「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
ワーキングホリデーや留学生、駐在員の方も、収入があればほぼ全員が対象になるタックスリターン。長らく議論されてきた通称「バックパッカー税」に関する新法案が2016年末に可決されたことで、ワーキングホリデーの税率やルールが昨年が2017年度から変わりました。
初めてタックスリターンをする方はもちろん、すでに経験がある方も、ルールがよく変わるタックスリターンについて正しく理解しておく必要があります。タックスリターンはできるできないではなく、オーストラリアの法律で義務付けられているものなので、この機会にしっかり申請方法をおさえておきましょう。
タックスリターンとは、日本の確定申告に当たります。リターンは申告を意味するので、必ずお金が返金されるわけではありません。仕事をして収入を得ている場合、就労先で源泉徴収(所得税が差し引かれること)がされていて、その差し引かれた残りを手取りの給料として受け取ることになります。雇用主は年に一度、7月14日までにPAYG Payment Summaryを発行しますが、この書類に今まで受け取った給料の総額と源泉徴収された所得税の総額が記載されています。
これをもとにATO(オーストラリア税務署)へタックスリターンを行い、源泉徴収された税金が基準税額より多ければ返金され、少なければ追加納付することになります。
また、ワーキングホリデービザで働き、15.0%の正しい税率で源泉徴収され、タックスリターン時に経費などなくそのまま税率が適用されれば、差額がないためタックスリターンでの返金も納付もありません。
居住者(resident)で銀行利息を含む収入から金額を問わず源泉徴収されているものがあった方、非居住者(foreign-resident)で1ドル以上の収入があった方など、オーストラリアで収入があるほとんどの方がタックスリターンの対象になります。タックスリターンをする上での税務上の区分は、タックスファイルナンバーを取得する際に定められる、居住者(resident)か非居住者(foreign-resident)、もしくはワーキングホリデーメーカー(working holiday makers)のいずれかになります。それぞれの税率はATOのサイトから確認できます。
・6カ月以上の学生ビザや長期ビジネスビザで滞在の方
居住者(resident)として税務署に登録されます。ただし、6カ月未満の学生ビザの場合は非居住者(foreign-resident)登録になるので注意しましょう。
・ワーキングホリデーメーカーの方
2016年末に可決された法案では、一律で非居住者(non-resident)となります。これまでは、一定の条件を満たせば居住者(resident)扱いとなり非課税枠が設けられましたが、2017年度からはこのルールが撤廃されました。ただし、税率についてはワーキングホリデービザ独自の税率表が適用されます。
オーストラリアの会計年度は7月1日から翌年の6月30日までなので、タックスリターンは原則7月1日から10月31日までに前年度分の提出を行います。この期間を過ぎてしまった場合は、そのまま放置せずにタックスエージェントに相談しましょう。法律で義務付けられたものなので、期限を超えてもいつかは申請しなければなりません。さらに期限を過ぎると罰金の対象になってしまうので、期間内にタックスリターンを行うようにしましょう。
申請方法は大きく変わりませんが、いくつか注意しなければならない点があります。「バックパッカー税」に関する新法案は2017年1月1日から適用され、この日以降の収入は新ルールで税金が計算されます。そのため2018年度のタックスリターンは同じ会計年度で収入が別々に扱われ、2017年1月1日をまたいで同じ勤務先で仕事していた場合はPayment Summaryが2016年度分と2017年度分の2枚発行されます。
また、ワーキングホリデーメーカーの場合、2016年度分の収入が居住者扱いとなり非課税枠が設けられますが、この非課税枠の額は複雑な計算式によって算出されます。自分に非課税枠が設けられる、もしくはわからない方は登録税理士に依頼した方が無難です。
タックスリターンには、以下の書類が必要です。
・PAYG Payment Summary
Payment Summaryには、タックスファイルナンバーや源泉徴収と支払給料の総額、各種手当などタックスリターンに必要な情報が記載されており、申請対象になる会計年度に働いたすべての勤務先からそれぞれPAYG Payment Summaryを受領する必要があります。特にワーキングホリデーの方は、同じ雇用主の下で働ける期間に制限がある関係上、2カ所以上で働いている場合が多いので注意しましょう。
雇用主は7月14日までにPAYG Payment Summaryを従業員に渡すことが義務付けられているので、もしこの日を過ぎて受領していない場合は雇用主に問い合わせましょう。また、記載の金額や内容に誤りがある場合も雇用主に確認するようにしてください。
