今週の主な予定、イベント
1/30(月)NAB12月企業信頼感・景況感、中国春節休場(~2日)、独1月CPI
31(火)日銀政策会合、日本12月雇用統計、米12月中古住宅販売、仏・ユーロ圏Q4GDP(速報値)
2/1(水)中国1月製造業PMI、米国1月ADP雇用者数、米1月ISM製造業景況指数、FOMC声明
2(木)豪州12月貿易収支/住宅建設許可件数、ECB経済報告、BOE理事会、米新規失業保険申請件数
3(金)中国1月財新製造業PMI、米1月雇用統計、米1月ISM非製造業景況指数、EU首脳会議
<マーケットの焦点>
キーワード:トランプ政策の行方、FOMC、米12月雇用統計、ハードBrexit、欧州情勢(仏、イタリア)、日欧米金融政策(FOMC、日銀会合、BOE理事会)、中国の信用不安、原油価格、アジア通貨安
先週はNYKダウの2万ドル乗せという歴史的な出来事がありましたが、就任後のトランプ大統領も精力的に動き回りました。
選挙公約を次々と実施しています。
TPPの離脱とメキシコとの国境の壁建設の大統領令に署名し、また週末にもシリアなどの難民の一時受け入れ停止やイスラム圏7か国の出身者の一時入国禁止を命じた大統領に署名し、これに反対する抗議運動も活発化しました。
民主党のシューマー上院院内総務は「大統領令は米国が大切にしてきたもの全てに反する」と述べて大統領令を覆す立法措置を検討する方針を明らかにしています。
トランプ政策とは別に今週は日米英の金融政策会合や中国の1月製造業PMI、更には米国の1月雇用統計発表など、多くのイベントがあります。
FOMCの利上げ観測が今年の大きなテーマですが、イエレン議長の会見が予定されない今回は利上げ観測低く、次回3月が大きなポイントとなります。
米経済はほぼ完全雇用状態にありますが、先週発表されたQ4GDPは前期比年率が+1.9%(予想+2.2%、前回+3.5%)と予想を下回りました。
内容的に個人消費が振るわず、加えて輸出の低迷(-4.3%)が押し下げ要因でしたが、ドル高の影響が指摘されます。
NYKダウが2万ドル台に上昇するなどリスク選好的な円売り(クロス取引も含めて)が先週は顕著でしたが、上記米GDPの不振の原因としてトランプ政権からのドル高けん制の可能性は常にくすぶります。
2/10に安倍首相は麻生財務相を伴って訪米し日米首脳会談に臨みますが為替について協議するとの報道もあり注目されるところです。
先週は115円という節目をブレークして今週もドル円の上値テストの可能性もありますが、NYKダウが2万ドルを維持できるのかも含めて、むしろ調整反落の可能性にも注意したいところです。
因みに1月の米雇用統計予想値は失業率4.7%、nfpr +175千人、平均時給+0.3%とそこそこの数字ですが、予想を大きく下回るサプライズとならない限り、3月利上げ観測は大きく後退しないでしょう。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7511-0.7609 AUDYEN 85.33-87.09
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7500-0.7700 AUDYEN 85.00-88.00
今週の豪ドルは:依然堅調推移でしょう
先週の豪ドルはNYKダウの2万ドル大乗せに象徴される株高や商品相場の堅調にサポートされて一時76セント台、87円台まで上伸しました。
Q4の消費者物価指数(CPI)はヘッドライン(全項目)が前期比+0.5%(予想+0.7%、前回+0.7%)、前年比+1.5%(予想+1.6%、前回+1.3%)、RBAの重視するアンダーライイングが+0.4%(予想+0.5%、前回+0.4%)、前年比+1.6%(予想+1.6%、前回+1.7%)と予想をやや下回りましたが、RBAインフレターゲットの弾力的運用を掲げるロウ総裁下にあっては追加緩和観測も浮上しません。
今週は中国の製造業PMIが発表されますが予想値は政府発表が+51.2、財新指数が+51.8と両方ともにそこそこ堅調な予想です。
Q4GDP以来中国の指標の信ぴょう性について疑問視する見方もありますが、取り敢えずは注目したいところです。
豪ドルは引き続き米ドル動向に大きく影響され、米ドル動向はトランプ政策に影響を受けるという相関関係ですが、年初来続く豪ドル堅調地合が転換するには米ドルの一段高が必要となってきます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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