今週の主な予定、イベント
3/6(月) 豪州1月小売売上高、米1月製造業受注、ミネアポリス連銀総裁講演
7(火)RBA理事会、米1月貿易収支、OECD経済見通し
8(水)日本1月国際収支、日本Q4GDP(改定値)、中国2月貿易収支、米2月ADP雇用者数
9(木)中国2月CPI/PPI、ECB理事会、EU首脳会議(~10日)、米新規失業保険申請件数
10(金)米2月雇用統計
<マーケットの焦点>
キーワード:米国2月雇用統計、3月FOMC、ハードBrexit、欧州情勢(仏大統領選、イタリア銀行不安、ギリシャ債務問題)、日欧米金融政策、中国の信用不安・人民元安、原油価格
先週は注目のトランプ大統領の議会における施政表明演説やイエレン議長講演があり、週末には中国全人代が開催されました。
株価は前週末と比べて上海総合指数や豪州のAll Ordinariesがやや下落しましたが、NYKダウ、日経平均など主要国株価はほぼ高値圏を維持しています。
トランプ大統領の議会演説は当初混乱も予想されましたが、結果的にはネガティブな内容はなく国民の評価もまずまずでした。”米国第一主義“を強調し、1兆ドルのインフラ投資、国家安全保障の万全、減税や医療保険制度の充実などを強調しました。具体策には欠けるものの施政演説としては及第点でしょう。
またイエレン議長の講演では「経済が予想通りなら3月利上げは適切」と述べ、先週来の多くのFRB理事や地区連銀総裁の3月利上げにポジティブな姿勢を裏書きしました。
ただドル円は114.75まで上昇後114円割れまで反落したのは週末控えの”SELL ON FACT”による調整もありますが、やはりトラップ政策もフリーハンドのドル高とは言えないからでしょう。財政支出によるインフラ投資・減税と財政赤字削減問題をいかに両立させるのか?財源問題とともに、さしあたっては3/15に期日が到来する連邦債務上限引き上げ問題をクリアしなければなりません。
また財政改革や税制改革の議決には数か月がかかると言われますが、FRBの引き締めが3月に始める可能性が高く、トランプ政権にとって金融引き締めは大きなプレッシャーとなるでしょう。
更に大統領選をめぐるロシアサイバーテロに対する疑惑なども民主党は攻撃の手を緩めないでしょう。
加えて4月の仏大統領選をめぐるEU離脱派ルペン候補の動向や3月オランダ総選挙やBrexit交渉の開始など、欧州不安もリスク要因と言えます。
また週末の中国全人代では今年の成長目標を”6.5%かそれ以上“と設定して、昨年の6.5-7.0%から経済の減速を容認する姿勢を示しました。と同時に(米国の)保護主義反対の立場も明確にしており、中国の減速や米国との対立も市場のリスク要因でしょう。
今週金曜日の米国2月雇用統計はそこそこ良い数字が予想されますが、利上げが確実視される来週のFOMCへの影響は限定的でしょう。先週上値をテストしたドルですが、トランプ演説無事通過、米利上げ観測というドル買い材料も既に織り込み済で、むしろ上記のような不安材料により反落する可能性があります。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7542-0.7707 AUDYEN 85.84-87.48
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.75000.7700 AUDYEN 84.50-87.50
今週の豪ドルは:下値が押し目買いサポートでしょう
豪ドルは最近の高値77セント台半ば、88円台前半から、先週は一時75セント台半ば、86円割れまで反落しました。
原油の反落(54ドル台→52ドル台)や鉄鉱石価格(一時93ドル台)への過熱感などで商品相場がやや軟調気味であることや、中国の成長鈍化懸念などが指摘されますが、やはり直接の原因はドル高による影響(豪ドルは米ドルの受け皿)でしょう。
また議会証言でロウRBA総裁が「ファンダメンタルズから豪ドルが過大評価されているとは言い難い」としながらも「豪ドル高よりはむしろ豪ドル安の方がいい」という微妙な発言をしたこともやや重しとなりました。
同総裁としては米ドル反落に伴う豪ドル急反発を懸念したものと思われます。
週末の全人代で中国は今年の成長目標を6.5%前後に引き下げましたが、中国の成長減速が更に鮮明になる場合には、大きな豪ドル押し下げ材料となります。
ただ足元は米ドルの上昇も一方的とは考えられず、豪ドルの下値圏75セント割れ、85円割れは押し目買いでサポートされる展開が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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