今週の主な予定、イベント
11/23(月)
日本休場(勤労感謝の日)、ユーロ圏/独11月製造業PMI、米10月中古住宅販売、ユーロ圏財務相会合
24( 火)
独11月ifo景況感指数、米Q3GDP(改定値)、米仏首脳会談
25(水)
日銀議事録、米10月耐久財受注、米10月新築住宅販売、米新規失業保険申請件数
26(木)
米国サンクスギビングデー休場、ロ・仏首脳会議
27(金)
日本10月雇用統計・CPI、米ブラックフライデー記念日で株式・債券市場短縮
マーケットの焦点
キーワード:米日欧三極金融政策、ECB理事会(12/3)、米11月雇用統計(12/4)、米FOMC(12/15-16)、イエレン議長の議会証言、IS、年末のドル需要
ご無沙汰しております。10日あまり日本に帰っておりました。
箱根に行きましたが今年は暖かいせいか、紅葉は今一でしたね、、、
さて小職が豪州を発つ直前の11/6には米国の10月雇用統計が発表され、非常に強い数字で米国の12月利上げ観測が一気に高まりましたね。
また先週末、まさに13日の金曜日ニューヨーク市場が引けた数時間後にパリ同時多発テロが勃発するなど激動の2週間でした。
主要通貨や主要指標を日本に行く前の6 Novemberと先週末20 Novemberを比較してみますと:( )内は11/6
USDYEN 122.77 (123.14)、EURUSD 1.0645 (1.0740)、GBPUSD 1.5189 (1.5061)、EURYEN 130.90(132.26)、AUDUSD 0.72.36(0.7057)、AUDYEN 88.79 (86.75)
NYKダウ 17,823(17,910)、日経平均 19,879 (19,265)、上海総合指数 3,630(3,590)
原油 41.90 (44.29) 、金 1,076(1,087)、米債2年物 0.905%(0.894)
11/6は米雇用統計発表日でしたから米ドル高、米株堅調、米債利回り上昇となりましたが、先週末も総じて米ドル堅調が維持されていますね。
特にユーロの軟調が際立っています。
その中で豪ドルは強いかった10月雇用統計の影響もあり、ドル高にもかかわらずむしろ堅調地合いと言えます。
また日経平均の上昇と原油価格の下落が顕著で、中国株は”小じっかり”というところでしょうか。
金 融政策では米国の12月利上げがほぼ確実視される中、欧州は12月の追加緩和観測が高まり、一方日本では日銀会合でも依然として追加緩和観測が盛り上がり ませんが、Q3GDPは予想を上回るマイナス成長(前期比-0.2%、年率換算-0.8%)もあり、依然として追加緩和観測がくずぶっている状況でしょう か。
さて相場も徐々に年末相場となっていきます。
年末までの焦点はやはり12/15-16の米FOMCで、予想通りに”ゼロ金利解除”がなされるか?10月の非常に強い米雇用統計で“勝負あった”感じですが、12月初に発表される11月雇用統計のネガティブサプライズには要注意でしょう。
ただし、よほどの悪結果出ない限り利上げ開始のシナリオは不変でしょうし、また市場もかなり織り込んでおり、市場の混乱は予想されません。
また最近のユーロ軟調の背景はパリ同時テロの影響もさることながらやはり12月のECB理事会おける追加緩和観測が高い点があります。
ドラギ総裁は事あるごとに追加緩和を示唆していますが、資産買い入れプログラムの増額や、中銀預金金利引き下げなどの”フルパッケージ”となる場合を市場は想定しているようです。
金利格差面での米ドル買い材料に加えて年末に向けての“ドル資金需要”が例年観測されるためドル高シナリオを描きやすい状況ですが、一方年末を控えたポジション調整の動きも予想され、クリスマス・年末前にもう一波乱ある可能性にも留意したいところです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7069-0.7250 AUDYEN 86.88-89.01
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7100-0.7300 AUDYEN 87.00-90.00
今週の豪ドルは: 米ドル相場を見ながら一進一退でしょう
私の不在でした2週間足らずで豪ドルは意外に底堅い動きを示しました。その間鉄鉱石が47ドル台、原油価格が40ドル台に続落するなど商品相場は依然軟調であり、不冴えな中国の10月貿易収支(輸入減少)や10月鉱工業生産を勘案すればやや意外感があります。
もっとも12日に発表された10月の雇用統計が非常に強く、また中国はじめ世界的に株価が堅調で、仏多発テロにもかかわらずリスク回避の流れが活発化しなかったことは豪ドルをサポートしました。
やはり大きな流れたとしては8月のRBA理事会(豪ドルレベル73セント台)で豪ドル高けん制が鳴りを潜めたころから、徐々に豪ドル割安感が出つつあるように思います。
一方インフレ率の低下や依然続く商品相場軟調から来年初のRBA利下げ観測が一部にあり、簡単に豪ドルが底離れする地合いとは言えません。
今年も年初から下落トレンドを築いてきた豪ドルですから、年末に向けたショートカバーが出つつあるのでしょう。
ま たリーマンショック以前はいわゆる長計(長期計画の略)といって翌年の鉄鉱石や石炭の価格は1年間フィックスで決めており、その値決めが行われる12月は 年末に向けて資源輸出カバーの豪ドル買い需要が活発化し(巨額に上ります)豪ドル相場が年末にむけて堅調推移しました。
リーマンショック後は価格変動リスクを避けるために期毎の値決めとなりましたが、資源価格下落ではあるものの、ある程度の市場の落ち着きから、再び長計に基づいて年末に資源輸出がらみの豪ドル買いが出る可能性が指摘されます。
これらショートカバーや実需がらみの豪ドル買いは、”豪ドルブルマーケット”にあっては豪ドル一段高の要因となりますが、現在のベアマーケットにあっては、戻りも一過性となる可能性が高いでしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。