今週の主な予定、イベント
1/25(月)
日本12月貿易収支、独1月ifo景況感指数
26( 火)
米1月消費者信頼感、米11月 S& Pケースシラー住宅価格指数
27(水)
豪州Q4CPI、米12月新築住宅販売、FOMC
28(木)
NZ準備銀行理事会、英Q4GDP、独1月CPI、米12月耐久財受注、米新規失業保険申請件数
29(金)
日銀政策会合、日本12月雇用統計/CPI/鉱工業生産、ユーロ圏1月CPI、米国Q4GDP(速報値)
マーケットの焦点
キーワード:FOMC、日銀会合、リスク回避の巻き戻し? 米Q4GDP、人民元動向、ECB追加緩和観測、英国のEU離脱問題、米経済動向
年初来中国経済不安や原油安、金融市場の不安定な動きからリスク回避の動きが活発化しましたが、先週は週初回避の動きがエスカレートした後、木曜日、金曜日と大きな調整が入りました。
先週は火曜日に原油価格が一時26ドル台と2002年以来の安値を付け原油安/株安となり一時NYKダウは15,450.80、日経平均は 15,797.60、上海総合指数は2,844.70まで値を下げました。
しかし木曜日には原油が一時30ドル台を回復しました。
加えてECB理事会でドラギ総裁は3月追加緩和を示唆し欧州株価反発します。
またダボス会議(世界経済フォーラム)において中国の李副首相は「人民元切り下げの意図はない」と発言。
この流れは週末に向けても続き、結局原油価格は32ドル台まで反発し、金曜日に日経平均は900円を超える大幅上昇を見せりなど主要国の株価は大きく買い戻されました。
かかるリスク回避一服感漂う中、今週はFOMCや日銀会合が開催され、更には米国のQ4GDPも発表されます。
年初来中国や原油動向に振り回されてきた市場ですが、久しぶりに日米はじめとした金融政策や各国経済に市場の焦点が戻ります。
米国FOMCでは12月の利上げ再開後の国際金融市場の不安定化や米経済減速懸念もあり、今回は金利据え置きとなるでしょうが、はたして3月のFOMCでの利上げを示唆するか注目されます(2月はFOMCがありません)。
先週の市場センチメントの好転も調整の域を出ておらず、依然として不透明感が強いことや、金曜日に発表される米Q4GDP(速報値)も前期比年率で前回の+2.0%から+0.8%にスローダウンが予想されることなどから、依然としてFOMCでは追加利上げには慎重な姿勢が確認できそうです。
一方日銀会合では年初来の株価の大幅下落を受けて政府筋からの追加緩和要請が強まっています。今朝発表された12月の貿易収支は黒字の+1,402億円(予想+1,000億円、前回-3,813億円)となり一時ドル円は118円台半ばに小幅下落しました。
アベノミクスをサポートする円安・株高構造に変化が生じれば、またまたデフレ懸念が強まり、黒田・日銀の目指す消費者物価2%が遠のきます。
加えて政府は夏の参院選や甘利経済再生相の金銭疑惑など懸念材料が多いだけに、一段の日銀の緩和がほしいところでしょう。
黒田総裁は出席中のダボス会議の席上「物価目標達成に必要なら緩和も含めて政策調整に躊躇しない」と発言しており、従来からの「現在追加緩和は必要ない」のスタンスから変化も見てとれます。予想外の追加緩和に乗り出す(あるいは示唆する) 可能性もないとは言えないでしょう。
つまり貿易黒字転換による円買い需要の拡大と日銀緩和観測という相反する材料が入り乱れる展開が予想されます。
世界経済の不透明感や原油安など基本的な不安材料に大きな改善はありませんが、一方リスク回避材料もかなり織り込みつつあり、今週は売り買い両材料がせめぎ合う荒い展開が予想されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.6828-0.7046 AUDYEN 79.21-83.53
今週の予想レンジ AUDUSD 0.6850-0.7150 AUDYEN 781.50-84.50
今週の豪ドルは: 買い戻しと新たな売りの攻防
先週豪ドルは週初原油安や株価大幅下落、中国景気不安などが強まり、2009年3月以来にの68セント台前半、2012年6月以来の79円台前半まで続落しました。
しかし週後半は原油価格の急反発(26ドル台→32ドル台)や株価の回復を受けて、大きく売りに傾いていたポジションを買い戻す動きが活発化し、83円台半ば、70セント台半ばまで反発しました。
またECBや日銀の追加緩和の思惑も株価をサポートしました。
ただ原油を含めて商品相場は依然として需給ギャップが大きくて底値を確認できる状況にはありません。
リスク回避相場も早晩終わるでしょうが、まだまだ油断は禁物であり、回避とその巻き戻しを繰り返しながら徐々に底固めしていく展開でしょう。
したがって豪ドルについても同じことが言え、ベアマーケットが終わったとはとても言えません。
猶今週水曜日にはQ4CPIが発表されますが予想は前期比+0.3%(前回+0.5%)、前年比+1.6%(前回+1.5%)で、RBAの注目するアンダーライイングインフレーションは予想が前期比+0.5%(前回+0.3%)、前年比+2.1%(前回+2.1%)と依然としてRBA ターゲット(2-3%)の下限に張り付いています。
ただ目下の豪ドル安地合いにあって2月や3月に利下げの可能性は20-30%と低いですが、年央に利下げをすると見る向きは依然として多いのが現状です。
今週もUPS $ DOWNSの不安定な展開が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。