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シドニー発豪ドル見通し(11January2016)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

今週の主な予定、イベント

1/11(月)

日本休場(成人式)、地区連銀講演(ダラス、アトランタ)

12( 火)

日本11月国際収支、リッチモンド連銀総裁講演、オバマ大統領一般教書

13(水)

中国12月貿易収支、地区連銀総裁講演(シカゴ、ボストン)、FEDベージュブック(地区連銀経済報告)

14(木)

豪州12月雇用統計、2015年独GDP、BOE理事会、ECB議事録、米国新規失業保険申請件数、ユーロ圏財務相会合、セントルイス連銀総裁講演

15(金)

日銀議事録、米11月NY連銀製造業景況指数、米12月小売売上高・PPI・鉱工業生産・設備稼働率、米1月ミシガン大学消費者信頼感、EU財務相理事会

 

マーケットの焦点

キーワード:リスク回避相場、中国株価・人民元動向、原油動向、米経済動向

先週は年初から中国発の株価下落・人民元切り下げが世界的に金融市場の不安を引き起こし、市場ではリスク回避の動きが高まりました。

恐怖指数(VIX INDEX)は昨年7月以来の27台まで急上昇。

株安・原油安(32ドル台まで)が進みました。

上海総合指数は年初の3,296から一時3,125に、日経平均は18,451から17,111に、NY DOWは17,148から16,177に下落しました。

このリスク回避の流れを受けてドル円は年初の高値120円台から、本日は一時116円台後半と昨年8月以来のレベルまで下落し、ユーロ円も127円台半ば、ポンド円も169円台前半、豪ドル円も80円台後半など「リスク回避の全面円高」地合いです。

先週金曜日に発表された米国の12月雇用統計はNFPRが+29.2万人と予想を上回り、失業率も5.0%と良好、平均時給の伸びが0.0%と予想を下回りましたがこちらも前年同月比では+2.5%と前月の+2.3%を上回るなど総じて強い数字でした。

しかしドルの反発は一時的に留まり、結局金曜日のニューヨーク市場後場にかけてリスク回避の高まり=ドル売り・円買いが活発化し、地合いの弱さを改めて印象付けました。

今週も中国市場の株価並びに人民元政策が市場の焦点となりそうです。

先週は2回のサーキットブレーカー発動(株価の7%変動で終日取引停止)がありましたが、金融当局は個人投資家が売り場を失いパニックに陥るなどの同制度の弊害を認識して金曜日に同規制を停止しました。

その後株価は小康状態ですが依然として下値不安感は払しょくされません。

加えて昨年末からの人民元下落への対策として中国人民銀行が大量の元買い介入を行った証左として12月末の中国の外貨準備高が前月比過去最大となる1079億ドルの減少となり、資本流出・株安・元安の同時進行を印象付けました。

年初より中国不安の再燃でリスク回避色が強く、足元大きな改善は期待できません。ただ、市場もかなり急激に反応しており(株価、為替、商品相場など)、中国情勢が好転する場合には、市場に蓄積しているリスク回避ポジションの巻き戻しも警戒すべきでしょう。

年初のリスク回避相場は昨年と全く同じ”写真相場”ですが、昨年は株価・為替相場ともに2月には1月の下落を取り戻しています。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ  AUDUSD 0.6949-0.7290  AUDYEN 81.46-87.72

今週の予想レンジ AUDUSD 0.6850-0.7150  AUDYEN 80.00-84.00

今週の豪ドルは: 波乱含みの展開の中、下値テストと利食いで乱高下

年初から豪ドルは激しいリスク回避の動きに晒されました。

昨年末は年末の資源輸出に関わる豪ドル買い需要もあり73セント台、88円台と堅調裡に1年の取引を終わりました。

しかし年明け早々は中国発の株安・元安に中東の地政学的リスク(サウジとイランの外交断絶)か加わり豪ドルを圧迫しました。

特に中国人民銀行が人民元の基準値を約5年ぶりの安値(対米ドル)に設定し、この人民元の切り下げが豪ドル売り材料となりました。

世界経済第2位の中国が自国通貨を切り下げれば、中国の輸出競争力は高まりますが、一方豪州はじめとしたアジア諸国の国際競争力は弱体化します。

加えて中東の緊張にもかかわらず、OPECの原油供給量は過去最高レベルを維持しており、需要サイドでは世界の原油需要第2位の中国の需要減退懸念が地合いを更に悪化させており、「1バレル30ドル割れは時間の問題」との悲観的な見方が一般的です。

豪ドルは2013年以来毎年高値を切り下げており、このトレンドが今年も継続すれば、60セント台を下落することになります。

はたして年初のこのベアセンチメントが今年1年継続するか?

豪ドルベア派が圧倒的に多い現状ですが、私見としては「リスク回避の動きは1年間続くものではない」、「市場はベアセンチメントほぼ一色である、いずれ調整が起こる」、と考えています。

ただ一時的な売られ過ぎの調整であれば、調整一巡後は再度売り圧力が高まります。

「一時的調整か、あるいは相場の転換か?」

少し気が早いですが、「モウはマダなり、マダはモウなり」、いずれこの命題に行き着くと思います。

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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