今週の主な予定、イベント
9/5(月)
豪州8月ANZ求人広告、中国8月財新メディア非製造業PMI、黒田総裁講演、ユーロ圏7月小売売上高、米国レーバーデー休場
6( 火)
RBA理事会(政策据え置き予想)、Q2ユーロ圏GDP(改定値)、米8月ISM非製造業景況指数、SF連銀総裁講演
7(水)
豪州8月AIG建設業指数、豪州Q2GDP、カーニーBOE総裁講演、米地区連銀経済報告(ベージュブック)
8(木)
中曾日銀副総裁講演、豪州7月貿易収支、フィリップロー次期RBA総裁講演、日本Q2GDP、中国8月貿易収支、ECB理事会、米新規失業保険申請件数
9(金)
中国8月CPI/PPI、豪州7月住宅融資約定件数、ユーロ圏財務相会合、ボストン連銀総裁講演
<マーケットの焦点>
キーワード:米9月利上げの有無/日銀緩和観測、日銀限界論、日銀のETF買い入れ動向、原油価格
先週は前週の米ジャクソンホールシンポジウムにおけるイエレン・フィッシャー議長・副議長の発言で9月利上げ観測が高まり、米債利回り上昇でドル買い戻しが活発化しました。ただ週末金曜日の8月米雇用統計待ちのムードが強く、株価は一進一退でした。
商品相場は原油の軟調(一時43ドル台)もありCRBインデックスは一時180割れと軟調でした。
特にドル円は9月の日銀追加緩和観測とFRB利上げという真逆の金融政策の思惑から一時104円台に上昇し、ユーロ円が116円台、ポンド円が138円台、豪ドル円が78円台と円全面安でした。
発表された注目の米8月雇用統計は失業率が4.9%(予想4.8%、前回4.9%)、NFPRが+151千人(予想+180千人、前回+275千人)と予想をやや下回り先月のNFPRは上昇修正、先々月が下方修正と微妙な内容でした。
発表直後はドル円は一旦102円台に値を落としましたが結局は104円台に乗せて終わっています。
雇用統計の結果を受けて米国の9月利上げの有無は見方が分かれます。
8月の数字自体はやや予想を下回り9月利上げの説得性に欠けるという見方がある一方、FRBの利上げに向けた積極的な姿勢や、過去3か月のNFPRの平均は200万人を大きく上回っており利上げの支障にならないという見方です。
個人的には年1-2回の米利上げ(金利の正常化)はいつあってもおかしくなく、むしろ昨年12月以来”金利の正常化が滞っており”緊急事態がまだ解除できない?”こと自体異常であり、利上げは9月含めいつあっておかしくないと考えます。
ただ繰り返しになりますがこの利上げは緊急事態の解除であり積極的な引き締めサイクルとは分けて考えるべきで、利上げサイクル入り→米ドル高とはならないと考えます。むしろ利上げの株価や新興国市場への影響や米経済への足かせなど、ネガティブな面がいずれ注目されるでしょう。
また本日の黒田日銀総裁講演(日本時間pm 1:30)など9月末の日銀会合まで同総裁の言行には要注意でしょう。
これまた個人的にはマイナス金利の深堀を含めた日銀の緩和策が景気や消費者物価に及ぼす効果には懐疑的です。市場に失望感が出ればやはり円高に反応するでしょう。
<豪ドル相場>
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7500-0.7616 AUDYEN 76.70-78.79
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7500-0.7700 AUDYEN 77.00-79.50
.今週の豪ドルは: 上値の重い展開でしょう
先週の豪ドルは米ドルが堅調推移するなか、対米ドルは75セント台で底堅く、対円ではドル円の急伸を背景に78円台後半まで上昇しました。
ただ9/28のアルジェリアでのOPEC非公式会議では増産凍結が協議されるとのことですが依然として懐疑的な見方も強く、原油価格は43-44ドルで冴えない展開。また鉄鉱石も60ドルで頭打ちになるなど、商品相場の軟調が豪ドル上伸を阻んでいます。また先週もIMFが”2016年の世界経済は一段と鈍化”と述べるなど中国はじめ世界経済への懸念も商品相場の上値を重くしています。
76セント台、また80円接近場面では利食いの売りが活発化するでしょう。
今週水曜日には豪州Q2GDPが発表されますが、予想は前期比+0.4%、前年比+3.2%とトレンド成長率2.8%を上回る予想です。
また豪州の国債利回りは先進国中NZに続く高水準であり、トリプルA格とともに、引き続き下値では投資家の豪ドル買い需要が豪ドルをサポートするでしょう。
つまり売り材料と買い材料に挟まれて暫くはレンジ取引が続きそうです。
9月をもってスティーブンスRBA総裁の10年にわたる任期が終了します。木曜日に予定される後任のフィリップロー副総裁の講演が注目されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。