今週の主な予定、イベント
8/1(月)
中国7月製造業/非製造業PMI、中国7月財新メディア製造業PMI
2( 火)
政府経済対策発表、RBA理事会、米6月個支出
3(水)
政府内閣改造、日銀議事録、中国7月財新サービス業PMI、ユーロ圏6月小売売上高、米7月ADP雇用者数、米7月ISM非製造業景気指数
4(木)
岩田に地銀副総裁講演、ECB経済報告、BOE理事会、米6月耐久財受注、米新規失業保険申請件数
5(金)
米国7月雇用統計、第31回リオデジャネイロオリンピック開催(~21日)
1)マーケットの焦点
キーワード:BOE理事会、米国7月雇用統計、北朝鮮ミサイル実験、原油価格
先週はFOMCに日銀会合がありまり、前週からの英国、ECBと合わせて四極会合が出そろいましたが、結局は日銀の追加緩和(上場投資信託(EFT)の買い入れ額を現在の3.3兆円から6兆円に増額)、それもマイナス金利幅拡大や国債買い入れ枠拡大との抱き合わせではありませんでした。
結局BREXITの悲観的見方が薄れると同時に、各国ともに有事体制を解除したかたちです。
ただ日本だけは四極中の劣等生であるだけに、何らかの手を打たざるを得なかったのでしょう。
しかし、日銀追加緩和後は想像通りといいますか、円高が進行ました。
金曜日の米国市場では発表された米国のQ2GDPが予想+2.5%(前回は+1.1%から+0.8%に下方修正)に対して+1.2%と非常に弱くドル円は一時102円割れまで下落しましたが、米GDP前にドル円はすでに朝方の105円台半ばから103円台前半に下落してましたし、“日銀会合後は必ず円高”を再び証明してくれました。
先週ドル円が反発した局面は何度かあり、政府が50年債を発行するとの憶測や政府が日銀に追加緩和を要請したという観測記事などを受けたドル円反発でした。
しかし現在ドル円は100円台と結局は円高傾向を続けています。
今週政府は28兆円規模の政府の経済対策発表し、昨日は内閣改造が行われました。
参院選で圧勝して安倍首相は自信に満ちているようです、基本的な少子高齢化、デフレスパイラルに陥っている日本にあって、もはや財政出動も金融緩和も効果がないのではないかと危惧します。なぜに黒田総裁は円安によるインフレ効果、景気浮揚効果を軽視というかむしろ円高是正を忌み嫌っているのでしょうか?昔大量の円売り介入をやったことへの自責の念でしょうか?全く分かりません。
先週の米国Q2GDPは前期比で改善するとの市場予想(1.1%→2.5%)に反して+1.2%でしかもQ1が+0.8%に下方修正されるという最悪の結果となりました。
今週は7月の雇用統計が発表されNFPR予想は+180千人と再び巡行軌道に戻ると予想されおり、予想の範囲内であれば9月利上げの可能性を指摘する向きもありますが、1%台のGDPではたして利上げが可能なのか?カプラン・ダラス連銀総裁が先日発言していますように、「GDPが改善するまで利上げはできない」が本音ではないでしょうか?したがってドルが大きく上昇する地合いではないといえます。
一方今週木曜日のBOE理事会では緩和観測が強く、BREXITの悲観的シナリオは後退したもののポンドも大きくリバウンドする地合いにありません。
やや売られ過ぎであったユーロはドル安地合いとなれば反発の可能性が出てきますが、こちらもBREXITの後遺症や独など各国での政局不安もあり上値も限定的でしょう。
つまり日銀会合後の円高地合いに加えて、再び“買える通貨は円だけ”と市場が判断すれば、再びドル円が二桁台を目指す可能性が高まったと言えるでしょう。
2)豪ドル見通し
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7420-0.7610 AUDYEN 77.45-79.57
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7400-0.7700 AUDYEN 75.00-78.00
.今週の豪ドルは: やや上値の重い展開(特に対円)でしょう
豪ドルは軟調予想をよそに、予想外に弱い米Q2GDPでドルが急落したことや、月曜日に発表された7月財新メディア製造業PMIが久しぶりに50.6と予想を上回ったことがサポート材料となり一時76セント台を回復するまで反発しましたが、ドル円下落を受けて対円では76円台で軟調です。
今週RBAは今年2回目の利下げを行いオフィシャルキャッシュレートは史上最低の1.5%となりました。やはり先月末発表されたQ2CPIが弱い結果となったのが決定打となったのはQ1の弱いCPI後に行われた5月の利下げと酷似します。また米国の利上げ観測が後退し、米ドルが全般的に軟化しており、豪ドル押し上げ要因となっていることも、RBAの行動を促したことに間違いないでしょう。
9月に退任する超ハト派スティーブンス総裁の置き土産とも受け取れますが、有識者の中には更なる緩和の経済効果を疑問視する見方が多いのも確かです。一方市場は年末までに更に1回の追加利下げを織り込みつつあり、まだ“利下げ打ち止め感”が出ていません。
今週金曜日に発表されるRBAの四半期金融政策報告書の内容で特に低インフレに対する見解を注視したいところです。
係る金利先安感と商品相場の軟調(原油は一時39ドル台まで下落)など豪ドルを取り巻く環境はあまり芳しくなく、ドル安頼みの豪ドル上昇にも限界があるといわざるを得ません。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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