今週の主な予定、イベント
11/21(月)安倍首相記者会見、日本10月貿易収支、ドラギ総裁議会証言
22(火)米10月中古住宅販売
23(水) 日本勤労感謝の日休場、独・ユーロ圏製造業PMI、米10月新築住宅販売、米新規失業保険申請件数、FOMC議事録
24(木)独11月ifo景況感指数、米感謝祭休場
25(金)日本10月CPI、米ブラックフライデー―株式、債券市場短縮取引
<マーケットの焦点>
キーワード:トランプ政権人事構想、日欧米金融政策、Brexit、日銀限界論、原油価格
先週はトランプ氏勝利後の市場の混乱も収まりましたが、トランプ次期政権への期待値は高く、基本的なトランプ効果、つまり株高、債券利回り上昇、ドル高相場が継続しました。
黒田日銀総裁は講演で物価安定目標に向けたモーメンタムを維持するために必要な場合は政策調整すると、相変わらず強気の発言ですが、トランプ勝利後のインフレ期待上昇の追い風が吹いてきたのは事実でしょう。
一方、注目のイエレン議長議会証言では同議長が12月利上げを示唆したとの市場の受け取り方でした。
ただ同議長の金融政策に批判的なトランプ氏が勝利したことについて、同議長はトランプ氏の財政拡大政策に対して「長期的な赤字問題に留意する必要がある」と述べ、人種差別的な点については「マイノリティーの高失業率は問題を孕んでいる」と暗に批判的な発言をしています。
先週はトランプ政権移行チーム内の内紛などが嫌気され一時トランプブルマーケットの調整を見ましたが、基本的なリスク選好ムードは継続しており、特にドルが独歩高となっています。
ドルインデックスは2003年以来の101台に上昇し、今週に入ってもドル円は111円台に続伸し、ユーロは1.06割れ、ポンドは1.23台とドル全面高です。
しかしトランプ新政権は政策的に不透明な部分も多く、選挙中の過激な発言は徐々に封印されるにしても、TPPなど自由貿易交渉や安全保障、外交姿勢など今後一々政策を検証していかざるを得ません。
またトランプ氏は得票数ではクリントン氏をかなり下回り米国民間が’分断されているのも事実、更に共和党内部でも政権の人事構想や共和党主流派との融合など多くの課題を抱えています。
トランプ氏の大逆転勝利で舞い上がったブル相場ですが、今後は実際の政策運営でネガティブな材料もきっと出てくるでしょう。
一方的なリスク選好にも調整が入る可能性には留意したいところです。
<豪ドル相場>
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7330-0.7581 AUDYEN 80.52-82.61
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7200-0.7500 AUDYEN 80.00-83.00
今週の豪ドルは: 引き続き上値の重い展開でしょう
先週の豪ドルはドル全面高を受けて6月以来の73セント台前半に続落、対円でもドル円の上昇を相殺する形で82円台の高値から81円台前半まで反落。
また対ユーロ0.69台前半、対NZ$1.05割れと全般的に軟調推移でした。
国内指標的にはQ3賃金コスト指数が前期比+0.4%、前年比+1.9%と予想を下回り、また10月雇用統計は就業者数が+9.8千人と予想を下回る一方(full-time-jobは前月の-74.3千人から+41.5千人に増加)、失業率は+5.6%と依然として3年ぶりの低水準を維持し、マチマチの印象を与えました。
資源価格は依然として堅調でリスク選好的であり、RBAの利下げ観測も現在ではかなり後退していますが、いかんせん米ドル全面高の影響が大きく、豪ドルは足元上値の重い展開でしょう。
ただ下値70セント接近局面では投資家需要に加えて年末を意識した資源会社の豪ドル当用買い需要も徐々に高まる可能性があり、下値をサポートするでしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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