今週の主な予定、イベント
3/14(月)
参議院予算委員会
15( 火)
日銀会合、米2月小売売上高/PPI、米3月NYK連銀景況指数
16(水)
中国全人代閉幕、英財務相予算演説、米2月住宅着工件数/CPI、FOMC
17(木)
黒田日銀総裁講演、日本2月貿易収支、NZQ4GDP、ユーロ圏2月CPI、米2月景気先行指数、3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米新規失業保険申請件数、EU首脳会議
18(金)
日銀議事録、中国2月新築住宅価格、地区連銀総裁講演(ボストン、セントルイス)、3月ミシガン大学消費者信頼感、EU首脳会議(2日目)
マーケットの焦点
キーワード:FOMC、日銀会合、中国全人代と景気/金融刺激策、英国EU離脱問題、原油価格、日欧の追加緩和観測
先週は前週の2月米雇用統計における平均時給-0.1%のインパクトがやや市場に残りましたが、開催中の中国全人代における景気刺激策への期待や、原油先高観から全般的にリスク選好的なムードとなり、日本や中国の株価がやや下げた以外は総じて主要国の株価は堅調を維持しました。
注目のECB理事会では予想を上回る緩和策の実施が発表されています。
ECBは政策金利を0.05%から0.00%に、また中銀性預金金利を-0.3%から-0.4%に引き下げましたがこれは想定内。
想定外として資産購入枠を現行の月額600億ユーロから800億ユーロに拡大し、更に購入資産対象に社債も含めました。更には実施可能性が低いと言われてきた長期流動性オペ(LTO)の実施にまで言及するなど、いわば満額回答の緩和策でした。
ただドラギ総裁は会見において「今後の追加利下げは見込まない」と発言したのはダブルサプライズでしたが、、、
為替相場では前週の流れを受けてドルが軟調地合いで、ドル円は112円台前半を何度かテストしましたが、原油や株価の反発で下値も限定的であり、むしろ114円台に反発する局面も。ECBの緩和発表直後はユーロは1.08台、123円台に急落しましたが、ドラギ総裁の「追加緩和なし」発言に1.12台、127円台に急反発するなど、不安定な動きでした。
今週は先週のECB理事会に続きFOMC、日銀会合、BOE理事会などの政策会合が焦点となります。
中でもFOMCは市場が注目するところですが、G20で成長維持政策が確認されたことや、主要国の緩和維持政策、更にはやや強さのかける最近の米国経済指標などを勘案すれば今回は政策変更なしの見方が優勢ですが、イエレン議長が今後の追加利上げを示唆するのかがポイントでしょう。
一方日銀会合では先般のマイナス金利導入の風当たりが強く、追加緩和はない模様です。またBOEの利上げ観測は遠のいたものの、かといって一転利下げの可能性もなく、全般的に政策据え置き予想が主流です。
特にFOMCの政策変更なしはドルの続落を誘う可能性がありますが、一方その他国もしっかりと緩和政策を維持しており、加えて原油の堅調やリスク選好の動きもあるためにドル円が大幅に下落するシナリオも描けない状況です。
また3月期末を控えて海外から本邦への資金還流(リパトリ、円買い)の可能性も指摘されますが、こちらも既にある程度出ているとも見られます。2月・3月のドル円下落の一因がリパトリにあるのかもしれません。
このようにドル相場も好悪両材料に取り巻かれており、なかなか一方方向へのトレンドを見いだせない状況が足元続きそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7392-0.7583 AUDYEN 83.35-86.21
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7400-0.7700 AUDYEN 85.00-88.00
今週の豪ドルは: 引き続き利食いをこなして堅調地合いでしょう
先週の豪ドル予想は中国の景気刺激策への期待や商品相場の堅調(原油38ドル台、鉄鉱石は63ドル台から反落も57ドル台維持)、更にはリスク選好の動きを受けて昨年6月以来の75セント台後半、年初来の86円台前半まで上伸しました。
鉄鉱石価格は中国のインフラ投資計画を受けて先週月曜日に63ドル台にジャンプアップしました。ただ中期的には依然として需給ギャップの大きさが指摘され、予想通りに57ドル台に反落していますが、原油などその他資源価格が反発すれば、鉄鉱石の底入れも遠くないとの意見も聞かれます。
その原油は3月の生産国の会議で、増産に歯止めがかかることが期待押されます。一方本日イラン(OPECのメンバー)は日量4mioバレルへの増産を発表しており、OPECもなかなか一枚岩になれない状況ですが、イランの増産は特に意外感はないようです。
豪ドルは昨年8月にRBAの”豪ドル高けん制”が止まったレベル73セント台をかなり上抜いており、続伸するようであれば再びRBAのけん制発言が再開する可能性があります。また更なる豪ドルの上昇がRBAの利下げにつながるとの見方もあります。
もっとも商品相場の足元の上昇が本腰の入ったものになれば、RBAの豪ドル高けん制も然程シビアなものにはならないでしょう。
足元豪ドルは上値では利食い売りが出やすく、一方反落局面では実需筋の押し目買いがサポートする展開でしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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