今週の主な予定、イベント
2/13(月)日本Q4GDP、米加首脳会談
14(火)黒田総裁講演、中国1月CPI/PPI、独2月ZEW景況感指数、独・イタリア・ギリシャQ4GDP、地区連銀総裁講演(ダラス、アトランタ、リッチモンド)、イエレン議長上院銀行委員会議会証言
15(水)米1月小売売上高・鉱工業生産・CPI、2月NY連銀製造業景況指数、地区連銀総裁講演(ボストン、フィラデルフィア)、イエレン議長下院金融委員会議会証言、米・イスラエル首脳会談
16(木)豪州1月雇用統計、ECB議事録、米1月住宅着工件数、米新規失業保険申請件数
17(金)英1月小売売上高・CPI/PPI、米1月景気先行指数
<マーケットの焦点>
キーワード:トランプ政策の行方、ハードBrexit、欧州情勢(仏大統領選、イタリア、ギリシャ)、日欧米金融政策、中国の信用不安・人民元安、原油価格
注目の日米首脳会談は友好ムードで無事終了したようです。
選挙戦で示されたような対日強固姿勢は鳴りを潜め、トランプ大統領は日米の絆と友情は極めて深いとして日米関係の強化にコミットしました。
安倍首相も尖閣は安保条約第5条「日本国の施政下にある領域での武力行使について米国は集団的自衛権を行使して日本を防衛する」の対象となるとのコミットメントを得てご満悦でしたが、一方トランプ政権は安倍首相到着後に中国の習近平国家主席と初の電話協議を行い「一つの中国」政策を認めています。
これは対日牽制とも受け取られます。日本との同盟関係を重視しつつ、日本と中国を対峙させてアジアでのバランス オブ パワーを図る作戦かもしれません。
首脳会談中に「通貨切り下げに関して長い間不満を訴えてきた」と発言し一時ドル円の113円割れへの急落を誘いましたが、これは中国をターゲットとした発言のようで、その後ドル円は持ち直しました。
今回日米通商・貿易関連の不協和音は聞かれませんでしたが、詳細は今後麻生財務相・副総理とペンス副大統領の「経済対話」の場で財政・金融政策、二国間貿易協商などの細部を協議するとしており、日米首脳会談での米国が一歩譲歩したスタンスがいつまで続くのか疑問視する声も大きいのが現実です。
トランプ大統領の言動は正に”飴と鞭”政策と言えるでしょう。
現在ドル円は首脳会談を無事通過して堅調推移していますが、今後日本へのプラッシャーが高まったり、またトランプ外交・通商政策の保護主義・排他主義が再び表面化すれば、反落する可能性があります。
今週はイエレンFRB議長の半期に一度の議会証言があり注目されます。月初のFOMCでは3月利上げ観測がやや後退しましたが、はたして3月利上げに対して一歩踏み込んだ発言がなされるのか注目されます。
また欧州情勢では3月英国がEU離脱宣言をする可能性が高く、加えてオランダ総選挙があります。また4/23には注目の仏大統領選第一回投票が行われます。
特にEU第二の大国仏の大統領選ではEU離脱を公約とする極右国民戦線のルペン党首の優勢も伝えられており、目が離せません。
欧州の政局不安はユーロの下落のみならずリスク回避の円買いも活発化する可能性があります。
為替相場も依然として各通貨ともにトレンドが定まる状態ではなく、トランプ政策、欧州情勢、FRBの金融政策を絡めて引き続き荒い値動きが継続しそうです。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7605-0.7688 AUDYEN 85.24-87.18
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7550-0.7750 AUDYEN 85.50-88.50
今週の豪ドルは:底堅い展開でしょう
先週の豪ドルは対ドルで76セント台、対円ではドル円の113円台への上昇を受けて87円台まで続伸しました。
発表された12月の小売売上高は前月比-0.1%とクリスマス商戦期待を裏切る内容となりましたが、豪ドルの下げは限定的でした。
むしろ商品相場の堅調(原油、鉄鉱石、石炭)に加えて発表された中国の1月貿易収支が+513.5億ドル(予想485億ドル、前回407.1億ドル)でしかも前年比で輸入が+16.7%、輸出が+7.9%と内容ともに非常に強い数字であることも豪ドルをサポートしました。
今週の国内指標では16日(木)の1月雇用統計が注目されますが予想は失業率が5.8%(前回5.8%)、就業者数+10千人(前回+13.5千人)とそこそこの予想となっています。
豪ドルは依然として米ドルなど主要通貨動向を見ながらの展開となり、その意味ではトランプ政策、欧州情勢、中国景況などからの影響が大きいでしょう。
テクニカルには77セント台、87円台というチャートポイント(レジスタンス)に差し掛かっており、ここをブレークして続伸するか、あるいは強いレジスタンスレベルで跳ね返されるか?注目されます。
ここから先は市場のリスク許容度の増減が大きな役割を果たすと考えます。
リスク選好の動きが強まれば豪ドル続伸となりますが逆の場合も想定するべきでしょう。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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