今週の主な予定、イベント
8/24(月)黒田日銀総裁参議院予算委員会で答弁、アトランタ連銀総裁講演、7月シカゴ連銀全米活動指数
25(火)豪州9月景気先行指数、月例経済報告、独Q2GDP確報値、独8月ifo景況感指数、米7月新築住宅販売、米8月消費者信頼感
26(水)米7月耐久財受注
27(木)豪州Q2民間設備投資、米Q2GDP(確報値)、米7月中古住宅販売、年次シンポジウム(ジャクソンホール~29日)、新規失業保険申請件数
28(金)日本7月雇用統計/CPI)、独8月CPI、米7月個人支出/所得、米8月ミシガン大学消費者信頼感
マーケットの焦点
キーワード:世界同時株安、リスク回避の動き、米9月利上げ観測後退、人民元動向、原油下落、GPIF
再び金融市場は荒れ模様です。先々週の中国人民元切り下げ騒動は、その後1USD=6.43人民元まで下落した人民元もその後は6.38台の落ち着いた動きとなり先週は人民元の切り下げも行われませんでした。
しかしながら原油安、株安の動きからリスク回避足が強まり、今週も金融市場不安に拡大して株価は大きく続落しています。
発表された7月分のFOMC議事録では当初の声明文より利上げに慎重なスタンスを市場に与えました。
「物価上昇への確信が持てない」との意見や、「中国経済減速が米経済のリスク」との指摘もあり9月利下げ観測が後退しドルが下落しました。
ドルインデックスは先週の高値97台から現在94台まで急落しています。
要は中国の株価下落・人民元切り上げ騒動から波及して世界経済の先行き不安が増大していると言えます。
この動きは今朝早朝のシドニー市場で増幅され現在もリスク回避相場が進行中です。
先々週の金曜日(8/14)と現在の主要指標/相場を比較してみましょう(カッコ内は騰落率%)
(8/14引け) (8/24安値) (騰落率%)
日経平均 20,519 18,517 -9.8
NYKダウ 17,477 15,985 -8.6
上海総合指数 3,965 3,206 -11.5
VIX Index 12.83 28.03(金曜日引け) +218
原油 42.50 38.98 -8.3
CRBインデックス 198.49 191.85(金曜日引け) -3.4
ドル円 124.30 120.72 -2.9
ユーロドル 1.1111 1.1499 (高値) +3.5
豪ドルドル 0.7378 0.7200 -2.5
豪ドル円 91.71 86.93 -5.3
約10日間としては特に株価や原油価格中心にかなり大きな変動と言えます。
今年年後半からの動きを総括すれば米利上げ観測が強まる中、ギリシャ危機で警戒感の強かった市場を中国の株価暴落が見舞い、その後人民元切り下げが追い打ちをかけで市場センチメントが更に悪化。
さすがに米利上げ観測は後退したものの”時すでに遅く”リスク回避の動きだけが相場を支配した形です。
ただ冷静に市場の動きを見ますと、ギリシャ危機は一服しており、人民元切り下げ騒動も一息ついた格好です。
中国発の世界同時不況懸念や早晩訪れる米利上げ観測から世界的に株価が大きく調整されている状況です。
NYKダウは年初のレベル17,000台を、また日経平均も年初のレベル17,000円を大きく下回り、また上海総合指数は年初のレベルまで反落していますが、中国はじめ世界景気見通しに悲観的過ぎるのではないでしょうか。
逆に中国の景気後退懸念や米国利上げにやっと市場がキャッチアップしたとも言えますが、一旦悪材料を十分に織り込んだ後に、意外とポジティブな中国や米国発の材料(指標など)が出だせば、ベア(弱気)一色の相場も反転するのではないでしょうか。
中国は株価対策として一段の金融緩和や財政出動を検討していると伝わっています。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7284-0.7389 AUDYEN 89.20-91.87
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7100-0.7300 AUDYEN 86.50-90.50
今週の豪ドルは: 依然下値不安が強い展開でしょう
先週の見通しは”豪ドル下落後、反発の余地”としましたが、ここまでリスク回避色が強まり、商品相場も続落しますと豪ドルは”完膚無きままに”打ちのめされた感じです。
怖いのはまだ下値達成感が出ていない点で、私のように「ある程度下落すれば、長い目で買い時」と読んでいる方も多く、”押し目買い→ 更に落とされて損切り”のパターンが続いています。
豪ドルは”資源通貨、投機通貨”ですので、先行き不安が高まると、一気に売り圧力が増幅され、行き過ぎるまで止まらないという特性があります。
この動きは古くはアジア通貨危機、リーマンショック時、欧州ソブリンリスク時に顕著でしたがあり、一旦リスク相場が支配すると簡単には収まりません。
ただ上述のように悲観論があまりにも増幅されている感は否めません。
中国当局の施策(金融緩和、財政出動など)が先なのか、欧州の景気ピックアップが起爆剤となるか、米国が利上げ先送りを発表するか?
何らかの材料が現在のネガティブスパイラル(負の連鎖)を食い止める必要があります。
一旦市場が好転し出せば、市場に大きく蓄積した豪ドル売りポジションがあぶり出される結果となります。
ただ足元はまだSELLING CLIMAX(売りの絶頂期)を見ていないのも事実で、70セント、85セントいった下値ターゲットが意識されます。
今週はQ2の民間設備投資(予想前期比-2.5%、前回-4.4%)が発表され、資源投資ブームの減退から前期に続いてマイナスが予想されます。
ただ既にベア市場ですので、弱い数字が出てもこの数字自体に対する反応は限定的でしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。