今週の主な予定、イベント
4/17(月)黒田総裁講演、中国Q1GDP、中国3月鉱工業生産・小売売上高、4月NYK連銀製造業景況指数、フィッシャーFRB副議長講演、イースターマンデーで欧州市場休場
18(火)米3月鉱工業生産・住宅着工件数、カンザスシティー連銀総裁講演、ペンス米副大統領来日―日米経済対話、IMF世界経済見通し
19(水)日銀金融システムレポート公表、ボストン連銀総裁、FEDベージュブック
20(木)日本3月貿易収支、米新規失業保険申請件数、パウエルFRB理事講演、トランプ―伊首相会談、ワシントンG20(~21日)
21(金)4月独/ユーロ圏製造業PMI、米3月中古住宅販売、ミネアポリス連銀総裁講演、IMF世銀春季総会
23(日)仏大統領選第一回投票
<マーケットの焦点>
キーワード:地政学的懸念(中東、北朝鮮)、日米経済対話、ワシントンG20、トランプ政策、Brexit交渉開始、欧州情勢(仏大統領選、イタリア銀行不安、ギリシャ債務問題)、日欧米金融政策、中国の信用不安・人民元安、原油価格
先週ドル円は昨年11月のトランプ氏勝利以来初めて110円台を割り込み108円台へと続落しました。ドル円はトランプ大統領誕生で118円台まで大幅上昇し、その約半値戻しレベルまで反落したことになります。
北朝鮮やシリアを巡る地政学的リスクが重しとなり主要国の株価や商品相場は前週比下落し、またリスク逃避の債券買いで世界的に債券利回りは低下しています。
ドル円は週初から4/15の金日成生誕105年記念日を控えて北朝鮮問題懸念によるリスク回避の動きが活発化し11日(火曜日)に110円台を割り込みました。その後もトランプ大統領が「ドルは強すぎる」、「金利は低い方が良い」と発言したことから108円台に続落しました。週末注目の金日成生誕105年記念日後も北朝鮮はミサイル打ち上げ実験を行っており、相変わらず挑発的です。
今週は18日に来日するペンス米副大統領を交えて第一回日米経済対話が予定されまた20日-21日とワシントンG20が開催されます。
議題は北朝鮮やシリアなど地政学的リスクと世界的な貿易不均衡問題などでしょう。
トランプ政策-現在懸案中の税制改革やドットフランク法改正問題―が遅々として前進せず、加えて同大統領が先週「ドルが高過ぎる」とドル高牽制を行っていることから今週もドルの上値が重い展開が予想されます。因みに同大統領のドル高牽制はドル円109円台、ユーロ1.06台、ポンド1.25台、豪ドル0.75台など、既にドルが最近のピークを越した段階で発言しており、今後ともこの発言時のレベル以上にドルが上昇することの“歯止め”となる可能性があります。
加えて23日(日)には注目の仏大統領選第一回投票が行われます。
最新の調査では支持率がルペン候補(極右)23.0%、マクロン候補22.5%、フィヨン候補19.0%、メラション候補(極左)19.0%などのなっていますが、極右、極左のルペン、メラション両候補ともに反EUの立場であり、今後の成り行きでは仏のEU離脱の可能性が高まる可能性もあり、これまたリスク要因となりえます。
ドル円につきましてはクロス取引でも現在ユーロ円114円台、ポンド円135円台、豪ドル円82円台など円高が進行しており、リスク回避の動きが後退しない限り“リスク回避の円買い需要”がドル円を押し下げる可能性があります。
一旦110円台を割り込んだドル円は105円を下方ターゲットとして下値トライを継続する可能性があります。反発局面は売りポジションの買い戻し(つまりショートカバー)に限定されるでしょう。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7473-0.7595 AUDYEN 81.85-83.25
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7450-0.7650 AUDYEN 81.00-84.00
今週の豪ドルは:対ドル堅調、対円軟調でしょう
先週豪ドルは一旦74セント台、81円台に安値を更新しましたが、その後久しぶりにまとまった反発を見せました。
4月に入ってからRBAの利上げ観測の後退や地政学的リスク、更には鉄鉱石の70ドル割れまでの下落などの悪材用を反映して下値をテストしました。
しかし先週発表された3月の雇用統計は非常に強い数字となり売り圧力が急激に後退しました。就業者数は+60.9千人(full-time-job +74.5千人)、失業率は前回と同じ5.9%ですが労働参加率は64.6%から64.8%に増加という“満額回答”でした。豪州の雇用統計はサンプル調査であるため毎月変動が激しいのですが、少なくとも2月の悪い統計による大きな懸念は後退したでしょう。
鉄鉱石価格の下落ついては以前から当地エコノミストの見解として紹介しており(90ドル台から最大50ドル台への下落を予想)、市場が織り込みつつあることや原油の堅調もあってさほど豪ドルの押し下げ材料にはならないものと思われます。
むしろ中国の鉄鉱石需要の底堅さが確認できれば続落に歯止めがかかる可能性もあります。
豪ドルは米ドルの軟調地合が継続する場合には、投資家の押し目買い需要などで小じっかりとした動きをすることが予想されます。ただ地政学的リスクがさらに増大する場合には反落の可能性も否定できません。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。