今週の主な予定、イベント
11/28(月)ドラギECB総裁議会証言、OECD世界経済見通公表、OPEC/非OPEC事前会合
29(火)日本10月雇用統計、米Q3GDP(改定値)、パウエルFRB理事/ダドリーNY連銀総裁講演
30(水) OPEC総会(ウイーン)、米11月ADP雇用者数、米10月中古住宅販売、FEDベージュブック、ドラギECB総裁講演、パウエルFRB理事/メスター・クリーブランド連銀総裁講演
12/1(木)中国11月製造業PMI/11月財新製造業PMI、米新規失業保険申請件数、地区連銀総裁講演(ダラス/クリーブランドFED)
2(金)豪州10月小売売上高、米11月雇用統計、ブレイナ-FRB理事/タルーロFRB理事講演
4(日)オーストリア大統領選挙決定投票、イタリア国民投票
<マーケットの焦点>
キーワード:トランプ新政権動向、OPEC総会(ウィーン)、米11月雇用統計、イタリア国民投票、日欧米金融政策、Brexit、日銀限界論、原油価格
先週は福島沖大型地震が起き、津波警報まで出て一時市場は2011年の東日本大震災を想起し、リスク回避の動きが活発化しました。
またトランプ新政権はTPP離脱を言明し、トランプ政権移行チーム内の内紛の情報もあり、調整を交えながら一方的なドルの続伸も阻まれた感じです。
福島沖地震時にドル円は一時110円半ばまで反落しましたが、結局地震への懸念は終息し、トランプブル相場が継続しました。
NYKダウは週末まで続伸し、史上高値を19,152ドルまで更新しています。
原油価格は今週のOPEC総会への不透明感もあり46ドル台に反落していますが、商品相場は総じて堅調で”リスク選好相場”が継続しています。
ただ実際のトランプ新政権誕生は1月であり、まだ何も始まっていないのは確かであり、このままブルマーケットが続くとみる向きは少ないようです。
今週は30日にウィーンOPEC総会が開催されます。
現在はサウジが減産に賛成であり、ロシアとイランは増産凍結を支持、また減産合意を示したイラクですが、本音は増産に傾くなど、簡単に減産合意には至らない可能性があります。
一方最近の原油堅調の好機を得て減産合意となる場合には、原油価格の上昇がインフレ期待を更に誘い、世界的に金利上昇そして株価調整に働く可能性もあり、原油価格は大きな反乱要因となる可能性があります。
また12/2(金)には米国の11月雇用統計が発表され、そこそこ堅調は数字が予想されます。たとえ予想を下回る数字であっても12/13-14のFOMCでの利上げ観測をもはや後退させることはないでしょう。
ただ市場の焦点は来年の利上げの回数であり、FRBのドットチャートで示される利上げは2回程度ですが、これはトランプ政権出現を反映していません。
トランプ政権の財政拡大政策/インフレ政策が予定通りに実施されれば、米利上げの回数は更に増えて単なる「金利の正常化」から「金融引き締めサイクル」に移行する可能性が出てきます。
一方金利上昇に米経済が耐えられない場合には米経済失速→再度金融緩和の可能性も排除できず、来年のトランプ政権発足以降の米経済/金融政策は更に重要度を増すでしょう。
先週トルコ中銀は市場の予想に反して通貨防衛のために政策金利を7.5%’から8.0%に引き上げました。最近のドル高を反映して中国の人民元のみならず、ベトナムドン、フィリピンペソ、インドルピーなどアジア通貨は軒並み売り圧力を浴びており、今後ドルが続伸すればアジア通貨危機を引き起こす可能性も否定できません。
加えてドルインデックスが一時2003年以来の102台まで上昇しており、トランプ新政権からのドル高けん制が働く可能性もあります。
米個人消費の4割が集中するといわれる先週金曜日のブラックフライデーから本日のサイバーマンデー期間の米個人消費はトランプ旋風もあって好調との話であり、トランプブル相場は足元続く可能性があります。
一方株価の連日の続伸やドル高で市場のポジションはかなり偏っており年末を控えて調整が入るのか?
週末のニュースとして依然として続く米大統領選集計作業で統計の異常が認められ、ウイスコンシン、ミシガン、ペンシルベニア3週の再集計が勧告され、実施の見込みとのこと。3州で全部クリントン勝利となれば結果が覆る可能性があります。最もトランプ陣営も黙っていないでしょうが。また12/19には実際の選挙人の投票が行われ、ここでも大波乱の可能性は少しですが存在します。
”大統領選はまだ完全には終わっていない”という珍現象です。
年末に向けてはなかなか難しい局面を迎えつつあります。
ブル相場に乗りつつも、片足は”逃げるが勝ち”のスタンスが必要です。
<豪ドル相場>
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7310-0.7468 AUDYEN 81.14-84.62
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7250-0.7550 AUDYEN 82.50-85.50
今週の豪ドルは: 堅調推移でしょう
先週の豪ドルは”上値が重い”と予想しましたが、むしろ74セント台を回復、対円では4月以来の84円台まで上昇し、対ユーロ0.70台、対NZドル1.05台と豪ドル自体は総じて堅調でした。
豪ドル軟調予想の理由は米ドルの続伸でしたが、さすがにドル高に対する調整も見られ豪ドルがサポートされました。
また下落局面では本邦個人投資家や資源関連の輸出玉の押し目買いが下値をサポートしました。
今週は米ドル動向並びに30日のOEPC総会の結果が注目されます。
減産合意となれば原油価格は上昇しますが、一方世界的にインフレ期待上昇から、史上高値圏にある主要国の株価調整のきっかけになる可能性もあります。
一方減産合意に失敗した場合でも、トランプ期待で需給バランスが好転していますので、原油の崩れは一時的なものにとどまると予想します。
今週金曜には10月の豪州小売売上高が発表され予想は+0.3%(前回+0.6%)ですが、クリスマス商戦を前に消費はやや手控えられる可能性があります。
いよいよ師走ですが、来年の資源輸出に係る値決め(為替レート)がある程度年末にかけて決定するため、日本の商社や鉄鋼会社は採算確定のためにある程度の輸出カバー(豪ドル買い)を行うのが例年のパターンです。
米ドルの大幅続伸があれば話は別ですが、豪ドルは年末にかけて堅調推移するものと予想します。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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