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シドニー発豪ドル見通し(15June2015)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

今週の主な予定、イベント

6/15(月)政府月例経済報告、米5月鉱工業生産/設備稼働率

16(火)独6月ZEW景況感指数、英5月CPI、米5月住宅着工件数、米議会予算局連邦財政の長期見通し発表

17(水)日本5月貿易収支、英5月失業率、ユーロ圏5月CPI、FOMC(経済予測、イエレン議長記者会見)

18(木)NZQ1GDP、中国5月新築住宅価格、米5月景気先行指数、米5月CPI、ECB経済報告、ユーロ圏財務省会合、米新規失業保険申請件数

19(金)日銀政策会合、ウクライナGDP、EU財務省理事会、クリーブランドFED総裁講演

マーケットの焦点

キーワード:ギリシャ債務協議、米FOMC、日銀政策会合、日欧米の金融政策、中国景気刺激策、ドル高けん制/円安けん制(米議会、FRB、安倍政権、日銀)、GPIF

相変わらずギリシャ債務協議が難航する中、世界的に国債利回りが上昇し、株価の低迷が続いています。

元気なのは上海総合指数と日経平均くらいです。

債券利回り上昇の背景はいくつかありますが、米国の利上げ観測があるのは確かでしょう。またECBによる量的緩和(QE)の効果から南欧諸国の信用成長(借入需要)が伸びていること、更には独国債の供給が増えて需給関係が悪化している点も影響しています。

先週為替相場ではドルがアップダウンしました。

前週発表された米国5月の雇用統計が非常に強くドル円は125円台後半まで2002年6月以来の高値を更新しました。

しかし先週初仏当局の発言として「オバマ大統領は強いドルが問題と発言」と述べ、ドルが反落。加えて水曜日には黒田日銀総裁が「実質実効為替レートで見ると既に円安になっている。ここから更に円安はありそうにない」と発言したことからドル円は124円台から122円台に下落し、ユーロも一時1.13台後半まで反発しました。

しかしその後発表された米国5月の小売売上高が強かったことやギリシャ協議が依然難航していることからドルもやや値を戻し123円台半ば、ユーロは1.12台前半といったところです。

今週の焦点はFOMCと日銀政策会議、そしてギリシャ債務協議でしょう。

今回のFOMCで利上げが開始される可能性は極めて低いです。労働市場の改善はもはや既成の事実であり、利上げには個人消費の改善やインフレ率の上昇という追加材料が必要と見られます。

しかし5月の小売売上高は強い数字であり、”早めに利上げしてその後はゆっくり追加引き上げ”という可能性もゼロではありません。

また今回はスタッフの経済予想が発表されますが、年末時点のFF金利予想中央値が前回3月の0.625%からどのように変化するかもポイントです。

一方金曜日の日銀会合ではQ1のGDPも上昇修正されたことで、追加緩和への言及はないでしょう。

先週は期せずして日米からのドル高/円安けん制が出ましたが、果たしてFOMCや日銀会合において為替への言及があるのかも注目ポイントです。

FOMCの利上げの思惑や、本邦機関投資家(GPIFなど)の外物投資でドルが堅調地合いとなることが予想されますが、一方日米当局のドル高/円安けん制に対する懸念がドルの大幅上伸を妨げるでしょう。

ギリシャ情勢は債権者側もサジを投げた感があり、週末もユンケル欧州委員長が「債権者が迅速にギリシャとの合意を承認しなければユーログループが同国のユーロ離脱の準備を開始する」と述べています。

ギリシャ問題はギリシャが留まるにしても離脱するにしてもいずれ解決する問題で、決着後はユーロが強含む可能性がありますが、足元はネガティブな材料に反応して下落する可能性を秘めています。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.7603-0.7793  AUDYEN 94.52-96.10

今週の予想レンジ AUDUSD 0.7600-0.7800  AUDYEN 94.00-97.00

今週の豪ドルは:  方向性でず揉み合いでしょう

 

先週の豪ドルは米ドルが乱高下するなか米ドルの動きにフォローしてアップダウンでした。

国内重要指標も発表されましたが5月NAB企業信頼感(7、前回3)・景況感(7、前回4)が予想を上回る一方6月WESTPAC消費者信頼感は予想より悪い結果となりました(95.3、前回102.4)。

また5月雇用統計は就業者数+42.0千人(予想+15.0千人、前回-2.9千人)、失業率6.0%(予想6.2%、前回6.2%)と前回の弱い結果から一転して非常に強い数字となりました。

このように国内指標は相変わらず”まだら模様”の状態です。

今週は豪州サイドで大きなイベントはなくFOMCやギリシャ問題などの外的要因を見ての展開となります。

相変わらず商品相場は低迷しており、中国景気減速懸念も根強いために豪ドルが自力で80セントを越え、また100円に向かう状況にはありません。

米ドルが反落する局面では反発しますが、自力で続伸するのはまだ時期尚早と言ったところです。

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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