今週の主な予定、イベント
12/12(月)日本11月国内企業物価、トルコQ3GDP
13(火)中国11月鉱工業生産・小売売上高
14(水)Q4日銀短観、米11月小売売上高・PPI、FOMC
15(木)豪州11月雇用統計、BOE理事会,スイス中銀理事会、米11月CPI、12月NY連銀製造業景況指数、米新規失業保険申請件数、日ロ首脳会談、EU首脳会議
16(金)日ロ首脳会談、米11月住宅着工件数、リッチモンド連銀総裁講演
<マーケットの焦点>
キーワード:米FOMC、欧州情勢、Brexit、日欧米金融政策、地政学的懸念(テロ―トルコ、エジプト)、原油価格
先週も結果的に世界的に株価は上昇(NYKダウは史上高値を連日更新)し、ドル高地合が継続しドル円は今年2月以来の115円台前半まで上昇しました。
週末のイタリア国民投票、ECB理事会などのイベントがあり、また1/20のトランプ政権発足を前に人事や政策を巡る種々の思惑が交錯しました。
イタリアの憲政を巡る国民投票での”否決”を受けてレンツィ首相は辞任し、欧州政治混迷の始まりまと懸念されましたが、結果はある程度織り込み済でユーロの下値も1.0500近辺でした。
ECB理事会ではQEの月額を800億ユーロから600億ユーロに減額し、当初テーパリング(緩和縮小)と市場は判断し、ユーロは1.08台後半に急騰。しかし同時に来年3月末期限のQEプログラムを当初の予想6か月延長から9か月(12月末まで)延長することが発表されました。これは結果としてQE追加総額では800億ユーロX6か月=4,800億ユーロから600億ユーロX9か月=5,400億ユーロへの増額となり当初予想を上回ったことから、ユーロは1.05台前半に再び急落しました。
またドラギ総裁は「どのメンバーもテーパリングを支持しなかった、必要に応じて購入規模や期間を拡大、預金金利以下の債券も購入する意向」などと述べたことも緩和の拡大と解釈されました。
今週は年内最後の大きなイベントであるFOMCが13/14日に開催され、FRBはFF金利の誘導目標(政策金利)を現在の0.25-0.50%から0.50-0.75%に25bp引き上げることが確実視されます。市場の関心は同時に発表されるFOMCメンバーによ政策金利見通し(ドットチャート)で来年何度の利上げ予想がなされるかというポイントです。
現在エコノミストの中心的な予想は3回程度となっています。
しかし前回FRBがITバブル崩壊後に1%まで金融緩和したときの引き締め局面では2004年5回、2005年8回、2006年4回の利上げを行っています。
世界経済状況にもよりますが、もし3回を上回って利上げが行われる場合にはドル相場を押し上げる可能性があります。
ドル円は再び節目となる115円をブレークしてきましたが、むしろユーロは欧米の金利格差の拡大に加えて来年は欧州主要国で国政選挙が予定されますが、民族主義や反EUの動きがトランプ勝利で更に活発化しており、政局不安もユーロの重しとなり、これもドルサポート要因です。
もちろん欧州不安の最大の要因であるBrexitの行方もチェックする必要があり、現在やや反発地合のポンドが再度下落する場合にはこれもドルサポート要因となります
<豪ドル相場>
AUDUSD 0.7414-0.7508 AUDYEN 84.29-86.09
AUDUSD 0.7350-0.7550 AUDYEN 84.00-87.00
今週の豪ドルは:対ドル保合、対円堅調でしょう
先週の豪ドルはQ3GDPが前期比で予想を上回る-0.5%(予想-0.1%)、前年比+1.8%(予想+2.2%)とややショッキングな内容にもかかわらず74セント台中心に底堅い動き。対円ではドル円の115円台上昇にサポートされて一時86円台前半まで上昇しました。
上記のようにGDPのマイナスは1991年のリセッション以来4回目で、前3回は2001年のシドニーオリンピック時の過剰投資の反動、2008年はリーマンショック、2011年はクィーンズランド州の大水害など明白な理由がありました。
しかし今回は大きな原因というよりはむしろ政府や民間の設備投資減退や貿易黒字の貢献度が低かったこと、また悪天候による建設活動の不活発などが原因として挙げられます。
ただQ4については個人消費の堅調や、商品相場の上昇や、労働市場の堅調を背景に再び本来のトレンドを回復するとの見方が一般的です。
豪ドルは引き続き米ドル堅調地合にあって75セント越で売り圧力が高い一方、下落局面では投資家や資源輸出関連の豪ドル買い需要が強まる展開でしょう。
対円ではドル円が続伸か、あるいはクリスマス休暇前の調整反落かにより動向が決まるでしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。