今週の主な予定、イベント
1/23(月)日本11月全産業活動指数
24(火)衆参両院本会議、独・ユーロ圏1月製造業PM、米12月中古販売件数、英最高裁EU離脱の議会承認巡る判断
25(水)日本12月貿易収支、豪州Q4CPI、独1月ifo景況感指数
26(木)英Q4GDP、米12月景気先行指数、米12月新築住宅販売、ユーロ圏財務相会合、独2月GFK消費者信頼感、米新規失業保険申請件数
27(金)日本12月CPI、上海休場春節(~2/2)、EU財務相理事会、米12月耐久財受注、米Q4GDP
<マーケットの焦点>
キーワード:トランプ政策の行方、ハードBrexit、欧州情勢(仏、イタリア)、日欧米金融政策、中国の信用不安、原油価格、アジア通貨安
先週も英国メイ首相のハードBrexit宣言(EUからの離脱宣言)やトランプ第45代米大統領の就任式などの大きな政治イベントがありました。
為替市場は結構動きましたが金融市場全体としては主要国の株価は高止まりし、商品相場もまあ堅調推移し、米債利回りも米10年債利回りが2.474%と上昇基調でした。
英国のEU離脱宣言は事前に予想されていたこともあり発表後にポンドはむしろ1.20台から1.24台に、ポンド円は137円台から140に急反発を見せました。
一方20日のトランプ氏就任演説を前に同氏のドル高けん制発言や保護主義的言動でドル円は一時112円台に下落後、イエレン議長の利上げ容認ともいえるややタカ派発言を機に115円台まで反発するなど UP & DOWN。しかし実際のトランプ氏就任演説後は再びドルが下落し、本日ドル円は113円台に下落、ユーロやポンドは1.07台、1.24近辺に再び上昇しています。
トランプ氏の就任演説は「アメリカ第一主義」一色に染まりました。”国家再建と権限の国民移譲”と聞こえはいいのですが、「TPPからの離脱方針を正式表明、NAFTA再交渉を表明、国境の壁建設を再コミット」など非常に保護主義的色彩が強い内容がドルを押し下げました。
週末トランプ政権は早くも外交経済政策を始動させていますが、メキシコ大統領やカナ首相と電話会談してNAFTA再交渉に応じない場合には同条約からの離脱をほのめかしています。一方イギリスのメイ首相とは27日に就任後初の首脳会談を約束し米英関係の強化を図っています。
トランプ大統領は多国間交渉よりも二国間交渉を重視する政策を鮮明にしています。
トランプ政策のうち財政拡大や減税、そして海外企業の誘致などは国際資金の米国流入を促しドル高要因と考えれますが、一方外交・経済上の強固姿勢・保護主義的姿勢は先週も見られた同氏の”ドル高けん制”が背後に感じられるため、足元の為替市場の反応はドル下げに働く可能性が強いようです。
一方24日には英国最高裁のEU離脱の議会承認を巡る判断がなされます。メイ首相は先週既に最終案は議会で採択されると発言していますが、今後EU離脱交渉が円滑にスタートしない場合には英国・EU両方にとってダメージが大きくなる可能性があります。
トランプ氏の就任式は抗議運動が高まる中何とか通過しましたが、米国や欧州中心の材料に不安定な政治相場がまだ継続しそうです。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7458-0.7588 AUDYEN 85.00-87.07
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7450-0.7650 AUDYEN 84.00-87.00
今週の豪ドルは:依然対ドル堅調推移でしょう
先週の豪ドルは結局トランプ大統領就任式前にドル高調整が継続したことが主因で豪ドルは75セント台後半に上昇。一方対円でも87円台を一時付けましたがさすがにドル円反落を受けて再び86円割れまで反落しています。
発表された中国のQ4GDPは予想を上回り(?)+6.8%(予想は6.7%)と1年ぶりの強い数字となりました。しかし中国北部遼寧省が今回のGDP関連の数字を過剰報告していたことを認めるなど、小職も前から不信感を持っていますが、相変わらず中国の数字は信用できない部分は否めません。米中軋轢が高まる中、他国の非難をかわすためにも”弱い数字は出せない”との判断があったとしてもおかしくはありません。
いずれにしても表面上でも強い数字であったことは市場にある程度の安心感を与えました。しかし今後トランプ政権の対中攻撃が強まれば、中国の資源輸入にも影響を与えることは必至であり、予断は許しません。
現在米ドル軟調がゆえの豪ドル高(豪ドルは米ドルの受け皿)ですが、この構図がいつまで続くかは定かではなく、豪ドルの行方も米ドル次第という状況が暫く続きそうです。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。