今週の主な予定、イベント
4/18(月)
地区連銀総裁講演(NYK、ボストン、ミネアポリスFED)
19( 火)
4月独ZEW景況感指数、米3月住宅着工件数/建設許可件数
20(水)
日本3月貿易収支、米3月中古住宅販売件数
21(木)
ECB理事会(ドラギ総裁会見)、米3月景気先行指数、米新規失業保険申請件数、米4月フィラデルフィア連銀景況指数
22(金)
4月日銀システムレポート、独/ユーロ圏製造業PMI(速報値)、ECB専門家経済予測、EU財務相・中央銀行総裁会議、ユーロ圏財務相・中央銀行総裁会合
1)マーケットの焦点
キーワード:熊本地震、円高/株安、日米金融政策、原油価格、パナマ文書、英国EU離脱問題
先週は週末のG20や産油国会議への期待感もあり商品相場堅調、主要国の株価上昇で久しぶりにリスク選好の動きが活発化しました。
またIMFが中国の今年の成長率見通しを1月時の6.3%から6.5%に上昇修正したことや、3月の中国貿易収支で輸出入の伸び率が予想を上回ったことも市場センチメントを好転させました。
しかしこの流れも木曜日夜の熊本大地震で一変し、週末の産油国会議への警戒感も高まりました。
G20の声明は想定内で特に相場へのインパクトは見られません。声明では:
・成長加速に向け金融・財政・構造的政策を利用する。
・通貨の競争的切り下げを回避。
・為替相場の過度の変動は経済・金融の安定に影響。
と従来のスタンスを踏襲した形です。
一方ドーハの産油国会議ではイラン不在のもと増産凍結の合意は得られず、週初原油価格は先週の高値42ドルから38ドル台に下落して始まっています。
また九州地方地震も被害の拡大が報道され、リスク回避の動きに結びついています。
為替相場は先週のリスク選好の動きでドル円は一時109円台後半に上昇し、ユーロ円124円近辺、ポンド円155円台後半まで上昇しましたが、今週初はリスク回避のぶり返しでドル円は”ギャップオープン”で107円台後半まで下落、ユーロ円は121円台後半、ポンド円は152円台後半と再びリスク回避/円高/株安(日経平均は-500pts)です。
一連の国際会議も終わり今週は大きなイベントがありませんが、市場の目は4月末の日米の金融会合や、産油国会議後の原油価格動向に向かいます。
熊本大地震の影響はここまで円高・株安反応ですが、2011年の東日本大震災時は、震災直後に83円台から76円台まで急落したドル円が1週間後に主要国の協調円売り介入で86円台に反発しました。今回も108円割れの下攻めに慎重なのは当時の学習効果かもしれません。
また今回の震災の影響を勘案して4/27-28の日銀会合では日銀が追加緩和するとの思惑があり、これは円売り材料視されます。一方4/26-27のFOMCでは依然として政策据え置き観測が優勢ですが、4月末の日米金融会合に向けての思惑が相場を動かすことになります。
産油国会議では増産凍結合意はなされませんでしたが、原油価格は38ドル台を維持して底堅いですが、早晩産油国は生産調整に入るとの思惑が働いているのかも知れません。
先週活発化したリスク選好の動きは週末に大きく冷やされましたが、今週は再び市場センチメントが好転するか、あるいはリスク回避ムードが継続するのかが大きなポイントとなります。
2)豪ドル見通し
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7528-0.7737 AUDYEN 81.08-84.77
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7450-0.7750 AUDYEN 81.00-85.00
今週の豪ドルは: アップダウンで不安定な動きでしょう
先週の豪ドルは予想よりも上昇しました。
産油国の増産回避への期待や中国発のポジティブな材料で鉄鉱石が60ドル近くに反発するなど、商品相場が全般的に堅調でした。
また発表された3月雇用統計は失業率が5.7%(予想5.9%、前回6.0%)、就業者数+26.1千人(予想+17.0千人、前回+0.3千人)とともに予想を上回りました。就業者数でfull-time-jobが-8.8千人でやや強さに欠けましたが、先月6.0%に悪化した失業率が5.7%に改善したのはやや意外感がありました。
ただ週末のリスク回避の動きもあり、今回も上値抵抗線77セント台で跳ね返され、特に対円では85円にも達しないなど、リスク回避の円買いが出ている状況では、やはり新高値へのテストは難しいようです。
また5月の予算案発表を控えて財政赤字の改善遅延から、予算案の内容いかんでは格付け会社の格下げ観測が高まることも不安材料です。
今週は豪州発の大きな材料もなく、引き続き主要国の金融政策や、原油動向、更にはリスク回避/巻き戻しの動きが豪ドル相場の鍵となりそうです。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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