との期待感が高まっており、合意に至った場合は日本の輸入増加からドル高・円安要因となりえます。

一方日銀の追加緩和への期待後退や、ギリシャ問題悪化に絡んだ”リスク回避の円買い”などがドル円押し下げ材料視されます。

更に5月12日、13日、14日と米国債入札が予定されますがGPIFや民間投資家による外債投資増の思惑がドル円上昇要因に、他方5/15には米国債償還(毎年2,5,8,11月が償還月)を控えており、再投資もあるでしょうが円転されればドル円押し下げとなります。

先週はポンドやユーロ中心に欧州通貨が対ドルで大幅上昇しましたが、この流れが今後も継続するのか?暫くは欧州通貨が相場をリードすることになりそうです。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.7786-0.8030  AUDYEN 93.63-95.94

今週の予想レンジ AUDUSD 0.7700-0.8000  AUDYEN 93.00-96.00

今週の豪ドルは:  反落の可能性があります

先週の豪ドルはRBAの利下げ実施を受けて一旦77セント台、93円台に下落しましたが、その後は80セント台前半、95円台後半に反発するなど乱高下しました。

RBA声明では2月の利下げ時に見られたような”追加利下げ-easing bias-”を示唆する文言は見られず、”利下げ打ち止め感”が強まったことが豪ドルを押し上げました。

しかしその後はポンド、ユーロなどの欧州通貨高/ドル安が進んだことや冴えない中国の4月貿易収支を嫌気して再び79セント台、95円台を割り込むなど不安定な状況です。

また発表された4月の雇用統計で就業者数が-2.9千人(予想は+4.0千人)と冴えなかったことや、RBAの四半期金融政策報告書(年4回―2,5,8,11月発表)で豪ドル下落の必要性を繰り返していたことも豪ドルの重石となりました。

週末に中国人民銀行は今年3度目の利下げを発表しましたが、今のところ豪ドルの反発は限定的です。

むしろ明日発表される2015/2016年度連邦予算案では550億豪ドル規模に赤字拡大が予想され(昨年12月の政府の年央経済財政見通しでは312億ドルの赤字予想でした)、財政赤字悪化→豪州格下げの連想から、再び豪ドルが軟化する可能性もあります。

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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