今週の主な予定、イベント
6/29(月)日本5月鉱工業生産、独6月CPI、EU-中国首脳会談
30(火)独6月失業率、ユーロ圏5月失業率、ギリシャIMF支払期限
7/1(水)6月日銀短観、中国6月製造業PMI、米6月ADP雇用者数、米6月ISM製造業景況指数、ルクセンブルグEU議長国に就任、香港市場休場(返還記念日)
2(木)ECB議事録、米6月雇用統計、米5月製造業新規受注、米新規失業保険申請件数
3(金)中国6月HSBCサービス業PMI、米独立記念日振り替え休日
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ協議不調→債務不履行か(6/30IMF支払期限)、日欧米の金融政策、中国景気刺激策、ドル高けん制/円安けん制(米議会、FRB、安倍政権、日銀)、GPIF
先週は米FOMCイベントも終わり市場の焦点はギリシャ債務協議一色となりました。楽観論が浮上する一方、協議は混迷の度合いを深め、結局土曜日の緊急ユーロ圏財務相会合を控えた形で取引を終えましたが、リスク回避の動きが活発化し主要国株価は軟調理に終わりました。
特に上海総合指数は調整の度合いを深め金曜日1日で8%程度下落しています。
為替相場では9月、12月の利上げを示唆するFRB当局発言に加えてギリシャ不安からドルが堅調推移し、ユーロは1.11台に下げました。またドル円はドル高とリスク回避の円買いが交錯して不安定な動きながらも123円台後半を維持。
そして週末にギリシャ情勢は大きく動きます。
結局土曜日のユーロ圏財務相会談でギリシャは債権者団の提案を拒否し提案に対する国民投票を7/5に実施すると発表。これに対してIMFは「ギリシャが30日の返済不能でも支援をせず」、ユーログループ議長は「ギリシャ救済プログラムは30日に終了」、ECBは「ギリシャ向け緊急流動性支援は据え置き、追加支援は見送り」と双方の対立色が際立っています。
特に債権団は「ギリシャの国民投票実施のメリットはなく今後の交渉の扉を閉ざすもの」と批判的です。
またツイプラス首相は資本移動規制措置として、本日は銀行や証券取引所を休業とし、ATMからの引き出しを1日60ユーロに制限するなどの措置を発令しました。
この週末の激動を受けて今朝のシドニー市場ではユーロが先週金曜日のNY終値1.1171から一時1.0952まで急落。リスク回避の円買いでドル円も終値123.86から一時122.09まで大幅に下落しました。この結果ユーロ円は終値138.38から一時133.72と4円超の下落でした。
その後売られすぎの調整で現在ドル円122.55、ユーロ1.1075、ユーロ円136.00とやや戻していますが、本日の欧州市場オープンを控えて予断を許さない状況です。
はたしてこのままギリシャがデフォルトに陥るのか?あるいは土壇場でデフォルトが回避されるのか?
債権者団は既にギリシャデフォルトの場合の緊急策を用意しているとも言われますが、しばらくは金融市場全体の不安定な動きが継続しそうです。
もっともギリシャがデフォルト後ユーロ圏を去るにしても、ギリシャ問題に決着がつけば相場はまた平静を取り戻すことになりますが。
ギリシャ関連以外では水曜日の日銀短観(Q2)、木曜日の米国6月雇用統計(金曜日は米独立記念日振り替え休日で休場)が注目されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7630-0.7796 AUDYEN 94.56-96.19
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7650-0.7850 AUDYEN 94.00-97.00
今週の豪ドルは: 上下不安定な動きでしょう
先週はFOMCのイベントも過ぎ、ギリシャ情勢を見ながらのリスク回避とその揺り戻しに豪ドルはアップ&ダウンでした。
ただ、上海総合指数が先週やや戻り基調から結局金曜日に大きく下げて前週引けから8%程度下げたことが重しとなり上値の重い展開となりました。
そして週末のギリシャ情勢急変を受けてリスク回避の動きが激化し、本日のシドニー市場では一時76セント割れ、92円台半ばに大幅下落しましたが、週末に中国人民銀行が今年4回目の利下げを実施したこともあり、現在は76セント台半ば、94円近辺まで回復しています。
今週も豪州国内の重要な指標発表やイベントはなく、引き続きギリシャ情勢の推移を見ながらの展開となります。
本日も上海総合指数は下げ幅を30ポイント程度に削っていますが、ギリシャ情勢がさらに悪化すれば、世界的な株価下落につながる可能性もあり要注意です。
ただギリシャ情勢がいずれ片付けば、再び豪ドルに投資家需要が戻ってくるものと予想しますが、その動きの前提としてやはり中国株式市場の底入れと商品相場の反発が必要となってくることは言うまでもありません。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。