今週の主な予定、イベント
5/23(月)
日本4月貿易収支、独・ユーロ圏5月製造業PMI、ユーロ圏5月消費者信頼感、地区連銀総裁講演(セントルイス、SF、フィラデルフィア)
24( 火)
独5月NEW景況感指数、米4月新築住宅販売、ユーロ圏財務相会合、米大統領選ワシントン州予備選
25(水)
独5月ifo景況感指数、EU財務相理事会、地区連銀総裁講演(ダラス、ミネアポリス、フィラデルフィア)
26(木)
伊勢志摩サミット(~27日)、米4月耐久財受注、米4月中古住宅販売成約指数、米国新規失業保険申請件数、パウエルFRB理事講演
27(金)
日本4月CPI、米Q1GDP(改定値)、イエレンFRB議長講演、オバマ大統領広島訪問
1)マーケットの焦点
キーワード:仙台G7、伊勢志摩サミット、イエレン議長講演、原油価格、米FOMC (6/14-15)、英国EU離脱問題(6/23)、ギリシャ問題再燃
先週は発表されたFOMC議事録で6月利上げ観測が再浮上したことから主要国の株価は総じて軟調推移しました。
一方商品相場は原油が一時49ドル台に上昇するなど比較的堅調を維持しました。
為替相場では予想よりタカ派的な上記FOMC議事録を受けてドルが全般的に上昇し、一時92台まで下落していたドルインデックスは95台を回復しています。
ドル円は約3週間ぶりに110円台を回復し、ユーロは一時3月末以来の1.12割れまで下落。一方6月のEU離脱に関する国民投票を控えたポンドは、最近残留派がやや優勢との世論調査を受けて先週の1.43台から一時1.46台まで反発しました。
週末の仙台G7では世界経済の成長に各国が金融・財政・構造政策を活用していくことで合意を見たものの、財政出動は各国固有の事情があり(独は財政出動の必要性を否定)合意には至りませんでした。
また為替相場について麻生財務相は「(最近の円相場は)秩序だった動きとは明らかに言えない」と指摘し、ルー財務長官は「無秩序だとは言えない」という見方を示し、「無秩序と判断するにはハードルが高い」と述べるなど、双方が平行線を辿ったと見ることもできます。
今週の伊勢志摩サミットでも世界経済や為替が議題になることが予想されますが、G7以上の結論が出る可能性は少なく、国際イベント終了で市場の焦点は再び米国の6月利上げの有無に向かいます。
その意味で27日(金)に予定されるイエレンFRB議長の講演で同議長が最近高まりつつある6月利上げ観測を肯定するか、否定的にとらえるかが最大の関心事です。
また6/23の国民投票を控えて最近残留派が優勢になりつつある英国のEU離脱問題の行方も依然不透明であり注視する必要があります。
米利上げ観測再浮上と共に一旦収まりつつあるドル円への売り圧力ですが、かといって今朝発表された4月の日本の貿易黒字が+8,235億と拡大するなど、需給面や今後米利上げ観測が強まれば世界的に株価が軟化しリスク回避色が強まる可能性があるなど、ドル円が再び115円→120円を目指す状況とも言えません。
今週は110円を挟んだ上下動が予想されます。
2)豪ドル見通し
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7176-0.7366 AUDYEN 78.80-80.56
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7150-0.7350 AUDYEN 78.00-81.00
今週の豪ドルは: 依然やや頭の重い展開でしょう
先週の豪ドルは火曜日に発表されたRBA議事録で「利上げと据え置きの双方が検討された」ことが明らかになると、追加利下げを織り込み金利先安感が高まっていた市場の豪ドル買戻しが活発化し、一時73セント台半ば、80円台半ばまで豪ドルは反発。しかし調整一巡後は再び中国懸念(上海株下落)ややや軟調な4月雇用統計を受け、特にドル高を嫌って対ドルでの軟調が目立ちました。
RBAの再利下げを市場は8、9月までに8割程度織り込んでおり、根強い金利先安感が豪ドル軟調の材料視されます。
また米国の6月利上げ観測は米ドルの受け皿としての豪ドル安と、主要国の株価軟調からのリスク回避的な豪ドル売りの両面を有する点に留意すべきです。
ただ商品相場は依然として堅調であり、中国サイドからネガティブな材料が湧き出さない限り(習主席と李首相の経済政策をめぐる意見の食い違い報道があります)、豪ドルが大きく崩れる状況でもないようです。
豪ドルがリバウンドするにはスティーブンス総裁よりタカ派と目されるフィリップ・ロー副総裁が9月に総裁に就任して金利先安感が後退する必要があるかもしれません。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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