今週の主な予定、イベント
6/1(月)豪州5月住宅建設許可、中国5月製造業/非製造業PMI、中国5月HSBC製造業PMI、独5月CPI、米4月個人支出/所得、米5月ISM製造業景気指数
2(火)RBA理事会、豪州Q1経常収支、ユーロ圏5月CPI、米4月製造業受注、米5月自動車販売
3(水)豪州Q1GDP、中国5月HSBCサービス業PMI、ユーロ圏4月失業率、ECB理事会(ドラギ会見)、米5月ADP雇用者数、米5月ISM非製造業景況指数、ベージュブック、OECD世界経済見通し
4(木)豪州4月貿易収支/4月小売売上高、黒田総裁挨拶、米新規失業保険申請件数
5(金)米国5月雇用統計、OPEC総会
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ債務協議、米5月雇用統計、16/17FOMC、TPP交渉、ECBの緩和姿勢、日米金融政策、中国景気刺激策、ドル高けん制(米議会、安倍政権)、GPIF
依然不透明感が強いギリシャ債務協議や、イエレンFRB議長が’年内の米利上げが適切との認識を示したことから主要国の株価は軟調推移しています。
NYKダウは18,000ドル近辺に下落し、一方年初来続騰していた上海総合指数も高値警戒感から先週は反落しました。
係る中12年ぶりの高値124円台を付けたドル円とともに、日経平均は20,600円台まで上伸しています。
為替市場ではイエレン議長の”年内利上げ発言”や住宅関連などの米国の一部指標に明るさが見られることに加えて、根強いギリシャ懸念から円やユーロが売られてドルが全面的に上昇する展開で、ドル円は2002年12月以来の高値124円台を付け、ユーロは一時1.08台、ポンドは1.52台まで下落しました。
今週も焦点はギリシャ債務問題です。
総額16億ユーロのIMFへの返済を6月に控えてギリシャと国際債権団のの協議は思うほど進展しておおらず、先週はラガルドIMF専務理事が「ギリシャのユーロ離脱の可能性を排除しない」と述べ、また週末もユンケル欧州委員会委員長は「ギリシャの離脱はユーロ圏の信頼を損ねる」と述べています。
IMFへの返済を何とか実行できてもギリシャ債務問題の根本的解決は程遠く、引き続きユーロの上値は限定的でしょう。
一方先週はドル円が12年ぶりの高値を付け、マスコミにも大きく取り上げられたこもあり、政府筋から”過度の円安けん制”的な発言も出ました。
しかし今の相場は円安と言うよりはむしろドル高であり、その根拠が米景気回復期待や、利上げ観測であるだけに、ドル堅調地合いは足元継続することが予想されます。
金曜日の米5月雇用統計は失業率が予想5.4%(前回5.4%)、NFPR +223千人(前回+223千人)となんていますが、予想範囲内であれば5月16/17のFOMCにおける利上げ観測が再浮上するでしょう。
極端に予想を下回らない限りはドル円の下値はGPIFはじめとした投資家需要でサポートされる展開が予想されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7617-0.7839 AUDYEN 94.58-96.00
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7550-0.7850 AUDYEN 94.00-97.00
今週の豪ドルは: 弱保合いでしょう
先週豪ドルは米ドル堅調地合いの中、上値の重い展開となり、加えて発表されたQ1民間設備投資が前期比-4.4%(予想-2.4%、前回-2.2%)と弱かったこともあり76セント近辺、94円台半ばまで下落しました。
今週は本日の4月住宅建設許可(前月比-4.4%、前回+2.9%)のほかにも明日のRBA理事会(金利据え置き予想)、水曜日のQ1GDP(予想前期比+0.6%、前回+0.5%)(前年比+2.0%、前回+2.5%)、木曜日の4月貿易収支(予想-17.5億ドル、前回-13.2億ドル)、4月小売売上高(予想+0.4%、前回+0.3%)と豪州発の材料が盛りだくさんです。
特に注目されるのはQ1GDPで、前年比で+2.0%に減速予想ですが、予想通りであれば、再び追加緩和観測が高まることになります。
豪ドルは再び3月、4月に付けた年初来安値75セント台に近付いていますが、米ドルの堅調が続く場合には、同レベルをテストする可能性があります。
一方ドル円が12年来の高値を付けている背景が投資家需要であることは確かであり、円軟調地合いにあって豪ドル円の下落速度は対米ドルに比べてスローなものとなるでしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。