今週の主な予定、イベント
7/6(月)日銀地域経済報告(黒田総裁挨拶)、米6月ISM製造業景況指数
7(火)ユーログループ会合、RBA理事会、ギリシャ大統領演説
8(水)ユーロ圏首脳会議、日本5月国際収支、FOMC議事録、英財務相予算案発表、SF連銀総裁講演
9(木)豪州6月雇用統計、中国6月CPI/PPI、BOE理事会、米新規失業保険申請件数、FRB講演(ブレイナ―理事、カンザスシティーFED、ミネアポリスFED)、IMF世界経済見通し改正版発表
10(金)イエレン議長、ボストン連銀総裁講演
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ国民投票「NO」、日欧米の金融政策(FOMC議事録)、中国株価下落/景気刺激策、GPIF
先週は前週末のギリシャと債権団の協議決裂を受けて週明けからリスク回避の動きが活発化し、主要国の株価は下落しました。
また為替市場ではユーロや豪ドルなどのリスク通貨が大幅下落し、円を買い戻す典型的なリスク回避相場となりました。
ギリシャ首相は7月5日に債権団の提示する緊縮財政案に対する「イエス」か「ノー」かの国民投票実施並びに銀行からの現金引き出しに上限を設けるなどの資本規制導入を発表しました。
ユーロは先週月曜日のシドニー早朝に1.09台半ばに、またユーロ円も134円割れまで下落しましたが、同日中に下げ分を取り戻すなど乱高下しました。
結局6月30日のギリシャのIMFへの返済1.6bioユーロは実行されませんでしたがデフォルトと認定されず、支払遅延扱いでとどまり、ギリシャ側から支払の意図や改革案が出されましたが、債権者団は「協議は国民投票の結果を見てから」と結論を持ち越しました。
市場は落ち着きを取り戻す中木曜日に発表される6月米雇用統計に対する期待感からドル反発地合いとなりましたが、結果は非農業部門就業者や平均時給、労働参加率が予想ほど強くなく、ドル軟調理に引けました。
そして本日、注目のギリシャ国民投票の結果は「反対」が61.3%、「賛成」が38.7%で、ツイプラス政権が民意を傘に債権者団に強気の要求をする可能性や、それに対する債権者団の態度の硬化→ユーロ離脱の可能性から再びユーロは1.09台後半、134円割れまで下落しましたが、強固派のバルファキス財務相辞任のニュースもあり1.10台後半、135円台後半まで戻すなど、先週の月曜日の”写真相場”となっています。
今週はギリシャ国民投票の結果を受けたギリシャと債権者団との協議再開が焦点です。メインシナリオは両者歩み寄りで妥協案に落ち着くものですが、スペインなどその他南欧諸国の反緊縮派の活発化も伝えられており、ギリシャの強気スタンスに対しては債権者側が断固たる態度でギリシャをユーロ圏から排斥する可能性もないとは言えません。
「ノー」の結論を出したギリシャですが、債権者団とのギャップは依然大きく、加えて国内の賛成派との亀裂など問題は山積しており解決にはまだ時間がかかりそうです。
各国金融政策やファンダメンタルズはしばらく棚上げの状態です。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7509-0.7738 AUDYEN 92.09-94.99
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7400-0.7700 AUDYEN 90.50-94.50
今週の豪ドルは: 売り圧力がどこまで吸収されるかが焦点です
先週はギリシャ情勢からのリスク回避の動きに加えて、中国上海総合指数の大幅下落(一時3,600台まで下落)、更には商品相場軟調(鉄鉱石は55ドル台、原油も55ドル台に反落)など売り材料に押され、今朝早朝には豪ドルは74セント台半ばと2009年5月以来の安値に、豪ドル円は90円台後半と今年4月中旬以来の安値を付けました。
特に上海総合指数は今年の高値5,100台から約30%と大幅下落しており、不動産市場の下落が株式市場に伝染しているようです。
下落に歯止めを掛けるべく中国人民銀行は先月の金融緩和に加えて資金支援を明らかにし、また中国大手証券会社も約2.4兆円相当の上場投資信託(ETF)への資金投入を発表していますが、依然として下値不安が払しょくできません。
ただ商品相場の軟調も元はと言えば欧州懸念や中国の株価下落の影響を受け、中国の株価も最大輸出先である欧州不安の影響を連鎖的に受けているわけですから、やはりギリシャ情勢が収まらないことには、足元豪ドルの回復も難しいと言えます。
今しばらくは下値模索が続くでしょう。
なお明日のRBA理事会での金融政策の変更は予定されていませんが、75セントを割り込んできた豪ドル安に対して、RBAが依然として”高すぎる”と発言するのか注目されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。