今週の主な予定、イベント
5/2(月)
アジア開銀年次総会、米国ISM製造業景況指数、英国・上海・香港休場
3( 火)
日本休場(憲法記念日)、豪州連邦予算案発表、中国4月財新製造業PMI、RBA理事会、ユーロ圏3月PPI、地区連銀総裁講演(クリーブランド、アトランタ)
4(水)
日本休場(みどりの日)、米国4月ADP雇用者数、米国4月ISM非製造業景況指数、ミネアポリス連銀総裁講演
5(木)
日本休場(こどもの日)、中国4月財新サービス業PMI、ECB経済報告、ロンドン市長選、米国新規失業保険申請件数、地区連銀総裁パネル討論会(セントルイス、ダラス、アトランタ、SF)
6(金)
米国4月雇用統計
1)マーケットの焦点
キーワード:日銀緩和見送り、円高・株安、熊本地震、原油価格、パナマ文書、英国EU離脱問題
先週までで、ECB、FOMC、日銀会合という’三拠点の金融政策会合が終わりましたが、結果は三拠点ともに金融政策の据え置きでした。
ECBとFOMCは予想通りの結果ですが、追加緩和観測を市場が織り込んでいた日銀会合の据え置きは”サプライズ”であり、市場は円高・株安で激しく反応しました。
ドル円では2014年10月以来の106円台前半まで、ユーロ円は2013年4月以来の121円台まで急落しました。はたして黒田総裁が自分の金融政策に絶対の自信をもっており、「市場に先導されての追加緩和はまっぴらであり、市場の動揺は短期間で収まる」、「市場の安易な緩和観測の裏を画く」という確固たる信念をもっているのか??
しかし、日本の昨年Q4マイナス成長でQ1も景気低迷予想が一般的であり、インフレ目標達成時期も2017年度前半→通年に後ずれという状況での「無策」。
やはり1月のマイナス金利導入後の円高・株安がトラウマとなって身動きとれなかったというべきではないでしょうか?
ただファンダメンタルズで主要国中最低の日本の円が”短絡的”に買われて、更に景気後退に拍車をかける株安が進行している現状は、G20が声明でうたう「ファンダメンタルズに合致した為替相場」を逸脱することは確かです。
ファンダメンタルズに反した円高が日銀の緩和なしに自立反転で大きく戻ることになれば、従来からの根拠のない「リスク回避の円買い」にも転機が訪れると思いますが。
現在先進国で唯一金融引き締めサイクルに入っている米国は「トランプ下ろしの目的もあってか」急激にハト派に傾斜しています。しかし米国の労働市場はすでに”完全雇用”に近く、一部では賃金インフレの兆候も見られます。
かかる中で過去のFRBの利上げ状況に鑑みても異常とも言える金利先高感の払拭に腐心しているFRBの行動は市場を不安定にするものでしょう。いっそのこと「利上げ中断」を宣言すべきではないでしょうか。
金曜日に発表された米国の「半期為替報告」で為替操作国の認定はありませんでしたが、新たに日本、韓国、独、台湾を「監視リスト」に入れたそうです。ドル円は1月の高値からすでに13%以上円高に振れており、ドル自体も今年の高値から10%近く下落しているこの時期に円高・ドル安は「秩序立っている」と主張し、市場には”米国が日本の介入に釘を刺している”との見方があります。しかし国際機関でもないのに、「為替報告書」なるものを勝手に作って間違った現状認識を世界中に発信する米国こそ「通貨安競争」を先導している張本人ではないでしょうか。
今回の日銀の無策や米国の独断的な「介入けん制」を持ってドル円は再び105円を割って100円割れに向かうと見る向きが増えています。
しかし、投機筋は「円買い仕掛け」から入っており、かかる投機ポジションはいずれ閉じられることになります。
今週は日本がゴールデンウイークで、日銀の円高けん制が働かないためドル円は更に下値をテストする可能性があります。
ただ「売り安心感」が芽生えてきた時は”警戒すべき時”でもあります。
6日(金)の米国4月雇用統計が予想並み(失業率5%、nfpr +20万人)の数字が出れば、6月利上げ観測が再び高まり、予想を大きく下回るものであれば、更に利上げ観測が遠ざかるでしょう。
2)豪ドル見通し
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7548-0.7765 AUDYEN 80.81-86.32
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7500-0.7700 AUDYEN 79.50-83.50
今週の豪ドルは: 豪ドルクロスの軟調に引きづられて頭の重い展開でしょう
先週の豪ドルは、ドル安地合いにあって対ドルでは76セント中心で底堅く推移しましたが、対円(80円台半ば)、ユーロ(0.66台前半)、NZドル(1.08台半ば)などクロスでの軟調が目立ちました。
先週発表されたQ1CPIが7年ぶりの低い数字でRBAの利下げ観測が再浮上していることや、日銀据え置き以来世界的に株価が軟調でリスク回避の動きが高まっていることが悪材料視されます。
ただ原油は45ドル台、鉄鉱石は65ドル台と依然として堅調であることやドル安地合いから対ドルでは76セント中心の底堅い動きです。
今週は火曜日にRBA理事会そして夜に連邦予算案発表という「Big Tuesday」となり、財政赤字拡大、低インフレ対策としても”利下げ”を読む向きがあります。
ただ資源価格の堅調や雇用指標の改善傾向という景気サポート要因もあることから金利据え置きを予想します。
豪ドルは今回の戻り高値78セント台、86円台で一旦天井を確認した形ですが、年初のころと比較して、再び下落基調に戻るほどの先安感は感じられません。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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