今週の主な予定、イベント
10/3(月)
豪州休場(レイバーデー)、日銀短観(Q3)、上海市場国慶節で休場(~7日)、米国9月ISM製造業景況指数
4( 火)
RBA理事会、豪8月住宅建設許可、IMF世界経済見通し、地区連銀総裁講演(シカゴ、リッチモンド)
5(水)
豪8月小売売上高、米9月ADP雇用者数、米9月ISM非製造業景況指数、地区連銀総裁講演(シカゴ、リッチモンド、ミネアポリス)
6(木)
豪8月貿易収支、ECB議事録、米新規失業保険申請件数、ワシントンG20
7(金)
英8月鉱工業生産、米9月雇用統計、FRB関係者講演(フィッシャー副議長、ブレイナード理事、クリーブランド連銀総裁)、IMF・世銀年次総会
<マーケットの焦点>
キーワード:日米金融政策、米9月雇用統計、ドイツ銀行-ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド賠償問題、米大統領選、日銀限界論、北朝鮮核実験、原油価格
先週は米大統領選デレビ討論会や、OEPC非公式会合などのイベントがありましたが、その他ではやはり日米欧三極の金融政策が引き続き焦点でした。
クリントン・トランプ両候補の初のTV討論会は、やはり現職議員であるヒラリーさんが準備周到でそつない応答でトランプさんを圧倒した感があり、評価的にもヒラリー氏一歩リードでした。
両氏ともプライベートな面、つまりヒラリーさんのプライベートメール事件やトランプさんの納税問題をお互いに指摘し合いましたが、第2回、第3回の討論会(10/9、10/19)でも焦点となるでしょう。
個人的には討論会でのトランプ氏劣勢は予想通りであり、むしろ彼としては日ごろの破天荒な言動をかなり抑えた方だと思いますが。
また28日のOPEC非公式会合(アルジェリア)では当初の加盟国発言と全く異なり(アラブ系は二枚舌?)日量3,250万バレルへの減産がすんなり合意され原油価格は48ドル台に急反発しています。
今週は木曜日からワシントンG20、金曜日のIMF・世銀年次総会がありますが、市場への直接的影響を考えればやはり金曜日の米9月雇用統計となります。
予想はNFPR 15.1万人(前回17.0万人)、失業率4.9%(前回4.9%)ですが、極端に悪い数字でない限り12月の米利上げをサポートするでしょう。
為替は先週の大統領選討論会とOPEC減産合意を見てリスク選好ムードが高まりドル円は101円台後半まで、ユーロ円114円台、ポンド円131円台まで上昇しました。しかドイツ銀行に対する米司法省からの住宅抵当証券にかかわる和解金140億ドルの話が伝わると、同銀行への信用不安から主要国の株価急落しリスク回避色が急激に高まりました。ドル円は再び100円台後半に反落しましたが、金曜日は和解金が半減されるとの観測記事も出て、銀行不安も一服となりました。
しかし本日も「米司法省が来年Royal Bank of Scotlandに100億ドルの和解金請求」のニュースが流れるなど、リーマンショック時のサブプライムローン販売にかかわる米司法当局と銀行との係争はまだ続きそうです。
また米大統領選に関わる不透明感や日銀の金融政策に対する不信感も根強く、ドル円の下値不安は今週も続きそうです。
原油については具体的な各国の生産枠を11月のウイーンOPEC総会で決める予定ですが、非OPEC諸国との調整やサウジとイランの確執もあり、原則で減産に合意を見たもののまだ先行き不透明な部分があることも確かです。
<豪ドル相場>
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7589-0.7710 AUDYEN 76.18-78.17
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7550-0.7750 AUDYEN 76.00-78.00
.今週の豪ドルは: 現レベル中心の揉み合いでしょう
先週の豪ドルはOPEC臨時総会における減産合意やロウRBA新総裁への信認の高さもあって一時77セント台前半、78円台前半まで上昇しました。
しかし後半はドイツ銀行の信用不安問題などから株価軟調でリスク回避色となり、やや上値を削って越週しました。
今週は中国が国慶節休場で中国発の材料は減りますが、やはりメインは米ドル動向であり、その意味で日米金融政策が引き続き焦点です。
国内では明日のRBA理事会、8月住宅建設許可、水曜日の8月小売売上高、木曜日の8月貿易収支などが注目されますが、特にRBA理事会は今回金融政策の変更は予定されていませんが、ロウ新総裁にとって初めての理事会であるだけに、声明文やその言動が前任のスティーブンス総裁とどのように異なってくるか注目されるところです。
また10/1から人民元がIMFの特別引き出し権(SDR)構成通貨となりましたが、中国では依然外資規制を行っており、急激に人民元が国際化するとは考えられません。豪ドルはその流動性の豊富さからアジア通貨の代替通貨として利用されてきましたが、人民元が今後国際化すれば相対的に豪ドルの利用度が減る可能性があります。しかし上述のようにそれはまだ先の話と考えられます。
豪ドルは米ドル情勢や今週のRBA理事会など内外要因を見ながら、足元は大きな変動なしの揉み合いとなりそうです。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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