今週の主な予定、イベント
31(月) ユーロ圏Q3GDP、米9月個人所得収支
11/1(火)日銀金融政策会合、日銀展望リポート、RBA理事会、中国10月製造業/非製造業PMI、中国10月財新製造業PMI、米10月ISM製造業景況指数
2(水) 米月ADP雇用者数、FOMC
3(木)豪州9月貿易収支、日本文化の日休場、中国10月財新サービス業PMI、ECB1経済報告、BOE理事会、BOE四半期インフレ報告、米10月ISM非製造業景況指数、米新規失業保険申請件数、クーレECB理事講演
4(金)豪州9月小売売上高、コンスタンシオECB副総裁講演、米10月雇用統計、アトランタ連銀総裁講演、フィッシャーFRB副議長講演
<マーケットの焦点>
キーワード:米大統領選、日欧米金融政策、Brexit、米10月雇用統計、日銀限界論、原油価格
早いもので明日から11月です。
年末に向けてのイベントは11/2のFOMC、11/4の米10月雇用統計、11/8の米大統領選選、11/30ウイーンOPEC総会、12/4イタリア国民投票、12/13-14米FOMCなどですが、英国のEU離脱問題の進展も要注意です。
先週は主要国株価も日中を除いて小反落、また原油価格もウイーンOPEC総会での減産調整に懐疑的な見方も依然として強く、48ドル台に反落しています。
注目の金曜日発表の米国Q3GDP(前期比年率)は+2.9%(予想+2.6%、前回+1.4%)と予想を上回り一時ドル買いが強まりました。
しかしニューヨーク市場の後場にFBIがクリントン氏のメール問題を再調査すると発表したことから米ドルは急落。ドル円は105円台半ばから104円台に下落し、ユーロは1.10に接近して越週しました。
今週はイベント的には1日、2日、3日に開催される日、英、米の金融政策と4日の米国10月雇用統計が注目されます。もちろん米大統領選がらみのニュースやBrexit関連ニュースは常に目が離せません。
日英米金融政策では英国の追加緩和観測がありましたが、継続的なポンド安がインフレ期待を押し上げていることや足元の国内経済堅調から追加緩和観測は後退しています。
一方前回の会合で長短金利操作目標を掲げた日銀ですが、今回は政策据え置き予想です。
また米FOMCでは12月の利上げに向けた地ならしで終わると予想しますが、強いQ3GDPを受けて12月利上げをさらに強く示唆するか注目されます。
10月の米雇用統計が予想通りに堅調な数字であれば12月利上げの可能性が更に高まります。
一方「史上最低の大統領選」と評されるクリントン/トランプ両氏の戦いは泥試合の様相です。トランプ氏のセクハラ被害報告は更に増える一方、先週金曜日のFBIの衝撃の”クリントンメール再調査”は大統領選まで10日と迫ったこのタイミングで”強力な証拠もなく、捜査に時間がかかる”と言いながらの再捜査は政治的な陰謀の匂いすらします。ただこのメール問題もあり最新の支持率ではトランプ氏がクリントン氏を急速に追い上げているのも事実。今週も新たな展開があるでしょうが、トランプ優勢とでもなれば市場のリスク回避の動きは急激に高まるでしょう。
強いGDPなど経済面では米利上げ・ドル高の継続を予想しますが、米大統領選やBrexitなどの波乱要因には要注意です。
<豪ドル相場>
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7557-0.7709 AUDYEN 78.87-80.31
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7500-0.7700 AUDYEN 78.00-81.00
今週の豪ドルは: 引き続き揉み合いでしょう
先週の豪ドルは予想を上回るQ3消費者物価上昇を受けて一時77セント台、80円台に上昇しましたが、ドル高や原油の反落を嫌気してやや押し戻されて越週しました。
発表されたQ3CPI(ヘッドライン=全項目)は天候不良による果物や野菜価格の急騰を受けて前期比+0.7%(予想+0.5%、前回+0.4%)、前年比+1.3%(予想+1.1%、前回+1.0%)と予想を上回りました。ただRBAが重視するアンダーライイングインフレーション(刈込平均値)は前期比+0.4%(予想+0.4%、前回+0.5%)、前年比+1.7%(予想+1.7%、前回+1.7%)と予想通りでした。
RBA金融緩和の原因の一つが低インフレと言われ、今回のヘッドラインの上昇の主因である果物や野菜価格の上昇は一過性とも言われます。
しかし当地のエコノミストの多くは今後インフレ率は徐々に上昇すると見ています。
理由は豪州経済が現在トレンド成長率を上回って拡大していること、資源価格の底入れによる賃金上昇の可能性、住宅価格の再上昇などです。
もう一つの利下げ理由である豪ドル高については、現在米ドル高がゆえに歯止めがかかっています。
RBAのロウ新総裁は「RBAターゲットを下回る低インフレにつても柔軟に対応」する姿勢であり、追加緩和観測は後退しています。
豪ドルは米ドル高が上値を抑える一方、追加緩和観測後退により下げも限定的と見ます。
下値では投資家需要や豪州輸出企業(鉱山関連含む)の豪ドル手当て買い需要が高まるでしょう。
今週火曜日はRBA理事会(PM2:30豪州時間)に続いてPM3:00には豪州競馬の祭典”メルボルンカップ”が開催されます。
また木曜日には9月貿易収支が、金曜日には9月小売売上高が発表されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。