今週の主な予定、イベント
2/29(月)
ユーロ圏2月消費者信頼感、米国1月中古住宅販売成約件数
3/1( 火)
RBA理事会、豪州Q4経常収支、豪州1月住宅建設許可件数、中国1月製造業PMI、中国1月財新メディア製造業PMI、米国2月ISM製造業景況指数、米大統領選スーパーチューズデー
2(水)
豪州Q4GDP、米国2月ADP雇用者数、FEDベージュブック
3(木)
豪州1月貿易収支、中国人民政治協商会議(~5(金))、ユーロ圏1月小売売上高、米国1月耐久財受注、米国2月ISM非製造業景況指数、米新規失業保険申請件数
4(金)
豪州1月小売売上高、米国2月雇用統計
マーケットの焦点
キーワード:米国2月雇用統計、中国景気/金融刺激策、英国EU離脱問題、原油価格、米国の追加利上げ、日欧の追加緩和観測
先週は前週末と比較して日米独の株価が上昇する一方、中国や豪州、そしてEU離脱問題に揺れる英国の株価が軟調になるなどマチマチの動きでした。
また原油価格も産油国の減産への期待感と失望感が入り乱れる中、33ドル近辺とやや持ち直しています。
金曜日から上海で2日間開催されたG20は、年初来の金融市場の混乱や世界経済に対する不安が強い中での開催となり、市場の注目を集めました。
ただ結果は”目下の懸念を共有するに留まり、具体的な解決策で合意するには至っていない”ように思えます。
<共同コミュニケ抜粋>
・世界経済の回復は続いているが依然としてばらつきがあり、強固で持続可能かつ均衡ある成長のために我々が期待する水準に達していない。
・下方リスクと脆弱性が高まっている。
・全ての政策手段「金融、財政及び構造政策」を個別にまた総合的に用いる。
・通貨の競争的な切り下げを回避することや、競争のために為替レートを目標としない。
結局事前にIMFが進言した「各国の財政出動による景気刺激」に対しては、独や豪州などの「各国の財政事情が厳しい折、財政出動と言う目先の施策に頼らずに各国の構造改革を進めるべき」という反対意見が強かったようです。
また中国を含めた新興国からの資金流出を規制するための具体的な対策をG20作業部会で検討することを決めましたが、こちらも米国の金融引き締めが主因でるだけに解決策への合意は容易ではありません。
結局「世界経済回復や安定した成長維持」という目標も”絵に描いた餅”で具体策の合意には至らなかったのが実情でしょう。
また米国の日中通貨安政策への不満が開催前から報道されていましたが、こちらも背後に自国の金融引き締めがあるだけに、むしろ円や人民元などの個別案件には触れずじまいでした。
現在の世界経済の先行き不安は、景気の循環的な要素がある上に、先進国・新興国共に独自の問題を抱えており、G20という括りで解決策を捻り出すのは、やはり無理であったと言うべきでしょう。
さて、G20は終わりましたが今週も市場は休むことを知りません。
金曜日には米国の2月雇用統計が出ますが、数字はやや強めの予想(失業率4.9%、NFPR +20万人)であり、最近再び3月利上げ観測も聞かれます。
また英国のEU離脱問題や原油価格動向や中国経済動向など不安材料の多さはG20前と全く変わっていません。
ただG20が現在の懸念を共有しているように、市場は十分リスク要因に気付いている点が、過去のリーマンショック時や欧州ソブリンリスク時とは異なるところで、
市場の警戒態勢はかなり強固です。
投機的なリスク回避の仕掛けは、むしろ空振りに終わる可能性もあります。
また中国はG20においても個別に財政出動の可能性に言及しており、その意味でも3日(木)~5(土)に開催される中国人民政治協商会議の内容が注目されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7118-0.7259 AUDYEN 80.82-82.02
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7000-0.7300 AUDYEN 79.50-82.50
今週の豪ドルは: 引き続きトレンドのないUPS & DOWNSでしょう
先週の豪ドルはG20への期待感や鉄鉱石価格の50ドル台への上昇、更にポンドやユーロなど対欧州通貨での買い需要などにサポートされて一時72セント台、82円台と底堅い動きとなりました。
今週は中国の2月PMI(財新および政府発表)や豪州の各種経済指標(Q4GDP、住宅建設許可件数、小売売上高、貿易収支)やRBA理事会(金融政策変更は予想せず)などに注目することになります。
中国のPMや週末の中国人民政治協商会議は注目されますが、国内指標に対する注目度は最近やや低調です。
サウジ、カタール、ロシアが3月に会合を開催することで合意しており、減産への期待も聞かれますが、先週もサウジが”価格維持のための減産に反対”の意向を示し、またイランが陰で増産しているとの憶測も絶えないことから、原油の先行きについては楽観視はできない状況に変わりはありません。
欧州通貨の受け皿として一時的に豪ドルが買われている側面もあり、中国の景気刺激策や原油・鉄鉱石の底入れなど、本来の好材料が豪ドルを押し上げる状況はまだ先のようです。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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