今週の主な予定、イベント
9/19(月)
日本敬老の日休場、中国8月不動産価格、国連総会(~22日)
20( 火)
RBA議事録、米8月住宅着工件数、カナダ中銀総裁講演
21(水)
日本8月貿易収支、日銀政策会合(黒田総裁記者会見)、FOMC(イエレン議長会見)
22(木)
日本秋分の日休場、米8月景気先行指標、ドラギECB総裁講演、新規失業保険申請件数
23(金)
独・ユーロ圏9月製造業PMI、地区連銀総裁講演(フィラデルフィア、クリーブランド、アトランタ)
<マーケットの焦点>
キーワード:日銀金融政策会合/FOMC、日銀限界論、北朝鮮核実験、原油価格
先週は今週のFOMCや日銀政策会合を巡る思惑で市場は神経質に動きましたが、株価はやや軟調推移し商品相場も冴えない展開でした。
原油は今月末のアルジェリアでのOPEC非公式会合に対する懐疑的な見方や、国際エネルギー機関(IEA)の需給見通し下方修正を受け43ドル台に軟調推移しています。
月曜日のブレイナードFRB理事のハト派発言で9月利上げ観測は後退し、その後はブラックアウト期間入り(FOMC当日までFRB当局も金融政策についてコメントを控える期間)となりましたが、一方日銀会合についてはマイナス金利の深堀観測など種々の思惑が交錯しました。
米利上げ観測の後退にもかかわらずドル相場は堅調推移しました。日銀緩和の思惑で円がやや下落したことに加えて、ユーロやポンドが軟調推移しています。ドラギ総裁は「EU単一市場は完全に守られるべき」と発言する一方、英国のハモンド財務相は「EU離脱によりEU単一市場へのアクセスを断念する用意がある」と述べています。
独はじめEU側は英国に対してEU単一市場へのアクセスを継続したければ移民を受け入れることが条件としていますが、移民規制が国民投票の最大のテーマであっただけに、英国が移民を受け入れることは困難でしょう。
またツスクEU大統領は英国が来年1月か2月にリスボン条約50条を発動し、具体的なEU離脱交渉に入るとの見方を示しています。
今週は21日の日銀政策会合と翌22日早朝のFOMCが焦点ですが市場の見方は分かれます。時系列的に日銀会合ではマイナス金利の深堀が行われるとの観測が強い一方、今回はマイナス金利導入以降の金融政策の検証に止め追加緩和は次回以降との見方もあります。
いずれにしてもマイナス金利の金融機関や投資家へ与えるネガティブな影響もあり、むしろ日銀の有効な金融政策に懐疑的な見方が出て、再び円買いが進む可能性があります。
一方FOMCでは最近の弱い指標や月曜日のブレナード理事発言から9月利上げ観測は後退しており(20%以下)、もし利上げがなされればサプライズでしょう。
利上げがなければ米景気への懸念が高まり、利上げがあれば株価や米景気への悪影響が浮上しそうで、どちらにしても中期的なドルサポートとはならないのではないでしょうか。
今週の日米金融会合が終われば、市場は秋口から年末の相場に入っていきます。
イタリアの憲法国民投票(10月)や米大統領選(11月)、更に中国の海洋進出問題や北朝鮮の核実験問題など地政学的な不安もあり、市場のボラティリティーが高まる可能性があるでしょう。
<豪ドル相場>
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7442-0.7568 AUDYEN 75.96-77.46
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7400-0.7600 AUDYEN 76.00-78.00
.今週の豪ドルは: 現レベル中心の揉み合いでしょう
先週の豪ドルはやや軟調推移でした。
米ドルが堅調であったことに加えて原油はじめ商品相場が軟調であったことや、国内指標特に8月雇用統計が予想を下回ったことも上値を圧迫しました。
ただ8月雇用統計は就業者数が-3.9千人と6か月ぶりに減少しましたが、内容的にはfull-time-jobが先月の-46.1千人から+11.5千人にジャンプアップしたり、失業率が5.6%と年初来の最低レベルに改善するなど悪い面だけではなく、大きく豪ドルを押し下げることはありませんでした。
18日にはRBAのフィリップ・ロー新総裁が誕生しています。
同総裁は前任のスティーブンス総裁に比べて住宅バブル懸念を重要視したり、また金融政策万能という見方には否定的であるなど、RBAの政策運営に新たな風を吹き込む可能性があります。
豪ドルは今週の日米金融会合を受けた米ドルの動きに左右されることになります。米ドル高は受け皿としての豪ドル安を意味しますのでRBAにはありがたいでしょうが、一方米ドルが反落することになれば豪ドル高に導くことになりますので、RBAの追加緩和観測が高まる可能性が指摘されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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