今週の主な予定、イベント
11/30(月)
黒田日銀総裁講演、独11月消費者物価、米10月中古住宅販売、IMF理事会―人民元のSDR構成通貨の採用で判断
12/1( 火)
RBA理事会、中国11月製造業/非製造業PMI、ユーロ圏10月失業率、独11月失業率、米11月ISM製造業景況指数、米11月自動車販売、シカゴ連銀総裁講演
2(水)
豪州Q3GDP、ユーロ圏10月PPI、ユーロ圏11月CPI、米11月ADP雇用者数、FEDベージュブック、FRB当局講演(イエレン議長、アトランタ連銀総裁、SF連銀総裁)
3(木)
ECB理事会、ユーロ圏10月小売売上高、米国新規失業保険申請件数、米10月耐久財受注、米11月ISM非製造業景況指数、イエレンFRB議長上下両院経済合同委員会で証言、FRB当局講演(フィッシャーFRB副議長、クリーブランド連銀総裁)
4(金)
米11月雇用統計、FRB当局講演(セントルイス連銀D、ミネアポリス連銀)、OPEC総会
マーケットの焦点
キーワード:ECB理事会(12/3)、米11月雇用統計(12/4)、米FOMC(12/15-16)、イエレン議長の議会証言、IS、年末のドル需要
この1週間はトルコ軍のロシア機撃墜事件や厳戒態勢が続くフランスでの事件の後遺症、更にはISがらみ中東情勢の緊張などを材料としたリスク回避の動きが活発で世界的に株価は冴えない展開でした。
係る欧州での地政学懸念からユーロ安が先導する形でドル高地合いとなりドルインデックスは再び100の上に上昇しています。
明日から師走となりますが、今週は係る地政学的懸念以外にも3日(木)のECB理事会、4日(金)の米国11月雇用統計などのイベントがあり、さ来週15/16日のFOMCと併せてクリスマス休暇前に相場にはもう一嵐来るのかもしれません。
今月はユーロ主体でドル高が進行しましたが、その背景には上記の欧州を舞台とした地政学的懸念、今週のECB理事会における追加緩和観測、更には原油安の影響などがあります。
今週のECB理事会では追加緩和期待が強く、①中銀性預金金利を現在の-0.2%から-0.3%に引き下げ、②債券購入プログラムを2017年以降も延長、③債権買い取り対象の拡大などの諸策実施が予想されます。
一方11月の米雇用統計は予想がNFPR +20万人(前回は+27.1万人)、失業率5.0%(前回5.0%)となっていますが、予想を大きく割り込む数字にならない限りさ来週のFOMCでは利上げが行われるでしょう。
このように依然としてドル買い/ユーロ売り材料が目立ちます。
一方11月初旬にはユーロドルが1.10台にあり、ユーロ円が133円台にあったことを勘案すれば現在ユーロドルは1.05台、ユーロ円は129円台と既にかなり下落していることも事実です。
加えてFOMCでたとえ利上げが開始されたとしてFRBの利上げは極めて緩やかになることが予想されます。
来年1年間でせいぜい合計1.0%程度との読みが一般的です。
従いまして景気格差・金利格差を材料としたドル買いも、既にかなり進行していると言えます。
むしろ年末のポジション調整やドル高への米国サイドからの懸念の声などが上がれば、一転してドルが反落する可能性もあります。
年末にかけて例年増加するドル資金需要や米国の利上げ観測がある一方、年末の休暇シーズンを控えた調整の動きも予想され、市場活性度が低下することから思わぬプライスの変動が生じる可能性にも留意したいところです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7159-0.7283 AUDYEN 88.03-89.12
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7100-0.7300 AUDYEN 87.00-90.00
今週の豪ドルは: 米ドルが堅調維持であれば頭が重い展開でしょう
豪ドルは非常に強い10月雇用統計(11/12発表)後は商品相場の軟調にもかかわらず、年末控えの調整買い戻しも活発化して先週は72セント台後半、89円台前半まで反発しました。
しかし買い戻し一巡後は、再び軟調な商品相場(原油は41-42ドル台、鉄鉱石は43ドル台)に上値を阻まれ、先週発表されたQ3民間設備投資の過去最大の落ち込み(前期比-9.2%)や中国株式市場の大幅反落を受けて71セント台後半、88円近辺まで下落しました。
今週は豪州国内ではRBA理事会(金利据え置き予想)やQ3GDP(予想前期比+0.7%、前回+0.2%、前年比+2.3%、前回+2.0%)などのイベントがあります。しかし豪ドルは引き続き米欧の金融政策や中国株価・商品相場、あるいは地政学的懸念などの外的要因に大きな影響を受けるでしょう。
本日のIMF理事会で人民元がSDR構成通貨に採用されると予想されますが、これも豪ドルの相対的な地位低下の一因となり得ます。
基本的に年末控えのショートカバーが終われば、豪ドルを取り巻く客観情勢にあまり改善は見られず、豪ドルの上値が重い展開が予想されますが、豪ドルが再度反発するとすれば、原因は米ドルの反落や来年の資源輸出関連の豪ドル買い需要の高まりなどが考えられます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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