今週の主な予定、イベント
4/10(月)日本2月国際収支、日銀地域経済報告、IMF世界経済見通し、イエレンFRB議長講演
11(火)北朝鮮最高人民会議、独4月ZEW景況感指数、英国3月CPI/PPI
12(水)中国3月CPI/PPI
13(木)豪州3月雇用統計、中国3月貿易収支、米3月PPI、米新規失業保険申請件数
14(金)米3月小売売上高/CPI、米国はグッドフライデーで株式・債券市場休場
<マーケットの焦点>
キーワード:地政学的懸念(中東、北朝鮮)、トランプ政策、Brexit交渉開始、トランプのロシア疑惑、欧州情勢(仏大統領選、イタリア銀行不安、ギリシャ債務問題)、日欧米金融政策、中国の信用不安・人民元安、原油価格
先週は米中首脳会談や米軍のシリア爆撃、米国3月雇用統計などのイベント/事件がありましたが、結果として市場に大きな変化はありませんでした。
株価は世界的にやや軟調、原油が中東緊張から52ドル台に続伸して商品相場は全体に堅調、そしてドル相場も%E__utmc=18220454
Connection: kee8Bらやや上昇しています。
米中首脳会談では北朝鮮問題や貿易不均衡問題が議題になりましたが、米国側は「大きな進展があった」と成果を強調も、中国側とは温度差があるようです。ただ中国側も良好な関係維持を国内にアピールする必要があり、衝突は避けたというところです。シリア攻撃に対しては米国は「中国側は理解を示した」と発表していますが中国側のコメントがなく、また北朝鮮問題では「相互に協力を深めていくことで一致」と述べるにとどまっています。
むしろ米中首脳会談期間中に米国はシリアをミサイル空爆し世界を驚かせました。
「化学兵器使用に対する確固たる姿勢を支持する」と安倍首相は早速賛同の意を示しましたが、米国の思惑の中には北朝鮮を威嚇する意味もあったのでしょう。
シリア空爆のニュースを受けて市場ではリスク回避の円買いが強まり一時110円台前半まで下落しましたが、シリア問題はそれ以上拡大はしませんでした。また予想を下回る米3月雇用統計(NFPR +98.4千人、予想180千人、前回219千人)の影響も一時的でむしろ就業者数の伸び鈍化は失業率が4.5%に改善し(予想4.7%、前回4.7)完全雇用に更に近づいたことが原因との見方が一般的でした。
むしろその後NYK連銀のダドリー総裁が「バランスシートの縮小は今年後半か来年」、「バランスシート縮小の場合も利上げ休止時間は極めて短いもの」と述べたこともドルをサポートしドル円は111円台を取り戻して越週しました。
今週も引き続き地政学的懸念、トランプ政策の行方、貿易不均衡問題などが市場の焦点でしょう。
米国のシリア攻撃以外にも先週末はスウエーデンテロやエジプト連続爆破など相変わらず世界中いたるところでテロや紛争が絶えず、加えて今週は北朝鮮の最高人民会議(4/11)や金日成生誕105年式典(4/15)などあり、相変わらず地政学的懸念が高いですが、これらが実際にリスク回避の円高を引き起こすのは更にテロや大きな事件が起きた時に限定されるでしょう。
またトランプ政策に対して最近不信感が強く、法人減税の先送りや公言している規模に達しない場合、更にロシアとの関係疑惑などに新たな進展があればドル下落に結びつく可能性があります。
また米国は中国の貿易不均衡問題を重視していますが、今朝発表された日本の3月貿易黒字は再び1兆円を上回っており、中国に向いている矛先がいつ何時日本に向かうか分からない状態です。
ドル円は110円割れが4度阻止され、テクニカル的には一旦111-112円台に反発する可能性がありますが、案外市場が諦めた頃に110円割れが来るのかもしれません。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7494-0.7640 AUDYEN 82.79-85.03
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7450-0.7650 AUDYEN 82.00-85.00
今週の豪ドルは:対円中心に依然下値不安が強いでしょう
豪ドルは引き続き75セント台前半、83円台前半のサポートラインをテストしており、ドルの堅調も重しとなっていますが、完全にサポートレベルを抜けるには至っていません。
先週のRBA理事会声明では「一部労働市場が軟化」と指摘され、またロウ総裁が過熱する住宅市場の鎮静化に(金融引き締めではなく)規制強化で対応する姿勢を示したこともRBAの引き締め観測を後退させました。
今週木曜日には3月雇用統計が発表されます。
2月は就業者数が6.4千人減少し、失業率が5.9%に悪化して、これがRBAの懸念発言につながりましたが、3月の予想値は就業者数が20.0千人に増える一方、失業率は5.9%から改善が予想されていません。
RBAの懸念事項として注視してゆく必要があります。
引き続きドルの強弱が豪ドルの行方を左右する最大の要因ですが、原油はじめ商品相場がこのところ安定しており、豪ドルが大きく下落することを予想しません。
ただ世界的に地政学懸念などからリスク回避色が強くなれば、豪ドルを更に下押しする可能性が高まります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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