今週の主な予定、イベント
7/18(月)
ウィールBOE政策委員、EU離脱の影響に着いて講演
19( 火)
RBA議事録、独7月ZEW景況感指数、英国6月PPI・CPI、米6月住宅着工件数、IMF世界見通し改訂版発表
20(水)
6月英失業率
21(木)
ECB理事会(ドラギ会見)、米国6月中古住宅販売、米国新規失業保険申請件数
22(金)
独・ユーロ圏7月製造業PMI、ECB専門家予測調査
1)マーケットの焦点
キーワード:地政学的リスク(フランステロ、トルコクーデター未遂、米国発砲事件、北朝鮮ミサイル実験)、英国EU離脱(その後)、米国金融政策の行方、BREXIT主要国の金融政策への影響、原油価格
6月末のBREXITから3週間あまりが経ちますが、その間にもフランスニースの無差別テロやトルコの軍事クーデター未遂事件、米国の銃発砲事件、北朝鮮のミサイル発射実験と世界中色々な場所でリスク回避を誘う事件が多発しています。
係るリスク回避相場の中でドル円は105円台後半と意外に健闘しているのは、やはりアベノミクス第二弾への期待感があるのと、米国の6月雇用統計を受けてまたもや米利上げ観測が再浮上してきたことが原因でしょう。
ドル円に比べてポンドとユーロはBREXITでドスンと落ちた後上げ渋っていますが、やはりBREXITの長期的ネガティブインパクトを考えると買い戻しに消極的なのでしょう。
経済自体のパイの大きさは変わらないとはいうものの、英国国内ではスコットランドや北アイルランドの独立問題がくすぶっていますし、ユーロ圏においても各国の民族主義的、大衆迎合主義的なユーロ離脱派の行動が活発化する可能性が指摘されます。
今回のニーステロでフランスでは過去1年半あまりでISがらみと思われる大きなテロを3度も経験しており、ただでも愛国心と排他主義運動が活発化する素地ができています。
米国ではいよいよ7月の党大会でトランプ氏が指名を獲得するか?共和党内にも反トランプ派が根強いわけですから、党大会後11月の大統領選挙まで一波乱も二波乱もあるでしょう。
BREXITの極端なリスク回避が収まり、一旦はドル安・円安のリスク選好相場が戻りましたが、世界的な地政学的懸念もあり再びリスク回避色が強まるなど、ジェットコースターのような相場展開が続きます。リスク回避/選好両材料が交錯しているだけに、今後ともどちらの材料がクローズアップされるかを敏感に感じ取っていく必要がありそうです。
2)豪ドル見通し
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7522-0.7676 AUDYEN 75.93-81.51
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7400-0.7700 AUDYEN 78.00-81.00
.今週の豪ドルは: 現レベル中心の揉み合い相場でしょう
豪ドルは中国のQ2GDPが比較的堅調(前期と同じ前年比+6.7%)であったこともサポート材料となり人民元切り下げ懸念がやや和らいで堅調推移しました。
先週はRBAが非伝統的金融緩和=つまり量的緩和に言及したことから、新たな追加緩和ツール導入か?と色めき立ちましたが量的緩和は一般論で述べたに留まったようです。
ただ本日発表された6月のRBA理事会議事録では「インフレ指標は依然として平均を下回っている」と述べており利上げの思惑が再浮上しています。
来週27日(水)に発表されるQ2CPIが注目されます。因みにQ1はヘッドラインインフレーションが前年比+1.3%(予想+1.7%、前回+1.7%)、前期比-0.2%(予想+0.2%、前回+0.4%)、RBAアンダーライイングインフレーション前期比+0.2%(予想+0.5%、前回+0.6%)、前年比+1.7%(予想+2.0%、前回+2.1%)といずれも予想を下回る内容で5月の利下げにつながりました。
BREXIT以来リスク材料への耐性ができつつあるのは間違いありませんが、来週のQ2CPI発表を控えて買いも限定的な展開が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。