今週の主な予定、イベント
4/11.(月)
黒田日銀総裁第91回信託大会で挨拶、中国3月CPI・PPI、地区連銀総裁講演(NYK、ダラスFED)
12( 火)
3月英国CPI・PPI、地区連銀総裁講演(SF、フィラデルフィアFED)、IMF世界経済見通し
13(水)
黒田日銀総裁講演、中国3月貿易収支、米国3月小売売上高・PPI、FEDベージュブック、IMF国際金融安定性報告
14(木)
豪州3月雇用統計、英中銀理事会、ユーロ圏3月CPI、米新規失業保険申請件数、パウエルFRB副議長講演、米大統領選民主党候補討論会、ワシントンG20
15(金)
中国Q1GDP、中国3月鉱工業生産・小売売上高、RBA金融安定報告書、米国3月鉱工業生産・設備投資、4月NY連銀製造業景況指数、4月ミシガン大学消費者信頼感(速報値)、IMF・世銀春季会合
1)マーケットの焦点
キーワード:円高/株安、ワシントンG20、パナマ文書、英国EU離脱問題、原油価格、日本の機関投資家の新規外債投資
先週は依然として市場のリスク許容度低下し、株価は世界的に低迷しました。
特に日経平均は年初の高値18,000近辺から一時15,300台まで大幅下落しており、円高・株安が鮮明です。
世界経済に対する不安(今週発表されるIMFの世界経済見通しは再び下方修正される見込みです)やISを中心のする地政学的懸念、更には著名人のTAX HAVEN(租税回避地)書類の流出問題なども地合いを悪くしました。
為替相場では引き続き円全面高地合いが継続しています。
ドル円は2014年10月以来の107円台半ばに下落し、ユーロ円122円台半ば、ポンド円151円台半ば、豪ドル円80円台半ばなど円独歩高です。
上記リスク回避の動きに加えて、FOMC議事録で再び利上げに慎重なハト派スタンスが確認されたことや、安部首相が110円を下回ったレベルでも”介入に慎重な姿勢”を表明したこともドル円売り安心感を助長しました。
市場の焦点は今週14/15日に開催されるワシントンG20や15日のIMF・世銀春季会合、米大統領予備選の行方、パナマ文書などが注目されます。
2 月の上海G20では「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に対して悪影響を与える」ことが確認されましたが、ドル円はそのころのレベ ル113円台から7%程度、また今年の高値から12%程度下落しており、その他円クロスも大幅下落しており、そろそろ”過度な動き”と言ってもいいのでは ないでしょうか?
個人的には現在の活発な”リスク回避の円買い”は多分に投機的な動きであると考えます。なぜなら過去における大規模なリスク回避の円買いはその前提として
”巨額の円キャリートレードポジション”が存在し、ストップロス的な円の買戻しを誘発しましたが、殆どの主要国が超低金利状態である現状、過去のような活発な
”円キャリートレードポジション”自体存在しないこと。更には日本のファンダメンタルズ(景気・インフレ率など)は当時よりも劣化しているためです。
単に市場は「ドル円を”売れば下がるから”売りを継続して」いますが、所詮前提となる円キャリートレードなどの円売りポジションがない”空売り”なわけですから、いずれ「買った円は売り戻す必要」が出てくると思います。
G20などがそのきっかけになる可能性があるのではないでしょうか?
2)豪ドル見通し
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7491-0.7674 AUDYEN 80.68-85.77
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7400-0.7700 AUDYEN 80.50-83.50
今週の豪ドルは: 引き続き上値が限定的でしょう
先週の豪ドルはドル安によるサポートよりはむしろリスク回避の円買いに引っ張られる形で軟調推移しました。
対ドルではやや軟調、対円では大幅に下落でした。
発表された経済指標は2月小売売上高が軟調、住宅建設許可が堅調など引き続き”まだら模様”ですが、上記のリスク回避の動きに加えて、RBA理事会声明で久しぶりに「豪ドルの上昇が経済の調整を複雑化させる可能性」と指摘されたことも豪ドルの上値を重くしました。
ただ上記のようにリスク回避の円買いもかなり投機色の強いものと考えており、円買いポジションの蓄積がかなり進んでいることから、いずれドル円が反転すれば豪ドル円も底入れするものと考えます。
今週はG20、IMF・世銀総会などの国際イベントが注目され、また17日に予定される産油国/非産油国の増産凍結会議の行方も重要です。
3月に豪ドル買い戻しが進みましたが、ここまで買い過ぎ状態もかなり解消されたと思います。
リ スク回避の動きが一巡すれば、豪ドル押し目買いが強まる局面を予想します。今週木曜日には3月雇用統計が発表され、予想は失業率5.9%(前回 5.8%)、就業者数+18.5千人(前回は+300人)です。就業者数は毎月大きなバラつきがありますが、RBAの金融政策を占う上で失業リスクが再度 6%台に上昇するか否かが大きなポイントとなります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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