今週の主な予定、イベント
2/1(月)
中国1月製造業/非製造業PMI、中国1月財新メディア製造業PMI、米国1月ISM製造業景況指数、フィッシャーFRB副議長講演
2( 火)
RBA理事会、独1月失業率、ユーロ圏12月失業率/PPI、米1月自動車販売、カンザスシティーFED総裁講演
3(水)
日銀議事録、黒田総裁講演、ユーロ圏12月小売売上高、米国1月ADP雇用者数、米国1月ISM非製造業景況指数
4(木)
ECB経済報告、BOE理事会-四半期インフレリポート、米国12月製造業受注、米国新規失業保険申請件数
5(金)
米国1月雇用統計
マーケットの焦点
キーワード:日銀マイナス金利導入、原油の反発、米国1月雇用統計、中国株価/人民元政策、米経済動向
先週は原油価格の反発に加えて金曜日には日銀会合において史上初であり予想外の”日銀の当座勘定にマイナス金利導入”が発表されたことから主要国の株価は上昇し、市場のリスク許容度が増大しました。
先々週はECBが3月追加緩和を示唆し、先週のFOMCもややハト派色が勝った内容であり、ダメ押しの日銀マイナス金利導入と来て、世界的にリスク選好色が強まりました。
先週は原油反発・株価上昇で為替相場では円安・通貨高のリスク回避の巻き戻しが顕著でしたが、金曜日の日銀マイナス金利導入で円売り・ドル買いが更に加速しドルが全般的に上昇しています。
ドル円は12月中旬以来の121円台後半まで上昇し、ユーロ円一時132円台前半、ポンド円174円台前半、豪ドル円86円台前半など、円は主要通貨に対して値を下げました。
今回の日銀のマイナス金利導入は、長らく続くゼロ金利で金利面からの行き詰まり感があっただけに、日銀はデフレ脱却のために従来の「量的・質的金融緩和」にマイナス金利の導入で再び「金利」と言う要素を加えたことで、金融の舵取り手段が多様化したとの評価が一般的です。
日銀は必要な場合は更にマイナス金利の下げ幅を広げると公言しています。
このように原油や株価の反発+日欧中銀の追加緩和(ECBは3月緩和観測)でリスク回避の動きがかなり巻き戻されました。今週は早くも米国1月の雇用統計が発表されます。失業率予想は前回と同じ5.0%、NFPRが前回の+292千人から190千人にやや鈍化、平均時給は前回の0.0%から+0.3%の伸び予想となっています。
ただ先週金曜日に発表された米国のQ4GDPは前期比年率が前回の+2.0%から+0.7%(予想は+0.8%)に鈍化しており、むしろ今回の雇用統計が軟調であれば、3月追加利上げ観測が後退するでしょう。
カプラン・ダラス連銀総裁も「日銀の刺激策は明らかにドルに影響し、留意する必要」と述べています。昨年の高値123円台を上抜いて行くようであれば、米当局や議会からのドル高けん制が強まる可能性があります。
先週はリスク回避がかなり後退しましたが、このままスンナリとリスク選好相場に移行するとも思えません。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.6918-0.7141 AUDYEN 81.48-86.36
今週の予想レンジ AUDUSD 0.6950-0.7250 AUDYEN 84.50-87.50
今週の豪ドルは: 引き続き売り買い交錯でしょう
週初豪ドルは原油安やQ4CPIの弱い数字を予想して69セント台前半、81円台半ばに下落しましたが、発表されたQ4CPIが予想をやや上回ったことや、FOMCのハト派的な内容にサポートされて反発。
金曜日の日銀によるゼロ金利導入を受けて原油や株価が続伸する中71セント台半ば、86円台前半まで上昇しました。
しかしドル高地合いにあって71セント台は徐々に頭重く、ドル円もややピークアウトして豪ドル円は85円台に反落しています。
今朝発表の中国1月製造業PMIは11月連続で景気縮小を意味する50%以下となりましたが、一方民間の財新メディア製造業PMは50を割り込んではいるものの予想値48.1を上回る48.4で、豪ドルはどっち着かずの反応でした。
明日のRBA理事会では金融政策の変更は予定されていません。
年初来軟調推移してきた豪ドルですが、原油や鉄鉱石の生産調整の話もやっと聞こえつつあります。
依然豪ドルの先安観が強い現状ですが、はたして足元の資源価格の反発が更に腰の据わったものとなるのか注目されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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