<今週の主な予定・イベント>
5/22(月)日本4月通関ベース貿易収支、地区連銀総裁講演(ミネアポリス、フィラデルフィア)、ユーロ圏財務相会合
23(火)独5月ifo景況感指数、独・ユーロ圏5月製造業PMI、米4月新築住宅販売、EU財務相理事会、米予算教書発表、米下院歳入委員会・税制改革公聴会
24(水)米4月中古住宅販売、FOMC議事録、黒田総裁挨拶、ドラギ総裁講演、トランプ大統領・ローマ法王会談
25(木)新規失業保険申請件数、NATO首脳会談、OPEC総会
26(金)日本4月CPI、米4月耐久財受注、米Q1GDP(改定値)、G7首脳会議(イタリア)
<マーケットの焦点>
キーワード:FRB6月利上げ?トランプスキャンダル、OPEC総会、欧州情勢(仏総選挙、イタリア銀行不安、ギリシャ債務問題)、Brexit、日欧米金融政策、中国の信用不安・人民元安、原油価格
先週は週央にかけてトランプスキャンダルが拡大し、ドル円は一時110円台前半まで下落し、ユーロは1.12台、ポンドは1.30台まで上昇してドル全面安となりました。
また、5月来大幅下落していた上海総合指数はやや調整反発しましたが、主要国の株価はトランプリスクを嫌って総じて軟調でした。
商品相場は原油の50ドル台への反発を受けて堅調でした。
トランプ大統領がロシアのラブロフ外相との会談でISに関わる機密情報(イスラエルが情報源と言われる)を漏洩したとの疑念が発覚し、また同大統領が解任したFBIコミー前長官の在任中にフリン前大統領補佐官とロシアとの関係を巡る捜査を打ち切るように圧力をかけたとの報道でトランプ大統領への不信感が一段と強まりました。
更に米司法当局はロシアの米大統領選への介入疑惑で大統領に近いホワイトハウスの高官を容疑者として監視体制に入ったとの報道もありました。
ただ週末にかけては当のトランプ大統領も外遊に旅立ったとしてトランプ疑惑もやや落ち着いた感があります。
今週もトランプ疑惑に加えってイベント的には米予算教書、FOMC議事録、OPEC総会、米Q1GDP(改定値)、イタリアG7サミットと盛りだくさんです。
トランプ疑惑では24日までに米下院監視、政府改革委員会に提出が求められる大統領とコミー前長官のやり取りの内容が注目されますが、トランプ大統領が不在とはいえ、成り行き次第では弾劾への思惑も高まる可能性があり、ドル売り材料でしょう。
一方予算教書では今後10年間で2000億ドルのインフラ支出を提案する予定であり、またFOMC議事録から6月利上げ観測が再燃するようであれば、これはドル買い材料視されます。
国民の目を外に向けるべく中東訪問、ローマ方法との会談やNATO首脳会談、G7サミットと積極的にこなし、また大型予算でポイントを稼ぎたいトランプ大統領の思惑通りにいくか?
またOPEC総会で7月以降の減産体制が確認されるかも大きな焦点となります。
取り敢えず先週は110円台前半で底入れしたドルですが、トランプスキャンダル払拭とはいかずにドルの上値は相変わらず重い展開を予想します。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7386-0.7469 AUDYEN 81.71-84.52
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7350-0.7550 AUDYEN 82.00-85.00
今週の豪ドルは:売り買い交錯でしょう
豪ドルは先週、米ドルが軟調推移する中、予想を上回る4月雇用統計や原油の50ドル台への反発を受けて一時74セント台後半、83円台半ばまで反発しました。
豪ドル円はドル円が110円台前半まで下落したときに81円台後半まで反落し4月下旬に作った「81-83円」のギャップ(窓)を埋めた形となりました。
発表された4月の雇用統計は就業者数が+37.4千人(予想+5千人、前回+60.0千人)、失業率5.7%(予想5.9%、前回5.9%)と非常に強い数字となりました。もっとも就業者数の増加はpart-time-jobの大幅増加によりもたらされましたが、労働参加率が前回の64.8%と変わらない中での失業率の改善には目を見張るものがあり、前月と連続で就業者数が大幅増加したのも印象的です。
足元トランプリスクや米国の6月利上げ観測などでドルのアップダウンが予想され、豪ドルもトレンド形成よりはむしろ、不安定な上下動がしばらくは継続するでしょうが、一時のベアセンチメントは後退しているのは確かです。
予想通りにOPEC総会で減産の延長が合意されれば、商品相場全般に好影響が期待できますが、過去の例から「一枚岩のOPEC」というのも簡単には信じがたく、まだ結果はふたを開けてみるまで分からないと思っています。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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