今週の主な予定、イベント
12/7(月)
黒田日銀総裁講演、ユーロ圏財務相会合、セントルイス連銀総裁講演
8( 火)
黒田日銀総裁挨拶、日本10月国際収支、日本Q3GDP(改定値)、中国11月貿易収支、EU財務相理事会
9(水)
中国11月CPI、PPI
10(木)
NZ準備銀行理事会、豪州11月雇用統計、BOE理事会、米国新規失業保険申請件数
11(金)
米11月小売売上高、米12月ミシガン大学消費者信頼感
マーケットの焦点
キーワード:米FOMC(12/15-16)、IS、年末のドル需要
先週は市場が徐々にクリスマス休暇気分になる中、ECB理事会や米11月雇用統計などのイベントがありました。
全般的に株価は年末調整気分もあり、先週末に比べてNYKダウや上海総合指数以外はやや軟調な展開。また金曜日のOPEC総会で生産枠を日量3,150万バレルに引き上げたことから原油価格は40ドル割れに下落し、商品相場は全体的に軟調推移でした。
為替市場ではユーロが乱高下しました。
追加緩和観測の高まりから1.05台、対円で130円割れに続落していたユーロは木曜日のECB理事会後、”BUY ON FACT”の動き強まり、一気に1.09台後半、134円台半ばまで急騰しました。
ECB理事会では中銀預金金利の引き下げ(-0.2%から-0.3%に)、資産購入の対象を地方債にま拡大、QEの期間を2017年3月まで延長などが事前予想通り決定されました。しかし資産買い取り月額が600億ユーロに据え置かれたことや、決定が全員一致でなかったことが”不十分”との印象を与えたことも、急激なユーロ買い戻しにつながりました。
一方金曜日の米11月雇用統計はNFPR +211千人(予想+200千人、前回+271千人から298千人に上方修正)、失業率5%(予想・前回とも5.0%)、平均時給+0.2%(予想+0.2%前回+0.4%)とまずまずの数字で、来週のFOMCにおける利上げの可能性が更に増加しました。ただ前日のECB理事会後の”ドル下落”の直後でもあり、ドルの上値は123円台前半、対ユーロでも1.08台前半と限定的でした。
いよいよ年内のイベントは来週15/16日の米FOMCのみとなりましたが、先週発表された2012年11月以来の弱いISM製造業指数にもかかわらず、イエレン議長発言やFRBのベージュブックの内容からも来週のFOMCでの利上げ開始はほぼ確実でしょう。
市場の関心は同時に発表予定の来年の利上げスケジュールに向かっており、ここまでのFRB当局の発言から利上げスピードは極めて緩慢なものとなることが予想されます。
現段階のコンセンサスは来年1年で1%程度の利上げ、つまり一四半期で25bp程度の利上げとなる見込みです。
したがって年末のユーロ買い戻しが予想されることや、FOMCでの利上げ開始自体が、再びドルの大幅上昇を促す可能性は低いわけですが、一方年末のドル資金需要の高まりや、依然としてユーロの先安観が強いことから、ドル高地合が一気に崩れる可能性も少ないものと思います。
FOMCに向けて再び思惑先行の不安定な相場が続きそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7170-0.7385 AUDYEN 88.04-90.73
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7250-0.7450 AUDYEN 89.00-92.00
今週の豪ドルは: 堅調推移が予想されます
先週の豪ドルは“米ドルが強ければ頭の重い展開”と予想しましたが、ECB理事会後のユーロの急騰/米ドル下落ということで豪ドルがサポートされました。
またRBA理事会で追加緩和への示唆がなかったことや、発表されたQ3GDPや10月小売売上高が予想を上回ったこと、更には発表された中国の11月財新メディア製造業PMIが予想ほど弱くなかったことも豪ドルをサポートしました。
豪ドルは対ドルで73セント台を回復し、対円では8月以来の90円まで上昇しています。
今週は中国の11月貿易収支(輸入の減少を懸念)、CPI、PPIに加えて豪州サイドでも年内最後の注目指標では11月雇用統計(前回は非常に強い数字でした)が発表されます。
全体の流れとしては米ドル高にやや調整が入っていることや、年末を控えた来年度の資源輸出カバーの豪ドル買い需要も予想されるために、豪ドルは底堅い展開となることが予想されます。
また82円台までの下落で損切りを余儀なくされた本邦個人投資家の豪ドル円買い需要も豪ドルの下値をサポートするでしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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