今週の主な予定、イベント
6/22(月)日銀月報、上海休業、米5月中古住宅販売、EU首脳会談、ユーロ圏財務相会合
23(火)中国6月HSBC製造業PMI、独/ユーロ圏製造業PMI、米5月耐久財受注/新築住宅販売、パウエルFRB理事講演
24(水)通常国会閉会、日銀議事録、独6月ifo景況感指数、米Q1GDP確報値
25(木)米5月個人所得収支、米新規失業保険申請件数、EU首脳会議
26(金)日本5月雇用統計/CPI、カンザスシティー連銀総裁講演
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ債務協議、日欧米の金融政策、中国景気刺激策、ドル高けん制/円安けん制(米議会、FRB、安倍政権、日銀)、GPIF
先週は米FOMCやギリシャ協議など注目のイベントがありましたが、FOMCでは大方の予想通りに利上げはなく、FRBの慎重な姿勢が確認されました。
またギリシャ情勢は注目の木曜日のユーロ圏財務相会合でも結論は出ず、依然としてギリシャと債権者側の主張は平行線をたどっています。
米国の利上げ観測や独などの国債供給増が重石となって主要国の債券利回りは依然高止まりしており、ギリシャ不安と相まって主要国の株価は軟調推移しています。特に高値警戒感の強い上海総合指数は先週1週間で14%程度下落しています。ただNYKダウだけは調整反落が早かった分むしろ堅調で、再び18,000ドル台を回復しています。
為替市場では先々週の黒田日銀総裁の”円安けん制”とも取れる発言や、ギリシャ情勢、更にはFOMCを控えて不安定な動きとなりました。
ただ黒田総裁は先週「実質実効相場は特定2国間の相場を占うものではない。名目ベースの円安を望んでいないとは言っていない」と前週の発言を覆すかのような発言をしてドル円が切り返す局面もありました。
FOMCでは景気の現状や雇用に関する認識が上方修正される一方、今年の成長予想が下方修正されました。またメンバーの政策金利の予測中央値が2015年末で0.625%と前回から変化がなく、3月時点と比較すると年内据え置きもしくは1度の利上げに留まると回答したメンバーが3名から7名に増加したこと、またイエレン議長が会見で「この1年のドル上昇は著しい、ドルは純輸出にマイナスの影響をもたらした、ドル高は経済見通しに影響する一要素」と発言したことから米ドルが全般的に反落しました。
一方ユーロはギリシャ情勢の不透明感にもかかわらす、ドルの軟調地合いや、ECBが19日に緊急会議でギリシャに対する緊急流動性供給の限度額拡大を決定したことなどからむしろ1.13台後半まで反発しています。
月末にはIMFへの返済や年金・公務員給与の支払いなどを控えてギリシャ情勢は山場を迎えます。本日のEU首脳会談/ユーロ圏財務相会合で果たして結論に達するのか??
ギリシャ側と債権団の溝はほとんど埋まっていない状況ですが、"TOO BIG TOO FAIL”で結局ギリシャを排除できない債権者側が譲歩して、現行のギリシャ救済ポログラムを1年延長する以外に手立てはないのではないでしょうか。
またギリシャがもしデフォルトとなっても即ユーロ離脱とはならないでしょうし、市場もインパクトを吸収するものと思われます。
ただ形はともあれ、ギリシャ情勢一服となればユーロは反発するでしょう。
”安値覚え”で昨年12月に切った1.20以下に慣れた状況ですが、ユーロの1.20以下は歴史的にもかなり低いレベルです。
ドル円は現在122円台後半とやや軟調ですが、黒田ショック時の122円台前半になれば、再び投資関連のドル買い需要が強まってサポートされることが予想されます。暫くは最近の安値、高値である122円台~125円台での取引が予想されます。
FOMCや日銀会合などのイベントも通過し、市場は年後半を展望することになります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7644-0.7849 AUDYEN 94.95-96.31
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7650-0.7850 AUDYEN 94.00-97.00
今週の豪ドルは: 引き続き揉み合いでしょう
6月以降豪ドルは77セント台、95円台の取引がメインとなっています。5月以降の高値の安値の中間点のレベルであり座りがいいのかもしれません。
国内指標では設備投資や小売が冴えず、一方雇用や企業信頼感が足元強いなど依然”まだら模様”です。
一方RBAは6月の理事会でキャッシュレートを史上最低の2.0%まで下げ、引き続き「豪ドルはもっと下がるべき、必要ならば追加緩和」を繰り返しています。
商品相場は鉄鉱石や石炭価格が最安値圏(40ドル台)から60ドル台に反発していますが全般的にはまだかなり軟調です。
またリスク許容度という面では世界的に株価は高値圏にありますが、ギリシャ情勢がリスク要因と認識されます。
また上海株が足元大幅に調整反落しているのも豪ドル不安材料です。
これら材料を総合判断すると、依然として豪ドルが上昇トレンドに転換するには支援材料不足と言わざるをえません。
一方米ドルは一時の”全面高”からはピークオフしていることや、商品相場にしても底値を割る状況でもないことから、豪ドルの安値圏がサポートされる状況です。
依然として足元はギリシャ情勢や、ドルの強弱、中国情勢などの外的要因が豪ドル相場に影響を与える展開でしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。