今週の主な予定、イベント
7/11(月)
ユーロ圏財務相会合、カンザスシティー連銀総裁講演
12( 火)
EU財務相理事会、地区連銀総裁講演(タルーロ理事、セントルイス連銀、ミネアポリス連銀)
13(水)
中国6月貿易収支、FEDベージュブック、地区連銀総裁講演(ダラス連銀、クリーブランド連銀)
14(木)
都知事選公示、豪州6月雇用統計、BOE理事会、米6月PPI、米国新規失業保険申請件数、地区連銀総裁講演(ダラス連銀、アトランタ連銀、カンザスシティー連銀)
15(金)
日銀議事録、中国Q2GDP/6月鉱工業生産/6月小売売上高、米7月NYK連銀製造業景況指数、7月ミシガン大学消費者信頼感、地区連銀総裁講演(セントルイス連銀、ミネアポリス連銀)
1)マーケットの焦点
キーワード:政府与党参院選勝利とアベノミクス、英国EU離脱(その後)、米国金融政策の行方、ISテロ、BREXIT主要国の金融政策への影響、原油価格
英国のEU離脱決定直後のパニック相場は収まりましたが、その後もBREXIT関連では複数の英不動産ファンドが解約停止措置をとったことで市場のリスク回避色が強まり、また一部イタリア銀行の不良債権問題も表面化しました。
またオズボーン英財務相は英米主要金融機関からロンドンが国際金融センターとして維持できるよう協力することで合意を得たと報道されましたが、一方欧州の銀行を中心に移転先としてフランクフルトやパリなどを模索するなどこの問題の解決は簡単ではないでしょう。
一方欧州委員会が財政赤字でスペインとポルトガルへの罰金適用を勧告するなど、依然として欧州関連の不安材料に事欠きません。
また金曜日に発表された米国6月雇用統計は失業率が4.9%(予想4.8%、前回4.7%)となる一方非農業部門就業者数(NFPR)は+287千人と昨年10月以来の高い伸びを示しました。(一方5月分は驚きの+38千人から+11千人に更に下方修正)。
いずれにしても、案の定極端に悪かった5月分の調整が入ったことに間違いがないですが、今回の非常に強い+287千人自体にも来月修正が入るのか?という素朴な疑問がわいてきます。
5月の弱い雇用統計とBREXITで頓挫した形の米国利上げ観測ですが、今回の強い6月のデータを見ても市場の懐疑的な見方は根強く、米債利回りも低下傾向で利上げのハードルは依然として高いと言えます。
為替相場では先週の円独歩高から米雇用統計発表後は一時”ドル全面高”になりましたがリアクションも一時的で”行って来い”でドルが反落し、結局変わらないのは”円高”です。
週末の日本の参院選では政府与党圧勝で改憲勢力が参院の三分の二を上回る勢いです。安倍首相は「アベノミクス支持への国民の判断」とご満悦で本日日経平均は500円を越えて反発しています。
ただ2012年のアベノミクススタート時の”円安株高相場”に戻るかといえば大いに疑問であり、選挙効果も一時的と見ています。
欧州通貨(ポンド、ユーロ)はBREXITプラス緩和観測で買える状況になく、米国の利上げ観測が依然遠のいたままであれば、やはり「買える通貨は円だけ」という状況に逆戻りでしょう。
今年年初の”日銀マイナス金利導入”以降円高に転換したトレンドを止めるには、政府・日銀が日本経済(特に輸出と国民の年金基金の価値保全)回復のために介入を含めた円安誘導を米国に臆することなく前面に出すか、さもなくば円高が行くところまで行き、日本経済・財政がいよいよ行き詰まって「日本売りの円売り」が世界的に蔓延する以外にないと思っています。
2)豪ドル見通し
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7407-0.7573 AUDYEN 74.54-77.40
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7400-0.7700 AUDYEN 74.50-77.50
今週の豪ドルは: 依然現レベル中心のUP & DOWNでしょう
先週の豪ドルはBREXITやテロ懸念などのリスク回避の動きや関連する商品相場の下落(CRBは186台、原油は45ドル台に下落)、更に発表された5月の諸経済指標(住宅建設許可、貿易収支、小売売上高など)の不冴えやハングパーラメント懸念などから上値の重い展開となりました。
連邦選挙の結果は日曜日の夜現在で、<保守連合74、労働党66、その他政党5、未決定の無所属5>でありターンブル首相は多数派工作に奔走しており、保守連合は最終的に下院の過半数である76議席、あるいは77議席を獲得するのではないかとみられます。
今週初豪ドルは75セント台後半、76円台前半と堅調を維持していますが、かろうじてハングパーラメント(宙吊り国会)を回避できるのではとの思惑も豪ドルの下値をサポートしています。
ただ在庫増を嫌気して原油価格が再び44ドル台に反落していますし、今週は中国のQ2GDP初め主要指数が発表されますので警戒感も高まっています。
BREXITがやや収まっても次は中国懸念も控えているといった状況です。
またモリソン財務相も発言していますが、たとえ過半数を維持しても半年以内に財政改善の道筋を示せない場合には”格下げ”の危険性が高まることも確かです。
豪ドルは引き続き好悪両材料に挟まれて現レベル中心のアップダウンが継続することが予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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