今週の主な予定、イベント
2/6(月)豪州12月小売売上高、フィラデルフィア連銀総裁講演、米1月勤労統計
7(火)RBA理事会、中国1月サービス業PMI、米12月貿易収支
8(水)日銀主な意見、日本12月国際収支
9(木)日銀中曾副総裁講演、米新規失業保険申請件数、地区連銀総裁講演(シカゴ、セントルイス)
10(金)中国1月貿易収支、日米首脳会談
<マーケットの焦点>
キーワード:トランプ政策の行方、日米首脳会談、ハードBrexit、欧州情勢(仏、イタリア)、日欧米金融政策、中国の信用不安、原油価格、アジア通貨安
先週もトランプ進撃が続きました。
週末に難民受け入れやイスラム圏7か国からの入国一時禁止の大統領令を発令、火曜日には日本や中国の通貨安誘導批判を展開しました。
入国禁止の大統領令はその後ワシントン州がシアトル地裁に憲法違反として提訴し、地裁は差し止めを命じました。これを不服として大統領側は控訴裁判所に差し止め取り消しを申し出ましたが、控訴審は大統領側の控訴を退けました。大統領側は当面最高裁ではなく控訴裁判所に訴えを続けるようです。
この他にもトランプ大統領は精力的に動き回り、金曜日にはリーマンショック後に実施された金融規制強化法であるドット・フランク法を撤回する大統領令に署名し、金融株中心にNYKダウは大幅上昇しました。
同大統領は排他的政策だけではなく税制、ヘルスケア、通商などにも尽力している旨をアピールしています。
その他にも先週は米国FOMCがあり、ややハト派的な内容で3月利上げを強く示唆する内容ではありませんでした。
また金曜日の1月米雇用統計ではNFPRこそ+227千人と予想を上回りましたが、労働参加率の上昇もあり失業率は4.8%にやや悪化し、平均時給は+0.1%と不調(予想+0.3%、前回+0.4%)で、特特に平均時給の低い伸びを市場は懸念し、3月利上げ期待はやや後退しました。
今週もトランプ政権の動向が市場の焦点でしょう。外交面では日米首脳会談が注目されます。
ドル相場への影響としてはドット・フランク法撤回に見られるように規制緩和や財政拡大など前向きなニュースはドル買い材料。一方外交や安全保障、人権問題などでトランプリスクが意識される内容が出ればドル売り材料視されるでしょう。
日米首脳会談では麻生財務相の同行も米国サイドから要請されているため、為替政策への言及も予想されます。一方安倍政権は先週50兆円に上る”日米成長雇用イニシアティブ”を提案しており、日米協調をアピールしたいところです。
企業人出身の手練手管にたけたトランプ大統領としは”円安誘導発言”も数多くの切り札の一つという意識しかないのかもしれません。
日銀の金融政策含めて日本が”円安誘導”を行っていないのは明らかですから。
また3月利上げにしても、トランプリスクがさらに高まればFRBとしても利上げどころではなくなりますが、金曜日のSF連銀総裁の発言「3月のFOMCで利上げの協議がある」に見られるごとく依然として利上げ期待は残ります。
今週もドル相場は強弱材料に挟まれてアップダウンすることが予想されます。
ドル相場のトレンドが明確になるのはまだ先の話でしょう。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7527-0.7696 AUDYEN 85.19-86.72
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7550-0.7750 AUDYEN 85.00-88.00
今週の豪ドルは:現レベル中心の保合でしょう
先週の豪ドルはNYKダウの2万ドル台回復など、リスク選好的な動きも見られる中、76セント台、86円台中心に堅調推移しました。
原油はじめとして商品相場も堅調(鉄鉱石82ドル台、石炭82ドル台)であり、また発表されたNAB企業景況感が+11とリーマンショック前の高値を付けたことや、12月の貿易収支が35.11億ドルの過去最高を記録したことも豪ドルをサポートしました。
ドル相場が一時の高値からやや反落していることも豪ドルサポート要因と言えます。
今週火曜日にはRBA理事会がありますが金融政策の変更は予定されていません。
先週発表されたNAB企業景況感は上記のように強い数字でしたが、NABのチーフエコノミストMr Alan Osterは「一部の業種が例外的に強かっただけ」と評価し、彼は今年2回の利下げ(?)予想を変えていません。
なかなか自説を変えることは困難なのでしょうが、米国利上げ環境にあって豪州でも年後半利上げ観測が聞かれる中”2回の利下げ”を主張する根拠を聞きたいものです。
豪ドルは基本的に年初来の堅調地合を継続すると考えますが、次に大きく反落するケースを想定すれば、やはりトランプリスク拡大によるリスク回避相場に転換する局面であると考えます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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