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シドニー発豪ドル見通し(8 August 2016)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

今週の主な予定、イベント

8/8(月)

日本6月国際収支、中国7月貿易収支

9( 火)

中国7月CPI・PPI

10(水)

NZ準備銀行理事会、スティーブンス総裁講演

11(木)

日本「山の日」祝日休場、米新規失業保険申請件数

12(金)

中国7月小売売上高・鉱工業生産、独Q2GDP、ユーロ圏Q2GDP、米7月小売売上高

 

1)マーケットの焦

キーワード:米国利上げ観測(強い7月雇用統計を受けて)、日銀緩和観測、日銀限界論、中国諸指標(7月CPI・PPI、貿易収支、小売売上高、鉱工業生産)、北朝鮮ミサイル実験、原油価格

先週は2日の閣議で事業規模28.1兆円の大型経済対策や内閣改造への期待感で週初は円安株高でしたが、「日銀の金融政策は9月以降縮小に向かう」、「日銀審議委員の中にもマイナス金利取り消し論が出つつある」など日銀の金融政策限界論が囁かれ、ドル円は100円台に急落し株価も値を下げました。

木曜日の英国中銀理事会では利下げ(0.50%→0.25%)に加えて資産購入枠も拡大され、加えてカーニー総裁が「必要なら一段の利下げも」と発言したこともありポンドは1.31台、132円台まで急落しました。

まさに「買える通貨は円だけ」という状況でしたがこの動きは金曜日に一変します。

発表された7月の米国雇用統計は久しぶりに”非の打ち所がない”強い数字となりました。

NFPRは+255千人(予想+180千人、前回は+287千人から+292千人に上方修正)、民間部門雇用者数は+217千人(予想+170千人、前回+259千人)、平均時給+0.3%(予想+0.2%、前回+0.1%)、失業率だけは予想の4.8%に対して4.9%でしたが労働参加率が62.7%から62.8%に上昇した影響があります。

さすがにこの強い数字を受けてドルが急上昇し、NYKダウは+191pts、そして国債利回り(10年債)も1.570%に上昇です。

発表後は、ほぼ消滅していた9月利上げ観測まで復活してきました。

ただ何度か指摘していますが米国経済はもともと堅調であり、金融引き締めというよりはむしろリーマンショック後の緊急避難措置の”解除”に当たるわけで、ほぼ完全雇用の状況で緊急措置を解除しないこと自体不自然であったわけです。

しかしFOMCはBREXITや相次ぐテロなどの国際情勢不安定と、国内では低インフレ率を理由に利上げを遅らせていたわけで、利上げ自体いつ行われてもおかしくはありませんし、たとえ利上げが9月にあっても、それがゆえにドルがどんどん上昇する地合いではないと考えます。

むしろ米大統領選をめぐる不透明感(民族主義的排他主義のトランプ氏の言動)や日本の大型経済対策の期待感が失望に変わったとき、あるいは日銀の金融政策限界論が払しょくできない場合には再び”リスク回避の円買い”が活発化する可能性があります。

ポンドは引き続き金利先安観が強いですし、ユーロは独はじめユーロ圏各国の政局不安定が悪材料視され、結局円買い安心感が評価される展開が予想され、雇用統計を受けたドル円の反発も一過性に終わる可能性があります。

 

2)豪ドル見通

先週の相場レンジ  AUDUSD 0.7489-0.7664  AUDYEN 76.50-78.19

今週の予想レンジ AUDUSD 0.7450-0..7750  AUDYEN 75.50-78.50

.今週の豪ドルは: 底堅い展開でしょう

先週はRBAの利下げ(1.75%→1.50%)がありましたが、市場は織り込み済で、発表直後に74セント台に反落しましたが、むしろ同日中に76セント台まで反発し、この堅調さは米雇用統計を受けたドルの反発地合いでも維持されています。

対円ではドル円の軟調から76円台に下落しましたが、こちらは米雇用統計を受けて77円台に反発しています。

RBAの利下げは低インフレや米ドル軟調による豪ドルの反発を懸念したものと言えます。ただ低インフレの判断基準となるRBAのインフレターゲット(2-3%)自体、インフレ率が5%を上回る1990年代に下値ターゲットとして設定されたものであり、世界的なディスインフレーションが蔓延している現代においてターゲットに固執する姿勢への批判が多いのも確かです。

超ハト派のスティーブンス総裁が9月に退任し、同総裁よりタカ派と目されるフィリップ・ロー新総裁誕生後の金融政策が今から注目されます(RBAターゲットの変更などの可能性)

しかしながら市場は年内もう1回程度の利下げを織り込みつつあり、この金利先安観が豪ドルの上値を重くするでしょう。

ただ一時在庫増を嫌気して39ドル台まで下落していた原油も42ドル近辺に反発しており、今週の中国諸指標(特に金曜日の7月小売売上高と鉱工業生産)を無難に通過する場合には、豪ドルは足元堅調推移することが予想されます。

 

Have a nice week in advance !!!

 

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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