今週の主な予定、イベント
12/21(月)
日銀月報
22( 火)
米Q3GDP(確報値)、米11月中古住宅販売
23(水)
日本休場(天皇誕生日)、米11月新築住宅販売、米11月耐久財受注、米12月ミシガン大学消費者信頼感
24(木)
日銀議事録、黒田総裁講演、米国新規失業保険申請件数、クリスマスイブ短縮取引(英・独・仏・米国・オセアニア)
25(金)
日本11月雇用統計・11月CPI、クリスマス休場(英・独・仏・米国・オセアニア)
マーケットの焦点
キーワード:クリスマス休暇、IS、年末のドル需要
先週は日米の金融政策会合が焦点となりました。この年内最後のメインイベントでは特にFOMCに注目が集まりました。
結果は大方の予想通りで9年半ぶりの利上げ(フェデラルファンド・レートの誘導目標を従来の0.00%-0.25%から0.25%-0.50%に引き上げ)が発表され、同時に来年の金融引き締めの慎重なスタンスが確認されました。
リーマンショック後に導入された実質ゼロ金利がほぼ7年ぶりに解除されることになりました。
FOMCにおけるゼロ金利解除を受けて、米経済の回復期待とともに市場の不透明感が減少したとの判断から、発表後は株価は大幅に反発しドルが上昇(対円で122円台半ば、対ユーロで1.08台後半まで)しました。
FOMCを受けて市場センチメントは一時改善しましたが、金曜日に原油価格が一時34ドル台と安値を更新し、株価も大幅に反落したことから週末に向けては再びリスク回避的なムードが高まっています。
金曜日の日銀会合で日銀は国債買い入れの平均残存期間の拡大や、ETF(上場投資信託)の買い入れ枠設定など緩和強化を発表し、一時ドル円急反発、株価急上昇となりましたが、後に黒田総裁が「現行緩和の追加や強化ではなく、あくまで施策の円滑化が目的だ」と指摘したことから失望感からの”円買い”が活発化しました。原油価格続落と相まってドル円は121円近辺まで反落し、ユーロ円131台前半、ポンド円180円台前半など再び”円全面高”になりつつあります。
FOMCと日銀会合をもって年内のメインイベントは終了し、今週は23(水)の日本の天皇誕生日休場、24日からの欧米諸国のクリスマスと休暇シーズン/年末相場に突入します。
年末年始大きな相場の変動は予想されませんが、原油価格はじめ商品相場の軟調や、株価の調整売り、更には根強い地政学的懸念や人民元の下落などのリスク要因が依然として目立ち、投資明けも警戒感の強い相場が継続する可能性が高いようです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7097-0.7283 AUDYEN 86.21-88.64
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7050-0.7300 AUDYEN 85.50-88.50
今週の豪ドルは: 揉み合い相場が予想されます
先週の豪ドルはFOMC直後に72セント台後半、88円台半ばまで反発しましたが買いは続かず、ドル高や原油・鉄鉱石などの続落を受けて一時71セント割れ、86得円台前半まで下落し、その後やや反発しています。
発表された政府の年央経済財政見通し(MYEFO)では2015/16年の財政赤字を374億豪ドル(5月時点では351億豪ドル)、2016/17年の赤字を337億豪ドル(5月時点で258億豪ドル)と赤字額の上方修正と、黒字転換を2025/2026年(5月時点は2019/2020年)の遅延が指摘されましたが、主な原因は資源価格の下落による税収減としました。
ただ繰り返しになりますが現在の原油や鉄鉱石など資源/エネルギー価格の下落の一因は価格支配力を持つ大手(石油ではOPEC、鉄鉱石ではブラジルのVALE、豪州のRIO TINTO、BHPなど)がハイコストの弱小生産者を除去するために恣意的に価格を下げている部分は否めません。
しかし生産者の淘汰もかなり進んでおり、今後米国経済はじめ主要国の景気が回復基調となれば、再度資源/エネルギー価格の需給バランスは好転するものと考えます。
いずれにしても資源価格の軟調に加えてリスク回避の豪ドル売り圧力も強く、一方年末を控えた資源輸出見合いの豪ドル買い需要との揉み合い相場が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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