今週の主な予定、イベント
3/13(月)ドラギ総裁講演
14(火)中国2月鉱工業生産/小売売上高、米国2月PPI、トランプ‐メルケル会談(ホワイトハウス)
15(水)中国全人代閉幕、オランダ下院選挙、米2月小売売上高/CPI、米3月NY連銀製造業景況指数、FOMC(経済予測公表)
16(木)日銀会合、豪州2月雇用統計、BOE理事会、米2月新築住宅販売、新規失業保険申請件数
17(金)米2月鉱工業生産/景気先行指数、独(バーデンバーデン)G20
<マーケットの焦点>
キーワード:3月FOMC、オランダ総選挙、独G20、ハードBrexit、欧州情勢(仏大統領選、イタリア銀行不安、ギリシャ債務問題)、日欧米金融政策、中国の信用不安・人民元安、原油価格
先週は中国全人代開幕、ECB理事会、米国2月雇用統計などのイベントがありましたが、強い米国雇用統計にもかかわらずドル高は一服、また主要国株価も日経平均以外は前週末比やや反落しています。
中国全人代では今年の成長目標を昨年の6.5-7.0%から6.5%前後にスローダウンさせました。また発表された中国2月貿易収支は60.4bio元の赤字と2014年2月以来の赤字に転落。輸入の減少を上回る大幅な輸出の減少となり今後の収支動向が懸念されます。
ECB理事会後ドラギ総裁は金融緩和の長期化を示唆しましたが、これは欧州各国の政局混迷を金融面から鎮める意図があるものと思います。むしろ今年と来年のインフレ見通し、成長見通しを若干上方修正させるなどポジティブな姿勢も見せて、ユーロの買い戻しを誘いました。
注目の米2月雇用統計はnfprが予想の190千人に対して235千人、失業率が前回の4.8%から4.7%に改善しました。平均時給は予想の+0.3%に対して+0.2%に留まりましたが、前回分が+0.1%から+0.2%に上方修正されるなど、ほぼ満額回答で3月利上げ観測を後退させる内容ではありませんでした。
ただ市場は強い内容を既に織り込み済みで、ドル円は115.50まで上昇後に114.70近辺まで反落して越週しています。
今週はFOMCをはじめ日本、英国、スイスなど各国の金融政策会合が開催されます。
注目はやはりFOMCで25bpの利上げが確実視されますが、同時に発表される金利見通し(ドットチャート)が重要で、前回12月の今年の利上げ回数の予想3回が、今回を含めて年4回となるかどうかが注目されます。
利上げ回数の上方修正はドル買い材料となりますが、一方相変わらずトランプ政策への不信感(予算教書の発表は人事の遅れから3月中の発表が危ぶまれています)や15日のオランダ総選挙などリスク材料も多いのが現状です。
オランダ総選挙では極右自由党(PVV)が支持率首位で、やや低下しているとはいえ、善戦すれば4月の仏大統領選での極右政党国民戦線のルペン候補を後押しするでしょう。
また北朝鮮のミサイル実験など地政学的懸念も依然くすぶり、米国利上げによるドル買いと、リスク回避的な円買い圧力が交錯する乱高下が予想されます。
17/18の独G20では草案で保護主義や競争的な通貨切り下げに「断固反対する」との文言が抜けており、トランプ政権への配慮か?という穿った見方もあいますが、トランプ政権発足後最初のG20ということで色々注目を浴びるでしょう。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7491-0.7632 AUDYEN 85.85-87.07
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7450-0.7650 AUDYEN 85.00-87.0
今週の豪ドルは:現レベル中心に売り買い交錯でしょう
豪ドルは先週一時75セント割れ、86円割れまで下落後現在は75セント台半ば、86円台半ばにやや反発しています。
原油価格が現在47ドル台まで反落しており、また鉄鉱石価格もピークの95ドル近辺から85ドル台まで下落するなど、商品相場の軟調(CRBも今年の高値194台から184台に下落)が豪ドルの重しとなっています。
また中国の全人代で今年の成長目標を6.5%前後に下方修正し、一段の減速を容認したことや、中国の2月貿易収支が赤字となったことも悪材料視されています。
今週は2月の雇用統計が発表されます。前回は就業者数+13.5千人、失業率5.7%とまずまずの数字でしたが、ロウRBA総裁も豪州経済の懸念事項として設備投資の停滞と雇用のばらつきを指摘しており、2月の数値が注目されます。
豪ドルは75セント、85円というクリティカルなサポートラインを一旦ブレークしましたが、取り敢えず跳ね返されています。
ただ米ドルの上昇が継続する場合には、特に対ドルでサポートレベルをブレークして年初の安値圏71-72セントを伺う可能性があります。
ただメインストームとしてはまだ昨年年央からの上昇トレンドを依然継続していると見ておい、この見方が正しければ、75セント、85円以下がサポートされて再度反発するシナリオとなります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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