今週の主な予定、イベント
10/5(月)
豪州(NSW州)レイバーデー休場(夏時間移行)、ユーロ圏8月小売売上高、米9月ISM非製造業景況指数、ユーロ圏財務相会合、中国国慶節休場
6( 火)
RBA理事会(金利据え置き)、ドラギ総裁講演、EU財務相理事会、ユーロ圏財務相会合、IMF世界経済見通し、中国国慶節休場
7(水)
安倍首相内閣改造、日銀会合(黒田総裁会見)、IMF金融安定報告書
8(木)
日銀月報、日本8月国際収支、BOE理事会、FOMC議事録、G20、 米国新規失業保険申請件数
9(金)
IMF・世銀年次総会
マーケットの焦点
キーワード:弱い米9月雇用統計、休み明け中国、日銀会合―黒田バズーカ第三弾?フォルクスワーゲン、中国株価動向、欧州追加緩和、世界同時株安
先週は中国が国慶節休場(今週7日まで)となる中、日銀短観や米9月雇用統計が注目されました。
日銀短観は大企業製造業DIが12(予想13、前回15)、大企業製造業先行きが10(予想10、前回16)と前回からの3ヶ月間に中国発の世界同時株安などで企業マインドがかなり悪化している様が窺えます。
一方9月米雇用統計は失業率こそ前回と同じ5.1%に留まったものの、NFPR が+142千人(予想+200千人、前回+173千人から+136千人に下方修正)、平均時給0.0%(予想+0.2%、前回+0.4%)とかなり失望感を誘う内容であり、発表直後はNYダウ下落、ドル下落の極めてネガティブパターンとなりました。
ドル円は一時118.70近辺に急落し、ユーロは1.13台まで上昇しました。
しかし、その後はNYダウが前日比200ポイントを越える上昇に転じ、ドル円は120円台回復、ユーロは1.12近辺まで下落と、従来とは違ったパターンで週を終えました。
これは後講釈になりますが、利上げ観測が遠のいた安堵感で株価が急反発したことは、金価格の急上昇を見ても明らかでしょう。そしてリスク回避の巻き戻しで円が売り戻されました。しかし更に市場は「米国が当面金利据え置きであれば日欧の追加緩和の可能性が高まる」と読んでいるようです。。
つまり日本では8月の消費者物価(生鮮品を除くコア)が黒田さんの強気姿勢とは裏腹に2013年4月以降始めてマイナスに転じ、また2ヶ月連続でマイナスであった8月鉱工業生産、弱い日銀短観、更には第三四半期GDPが2期連続でマイナスになるとの観測もあり、6-7日の日銀会合では追加緩和に言及があるかもしれません。6-7日は無理でも10月末の会合では黒田バズーカ第三弾が炸裂す可能性も否定できません。
今週第二次安倍内閣が発足しますが、黒田さんもムキになって政府の緩和要請を否定することは得策ではないと判断するかもしれません。
日本経済は明らかに踊り場に差し掛かっています。
一方欧州でもフォルクスワーゲン不正事件以外にもユーロ圏9月の消費者物価指数は前年比-0.1%と3月以来のマイナスに転じ、ECBへの追加緩和期待が根強い状況です。
このように米国の雇用統計の弱さが逆に「明らかに米国より更に弱い日欧の追加緩和期待に飛び火した」格好です。
今週は6-7の日銀会合以外にもG20やIMF・世銀年次総会も開催されます。国際機関は総じて世界経済の現状に非常に悲観的であり、米国の利上げ先延ばしと日欧の追加緩和をしつこく提唱していますが、足元そちらの方向に動く可能性が否定できません。
ただ雇用統計の単月の下方へのブレにもかかわらず、米国は牽引車としてゼロ金利を解除すべきとの個人的意見は変えていません。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.6936-0.7085 AUDYEN 82.88-85.05
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7000-0.7300 AUDYEN 84.50-87.50
今週の豪ドルは: RBA理事会での据え置きや、国慶節明けの中国の景気刺激策への期待もあり堅調推移でしょう
豪ドルは先週発表された中国9月PMI(政府版)が予想をやや上回ったことから下げ止まりから反発に転じ、予想より強い8月の小売売上高や、弱い9月の米雇用統計を受けて堅調裡に越週しました。
また先週大暴落したスイスの資源大手グレンコア株が昨日香港市場で大幅反発(一時26%超反発)していることや、本日のRBA理事会で政策金利は予想通りに据え置きになったものの、一部予想された中国リスクを考慮したハト派色が然程見られなかったこともあり、71セント台前半、85円台後半まで続伸しています。
中国が7日まで国慶節休場であり、休場明けの株価反落の懸念も依然ありますが、反面何らかの新たな景気刺激策(財政・金融)への期待も膨らんでいます。
このままリスク回避の動きが後退するのか、あるいは再びぶり返すのか注目したいところです。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。