今週の主な予定、イベント
5/18(月)中国4月不動産価格、豪州4月新車販売、シカゴ連銀総裁講演
19(火)独5月ZEW景況指数、ユーロ圏4月CPI、米4月住宅着工/建設許可件数
20(水)日本Q1GDP(1次速報)、BOE議事録、FOMC議事録、シカゴ連銀総裁講演
21(木)中国5月HSBC製造業PMI、独/ユーロ圏5月製造業PMI、ECB議事録、米4月中古住宅販売件数、米4月景気先行指数、米新規失業保険申請件数、SF連銀総裁講演
22(金)日銀金融政策決定会合(黒田総裁会見)、独5月ifo景況感指数、米4月CPI
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ債務協議、TPP交渉、日米金融政策、米住宅関連指数、中国景気刺激策、ドル高けん制(米議会、安倍政権)、GPIF
先週はギリシャ債務協議の行方、米国の4月小売売上高/鉱工業生産、中国の4月小売売上高/鉱工業生産などが市場の焦点となりましたが、世界的に株価は中国が信用取引規制で反落した以外は、総じて堅調でした。
NYKダウは18,200ドル台を、また日経平均は19,800円台を維持しています。
主要国の国債利回りが上昇している背景には国債から株への資金シフトが一因と考えられます。
ギリシャ問題は進展はあるものの未だ結論に至らずギリシャの資金繰りが懸念される状況が続きます。
一方発表された米国の4月小売売上高や鉱工業生産は回復の兆しが見えず、米国の6月利上げ観測はほぼ消滅した感じです。
この間4月末に発表された米国Q1GDP以降の主な指標を見てみましょう。
Q1GDP 前期比年率+0.2%(予想+1.0%、+2.2%)、4月ISM製造業景況指数51.5(予想52.0、前回51.5)、4月ISM非製造業景況指数57.8(予想56.2、前回65.5)、3月貿易収支-514億円(-417億ドル、前回-359億円)、4月雇用統計 NFPR+223千人(予想+230千人、前回+85千人)、4月小売売上高0.0%(予想+0.2%、前回+1.1%)、4月PPI前月比-0.4%(予想+0.1%、前回+0.2%)、前年比’+1.3%(予想-0.8%、前回-0.8%)、4月鉱工業生産-0.3%(予想0.0%、前回-0.3%)。
この様に悪天候が景気の足を引っ張ったQ1が過ぎても未だはかばかしい米景気の回復は見られず、米利上げ観測が後退しているのは至って当然かもしれません。
係る米経済回復期待のフェードアウトによる米ドル軟調に呼応するかのように、5月になってからユーロやポンドなど欧州通貨の反発が顕著となり、ユーロは1.14台半ば、ポンドは1.58台前半まで反発しています。
またドル円自体は、119円台を一時割りましたが、これら欧州通貨での円クロス取引の堅調地合いを受けて再び119円台半ばに反発しています。
背後にはGPIFはじめとした日本の機関投資家の”押し目買い”需要があるのでしょう。
したがって現在は”ドル安・円安地合い”が顕著であると言えます。
今週の為替相場は相場変動要因は多いのですが結果次第といったところ。
引き続きギリシャ協議が継続されますが、協議がまとまれば更にユーロ買い戻しに拍車が掛かる一方、可能性は少ないとは言えギリシャがデフォルトに陥れば、一時的にせよ再びユーロが反落するでしょう。
またTPP合意のカギなるTPA(大統領貿易促進権限)法案が可決されれば、TPP合意へ大きく前進でドル買い、先延ばしされればドル反落となります。
一方今週の日銀会合では、大方の予想が政策据え置きですが、5/29に発表される4月の消費者物価(コア)がマイナスになる可能性があり、予防的に追加緩和がなされればビッグ・サプライズであり、ドル円は上昇でしょう。
基本的には”ドル安・円安”地合い継続と見ますが、予期せぬ”ブレ”が起こる可能性も否定できません。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7876-0.8163 AUDYEN 94.46-97.30
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7800-0.8100 AUDYEN 94.50-97.50
今週の豪ドルは: 売り買い交錯でしょう
豪ドルは月初のRBA理事会での利下げ実施で”利下げ打ち止め感”が出たことから反発に転じましたが、加えて先週火曜日夜発表された2015-2016年度連邦予算案を好感して一時81セント台前半、97円台前半と年初来高値を付けました。
米ドル軟調に加えて、前週末の中国の今年3回目の利下げや、鉄鉱石価格の62ドル台への反発も好感した形です。
連邦予算案の赤字予想は351億ドルと事前予想400-500億ドルを大きく下回り、格付け会社の格下げ観測が後退したことも豪ドルをサポートしました。
しかし買い一巡とともに現在は80セント台前半、96円近辺に小緩んでいます。
前向きな予算案も今後の税収など実現性の裏付けに欠け、また商品相場軟調や中国景気減速懸念など、昨年秋口から豪ドルを押し下げてきた悪材料がまだ払しょくされた訳ではありません。
今週は大きな国内指標の発表もなく、豪ドルは米ドル並びにユーロなど欧州通貨の動きに左右される展開となるでしょう。
一方的な豪ドル先安観が弱まる一方、更に豪ドルを買い上げる材料にも不足しており、足元は現レベル中心の一進一退が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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