今週の主な予定、イベント
3/27(月) 独3月ifo景況感指数、シカゴ連銀総裁講演
28(火)米3月消費者信頼感指数、FRB関係講演(イエレン議長、パウエルFRB理事、ダラス連銀総裁、カンザスシティー連銀総裁)
29(水)メイ首相EU離脱手続き開始を通告、米中古住宅販売成約件数、FRB関係講演(ボストン連銀総裁、シカゴ連銀総裁、SF連銀総裁)
30(木)米Q4GDP確報値、米新規失業保険、FRB関係講演(ダラス連銀総裁、SF連銀総裁、クリーブランド連銀総裁)
31(金)日本2月雇用統計/CPI、中国3月製造業PMI、米2月個人所得支出
<マーケットの焦点>
キーワード:Brexit宣言、トランプ政策、トランプのロシア疑惑、イエレン議長講演、欧州情勢(仏大統領選、イタリア銀行不安、ギリシャ債務問題)、日欧米金融政策、中国の信用不安・人民元安、原油価格
先週は米医療保険制度(オバマケア)の代替法案(トランプケア)の議会採決の有無が焦点となりましたが、結局採決の目途が立たず、トランプ政権は同法案の回収(採決断念)という道を選びました。またコミーFRB長官が「選挙期間中のオバマ陣営の盗聴疑惑には証拠がない」と発表し同時に、「選挙期間中のトランプ陣営とロシアの接触を違法性を含めて調査中」と発表したことから、トランプ政権への不信感を煽りました。
またメイ英国首相は今週29日にリスボン条約第50条を発動しEUに対し正式な離脱通告を行う旨を表明しましたが、22日にはロンドンで無差別テロが発生するなど英国も揺れています。
為替市場ではオランダ下院選挙で与党が極右勢力に勝利し、また仏大統領選関係ではマクロン候補が極右のルペン候補に対する優勢度を増したため、ユーロが1.08台に上昇。
また英国では今週のEU離脱通告やテロにもかかわらず足元の景況からポンドが1.25台に反発したことがドル下落要因なり、ドル円も110円台半ばに下落しました。
今週もトランプ政策や英国Brexit宣言の行方などを中心に不安定な相場が予想されます。
トランプ大統領は医療保険制度を暫く離れて税制改革に着手する旨を発表し、先週末はむしろドルの買い戻しを誘いましたが、財政赤字削減計画のもとでの大幅減税(5兆ドルと言われる)は容易ではないでしょう。
今回のヘルスケア法案不成立で共和党ではライアン下院議長の辞任やその他共和党議員の役職辞任も相次いでいます。
早くもトランプ政権がきしみ出したようで、ロシアスキャンダルなどが立証されれば、早くもトランプ政権存続の危機となる可能性も否定できません。
かたや今週は英国のBrexit宣言という歴史的なイベントが予定されますが、ユンケルEU委員長はじめEU側は最大600億ユーロに上る巨額の分担金(違約金)支払いを英国に求めるなど「ハッピーEU離脱の前例」を阻止するために躍起になっており、交渉開始後2年以内という交渉期限内ですんなり離脱がまとまるか危ぶまれます。
ただ離脱が紛糾すればそれは英国・EU双方にダメージを与えることになります。
このようにドル安材料が多い反面、ユーロやポンド不安材料もしっかりあるわけで、今週も主要通貨は方向性もなく、乱高下する可能性があるでしょう。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7604-0.7749 AUDYEN 84.35-87.24
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7550-0.7750 AUDYEN 82.50-85.50
今週の豪ドルは:引き続き下値テストでしょう
先週豪ドルは一時ドル安や原油の49ドル台への反発を受けて77セント台、87円台に上昇しましたが、原油(47ドル台)や鉄鉱石(84ドル台)が反落する中、ロンドンテロやトランプ政策への不透明感がリスク要因と認識されて76セント台前半、84円台前半まで下落しています。
3月のRBA議事録では豪州経済や世界経済に楽観的な見方を示し、方や住宅バブル懸念を表明するなど“タカ派的”と受け取れる内容でした。FOMCでの利上げにフォローしてRBAも年内利上げか?との思惑も高まりましたが豪ドルをサポートするには至りませんでした。
今年何度かテストしたレジスタンスレベル77セント台や87円台で今回も跳ね返された感じですが、ドルの軟調が継続する場合には下値74-75セント台、83-84円台がサポートされる展開が予想されます(豪ドルは米ドルの受け皿)。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。