今週の主な予定、イベント
12/19(月)米大統領選代理人投票、豪州モリソン財務相MYEFO(年央経済財政見通し)発表
20(火)日銀会合
21(水)米11月中古住宅販売
22(木)ECB経済報告、米Q3GDP確報値、米11月耐久財受注、米新規失業保険申請件数
23(金)日本休場(天候誕生日)、英株式市場短縮、米債券市場短縮
<マーケットの焦点>
キーワード:年末相場、トランプラリー、欧州情勢、Brexit、日欧米金融政策、中国の金融政策(信用不安)、地政学的懸念(テロ―トルコ、エジプト、南シナ海)、原油価格、アジア通貨安
今週はクリスマス休暇前の実質最終週となりますが、トランプ相場、FOMCの影響で市場のボラティリティーは依然高く、特にFXは年末まで動くのかもしれません。
先週は年内最後のビッグイベントFOMCがあり、予定通りの25bpの利上げと来年の金利見通し(ドットチャート)で利上げの回数が3回に上方修正されました(トランプ勝利前は2回)。
トランプ政権の財政拡大・景気刺激策からインフレ期待が上昇していることはFOMCも認識しているのですが、一方トランプ政策の実態がまだ不鮮明であり、FOMCも来年の景気見通しを”極めて不透明”としています。
トランプ勝利以来株高(NYKダウは史上高値更新)、ドル高(ドルインデックスは2003年以来の203台)が進行していますが、株価に関しては米国の1970以降の7回の利上げサイクル中6回は株価が下落しており、現在の株高がいつまで続くか個人的には懐疑的です。
ドル円はFOMC後118円台まで上伸しましたが、高値警戒感やトランプ相場への懐疑的な見方から115円を超えてできたドル売りポジションのストップロスの買い戻しが一気に出たようです。
市場は既に120円台を視野に入れており、年内達成の思惑も強いですが、一方市場のドル買いポジションの積み上がりも進み、加えてリスク回避材料も見られます。例えば週末中国人民銀行はクレジットクランチ(信用逼迫)懸念を緩和するために金融機関への巨額融資の話が出ていますし、日本の金融機関がBrexit懸念から向こう半年以内にロンドンのシティーから拠点の一部を国外に移転させるとのニュースもありました。また南シナ海を巡る米中摩擦やシリアの内戦激化など数多くのリスク要因もあります。また中国人民元の下落など新興国の通貨下落が深刻な問題になりつつあり、新興国サイドからドル高懸念表明がでたり、当の米国当局からのドル高けん制の可能性も否定できません。年末を控えたドル円のポジション調整売りが出る可能性にも留意したいととこrです。
今週は年内最後の日銀政策会合がありますが政策変更は予定されていません。黒田総裁も余計なことを言わずにトランプ相場の恩恵である、”棚からぼた餅”の「株高・円安」をエンジョイしたほうがいいのでは?!
<豪ドル相場>
AUDUSD 0.7266-0.7524 AUDYEN 85.82-87.53
AUDUSD 0.7150-0.7450 AUDYEN 84.00-87.00
今週の豪ドルは:やや軟調ですが、下値は押し目買いサポートでしょう
先週の豪ドルは良好な12月雇用統計(就業者数+39.1千人、失業率5.7%)や商品相場の堅調にもかかわらず、ドル高の流れの中、73セント台のサポートレベルを抜いて72セント台半ばに下落。対円でもドル円の調整と相まって86円割れまで下落しました。
また本日発表されるMYEFO(年央経済財政見通し)で2020/21年の財政均衡目標が更に延長されるようであれば格付け会社が豪州の格下げを遅くともクリスマス前に実施する見込みであることも豪ドルの重しとなっています。
格下げとなれば豪銀の格付けも下げられ、豪銀の資金調達コストが上昇します。これは住宅融資金利の上昇に跳ね返り、豪州の住宅バブルバーストの危険性が指摘されるところです。
年末にかけてドル高の調整、資源輸出関連や投資家の豪ドル買い需要により豪ドル堅調推移を予想してきましたが、”格下げの可能性”という思わぬ伏兵が現れ、場合によっては豪ドルが下落するシナリオも浮上してきました。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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