at_money_service
マネー

シドニー発豪ドル見通し(14December2015)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

今週の主な予定、イベント

12/14(月)

12月日銀短観、10月ユーロ圏鉱工業生産

15( 火)

独12月ZEW景況感指数、英11月CPI・PPI、米12月NYK連銀製造業景況指数

16(水)

独12月ユーロ圏製造業PMI、ユーロ圏11月CPI、米11月住宅着工件数/11月鉱工業生産、FOMC(イエレン議長記者会見、経済予測発表)

17(木)

Q3NZ GDP、日本11月貿易収支、12月ifo景況感指数、ECB経済指標、米12月景気先行指数、米国新規失業保険申請件数、EU首脳会議

18(金)

日銀政策会合(黒田総裁会見)、中国11月新築住宅価格、リッチモンドFED講演

 

マーケットの焦点

キーワード:米FOMC(12/15-16)、日銀会合(12/8)、IS、年末のドル需要

いよいよ今週のFOMC、日銀金融政策会合が終わればクリスマス休暇となりますが、市場には再びリスク回避の流れが強くなっています。為替市場ではECB後のユーロの急反発(1.10台まで)に端を発して12月上旬まで顕著であったドル高に調整が入っています。

先週は原油価格が35ドル台と2009年2月以来の安値を付け、株価もNYKダウ17,200台まで下落し、一時20,000円をヒットした日経平均は本日18,500円台まで値を下げました。係るリスク回避の動きを受けて円買いが活発化し、ドル円は一120円台半ば、一時134円台まで回復したユーロ円は132円台まで、186円台まで反発していたポンド円も183円台に反落するなど円買いが強まっています。

一方ユーロの反発は年末を控えたポジション調整に加えて新たに、円買い同様に「リスク回避のユーロ買い」の動きがあるようです。

今週はFOMCが最大の焦点となりますが、市場は既に25bpの利上げを織り込んだ状態です。

原油・株価反落などでリスク回避色は強いですが、金融危機が迫っている状況ではなく、FOMCでは当初予定通りに利上げが開始されるでしょう。

むしろ市場の焦点は来年の利上げペースについて、声明やイエレン議長の会見でどのような利上げスケジュールが発表されるか、あるいは同時に発表される経済予測にあります。市場予想では来年25bp X 4回で1.00%程度の利上げとなっていますが、金利先物市場ではまだ2回ほどの利上げしか織り込んでいません。

いずれにしても慎重な利上げスタンスが確認できるものと思われ、今回の利上げ開始を持って市場が大荒れになる可能性は少ないでしょう。

年末の日銀会合では一時追加緩和観測がありましたが、Q3GDPの前期比-0.2%から+0.3%への上昇修正や予想を上回った12月日銀短観(大企業製造業DIは12―予想11、前回12)から緩和の可能性は遠退いています。

FOMCで今回利上げとなれば9年ぶりの利上げであり、歴史的な出来事になるわけですが、市場の関心はむしろ足元の原油安や株価の不安定にあるようです。

中国の景気減速懸念やISや中東がらみの移民と欧州経済への影響など、不安材料はありますが、かつてのような圧倒的な世界金融危機や、世界経済の先行き不安は現在ありません。

ただ一旦リスク回避の動きが強まると、市場がネガティブ思考に陥るのはかつて何度も見られたパターンであり、年末年初にかけて荒れた相場展開になる可能性もあるでしょう。

 

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ  AUDUSD 0.7172-0.7340  AUDYEN 86.80-90.48

今週の予想レンジ AUDUSD 0.7250-0.7450  AUDYEN 89.00-92.00

今週の豪ドルは: 売り買い交錯でしょう

先週の豪ドルは“堅調予想”に反して再び反落しました。

原油や鉄鉱石など資源価格やエネルギー価格がリーマンショック後の安値(原油は’35ドル台、鉄鉱石は37ドル台まで)を更新したことが「資源通貨豪ドル」を直撃しました。昨年年初原油価格が100ドル超え、鉄鉱石価格が140ドルであったことを想起しますと、かなり短期間での大幅下落といえます。

原油と鉄鉱石は世界のメジャープレーヤー(生産者)が価格支配力を有し、両者ともに価格を押し下げてコスト高の生産者を排除ようとしている点で共通します。

このスパイラルな値下げ競争はコスト高の生産者が淘汰するまで継続するという悲観的な見方が更なる先安観の背後にあります。

足元まだ SELLING CLIMAXを見たとは言えませんが、いつ何時(地政学的懸念を含めた)供給障害が発生する可能性がなしとは言えず、そろそろいい水準に来ているように思えます。

豪ドルは強い11月雇用統計の影響も短時間で終わり、現在再び売り圧力が増大しつつあります。

今年の安値69セント台が意識されますが、一方豪ドル売りポジションの蓄積が速いのも確かです。

下値は資源輸出関連の豪ドル買い需要や投資家の押し目買いにサポートされる展開を予想しています。

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら