今週の主な予定、イベント
5/9(月)
日銀議事録、地区連銀総裁講演(ミネアポリス、シカゴ)
10( 火)
中国4月CPI・PPI、米3月卸売り在庫
11(水)
日本3月景気動向指数演
12(木)
日銀会合における主な意見(4/27-28)、日本3月国際収支、BOE理事会・四半期インフレ報告書、米国新規失業保険申請件数
13(金)
黒田日銀総裁講演、独Q1GDP(速報)、米4月小売売上高・PPI、米5月ミシガン大学消費者信頼感、SF連銀総裁講演
1)マーケットの焦点
キーワード:米景気減速(弱い雇用統計)、日銀緩和見送り、日銀介入?円高・株安、原油価格、パナマ文書、英国EU離脱問題
先週は弱い中国PMI(政府系、民間とも)や事前予想を下回る4月米雇用統計を受けて株価や商品相場は総じて軟調でした(利下げのあった豪州ASXだけは上昇)。
注 目された4月米雇用統計は失業率が5.0%(予想4.9%、前回5.0%)、NFPR +160千人(予想 200千人、前回208千人)、平均自給+0.3%(予想+0.3%、前回+0.2%)と予想を下回るNFPRが注目されました。し かしNYダウはプラスで終わり、ドル円も一旦106円台半ばまで半落後107円台を回復して越週するなど、市場は今回のやや軟調なNFPRをもって6月利 上げが完全に遠のいたとは解釈していないようです。
年初より中国や米国の景気減速懸念はリスク要因とみなされて来ていますが、IMFが今年の中国成長率を1月時の6.3%から4月6.5%に上方修正するなど、中国のソフトランディングシナリオが大きく後退しているわけではありません。
一方米国利上げ観測は後退していますが、従来ハト派と目されたSF連銀総裁は金曜日の弱い雇用統計後に「年内2、3回の利上げが必要」と発言し、一方同じくハト派のNYK連銀総裁も「見方に変更はなく年2回の利上げが適切」と発言しています。
つまり非常に悲観的な中国や米国に対する見方は妥当性に欠けるということではないでしょうか。
そうは言っても米中経済に対する不安は今週も払拭できず、加えて英国のEU離脱問題や米国大統領予備選の行方などリスク要因には注意する必要があります。
ド ル円は日銀のサプライズの政策据え置き後一旦105円台、クロスも全面円高になりましたが、先般より指摘していますように、今回の円高は多分に”投機的” な動きであると考えます。政府・日銀も「過度の動きには対処する」と発言していますが、たとえ実弾(介入)が難しいにしても口先介入には要注意です。
特に伊勢志摩サミットをい前に財政出動にからめた日銀緩和策などの思惑が出る場合には、”円売り戻し”が活発する可能性にも留意したいところです。
2)豪ドル見通し
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7337-0.7719 AUDYEN 78.18-81.97
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7250-0.7550 AUDYEN 77.50-80.50
今週の豪ドルは: 下値トライ、そして押し目買いにサポートされるでしょう
先週の豪ドルは、私的には”予想外”と思える利下げを受けて豪ドルは77セント台から73セント台にクラッシュしました。
豪ドル円は日銀のサプライズ据え置き後のドル円急落プラスRBAの利下げで、86円台から78円台前半と、年初来安値近辺まで大幅下落しました。
厳しい内容が予想される予算案発表当日であり、しかも7月2日の総選挙を控えて絶好の利下げチャンスであったことは認めますが、当地アナリストの間でも疑問視する意見も多く見られました。
最近の雇用改善や商品相場の反発、そして第一四半期マイナスCPIはガソリンの大幅下落を主因とする一過性との見方などが背景です。
RBAの利下げについては超ハト派であったスティーブンス総裁が9月に退任して、同総裁よりタカ派と目されるフィリップ・ロー副総裁が就任しますので、RBAボードの雰囲気も変わってくると思います。
過去においてもRBAの政策は1年以内に転換(緩和から引き締めへ)する例もあります。
とは言っても追加緩和観測がある以上豪ドルの上値も足元限定的でしょう。
暫くは資源価格や中国発のニュース、更には米国金融政策を見ながらの揉み合い相場が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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