Payment Summaryには、タックスファイルナンバーや源泉徴収と支払給料の総額、各種手当などタックスリターンに必要な情報が記載されており、申告対象になる会計年度に働いたすべての勤務先からそれぞれPAYG Payment Summaryを受領する必要があります。
雇用主は7月14日までにPAYG Payment Summaryを従業員に渡すことが義務付けられているので、もしこの日を過ぎて受領していない場合は雇用主に問い合わせましょう。また、記載の金額や内容に誤りがある場合も雇用主に確認するようにしてください。
・必要経費の領収書など
仕事をする上で必要と認められた支出がある場合、経費として差し引くことができます。ただし、経費の内容は法律で定められており、もし沿わない申請をした場合は是正勧告の対象になります(例えばスーツや通勤交通費などは認められていません)。もし申請を行う場合は、領収書をまとめておき、登録税理士に相談するようにしましょう。
・その他の収入に関する書類
銀行の利息収入や株の配当、その他ビジネスによる収入があれば、それぞれ総額がわかる書類を用意しましょう。
タックスリターンの申請方法は主に以下の3つです。
(1)登録税理士(Tax Agent)に依頼する
(2)納税申告書(Tax Pack)を税務署で入手し、郵送にて申請する
(3)自分でオンライン(my Tax)で申請をする
源泉徴収された給料のみで特に経費がないなど申請内容がシンプルで、ある程度英語で対応ができる場合は、自分で申請したほうが手数料もかからないのでメリットが多いでしょう。ただし、是正勧告など何かしらATOとの間にやり取りが発生した場合は自分で対応しなければならないので、英語力に自信がなかったり、やり取りに時間をとられたくない方は登録税理士に依頼するのが安心です。
登録税理士に依頼すると手数料が発生しますが、問題が起きた際にスムーズに対応ができるだけではなく、申請期限を過ぎた場合や会計期間中に日本に帰国するケース、その後の返金額振込など、イレギュラーにも対応してくれます。
タックスリターンを申請すると、約2~4週間後にNotice of Assessmentという書類が届きます。これは申請が受理された旨の通知書で、オーストラリアでは本人証明書としても使える大切なものなので保管しておきましょう。
返金がある場合は、申請後1カ月前後で指定した銀行に振り込まれます。追加徴税がある場合は、Notice of Assessmentが請求書を兼ねているので、その指示に従って支払いをしましょう。
登録税理士に依頼した場合は、Notice of Assessmentを税理士事務所が受理したり、返金を税理士の口座で受理し、そこから自分の口座に送金してもらったりといった対応をしてもらえるケースがあります。日本に帰国していてオーストラリアに銀行口座がない場合など、登録税理士を通していると非常に便利です。
また、申請したタックスリターンに問題があった場合、ATOは過去にさかのぼって是正勧告を行うことができます。是正勧告の書類は申請から1、2年後に送られてくるケースが多いようなので、申請した書類は少なくとも3~4年は保管しておきましょう。
雇用主がATOにPayment Summary のデータ提出を行っていれば、登録税理士がATOのデータから確認できます。通常は8月中旬から末にデータが出ることが多いようです。
メディケアとは、オーストラリア人や永住者を対象とした国民医療保険です。課税所得の2%をメディケア税として支払いが義務付けられていますが、テンポラリー・ビザ(ワーキングホリデービザ・学生ビザ・ビジネスビザなどの一時滞在ビザ)でメディケアの資格がない場合は、メディケア・オフィスに証明書を発行してもらうことで課税免除になります。
できます。オーストラリア国内での手続きと同じくオンラインで行うか、現地の登録税理士に依頼して行います。オーストラリアの銀行口座を閉じている場合、返金は小切手で受け取ることになります。登録税理士に依頼した場合は、日本円で日本の口座に振り込んでもらえるケースもあります。
上記のように、日本帰国後に申請をするか、早期タックスリターン申請を行います。会計年度途中での申請は原則認められていませんが、申請期間前にオーストラリアを出国して戻る予定がない、出国後にオーストラリアで収入がないなど、一定の条件を満たせば特例として早期タックスリターンを行うことができます。通常の申請より必要な書類が増えるので、早期タックスリターンを行う場合は登録税理士に依頼したほうが無難です。
Non-Lodgement Reportを出すことをオススメします。これはタックスリターンの必要がない方、特に今まではタックスリターンをしていたが、今回は申請の必要がないという場合に提出しておいたほうが安心です。この書類の提出がないと未申請と見なされ、罰金を科される場合があります。
国外で収入があった場合でも申請の対象になります。株や年金、ブログの広告収入などが申請対象になります。
タックスリターンは会計士に依頼することで、ミスを未然に防げ、自分の労力と時間を省くことができます。ATOの監査が以前と比べて厳しくなってきているので、経験や知識が豊富な日本語対応の会計士に依頼するのがおすすめです。
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