<今週の主な予定・イベント>
5/29(月)ドラギ総裁講演、中国端午節休場、英国バンクホリデー休場、米国メモリアルデーで株式・債券市場休場、SF連銀総裁講演
30(火)日本4月雇用統計、米国5月消費者信頼感、ブレイナーFRB理事講演、中国・香港は端午節休場
31(水)中国5月製造業PMI、ユーロ圏5月CPI、米4月中古住宅販売、ベージュブック、ダラス連銀総裁講演
6/1(木)豪州4月小売売上高、中国5月財新製造業PMI、米5月ADP雇用者数、米5月ISM製造業景況指数、米新規失業保険申請件数、EU中国首脳会談、FRB講演(パウエル理事、SF連銀)
2(金)米5月雇用統計
<マーケットの焦点>
キーワード:FRB6月利上げ?ロシアゲート、欧州情勢(仏総選挙、イタリア銀行不安、ギリシャ債務問題)、Brexit、日欧米金融政策、中国格下げ、原油価格
先週もトランプ関連では引き続きロシアゲート問題が取り沙汰され、トランプ大統領の中東・アフリカ6か国入国禁止令の差し止め不服申し立てが連邦控訴裁判所で再度退けられました。またムーディーズの中国格下げ、OPECの9か月減産延長、イタリアG7サミットなどがありましたが、主要国の株価は堅調でリスク回避の動きもやや後退しています。
ただOPEC/非OPECの減産延長も予想の範囲内であり、むしろ減産額の据え置きや一部予想された12か月延長ではなかったことから、発表後原油価格は51ドル台から一時48ドル台に反落し、商品相場は総じて軟調でした。
G7サミットでは北朝鮮問題やテロなどの安全保障面では参加国の合意を見ましたが、世界貿易では「保護主義と戦う」との文言は表記されたものの、昨年の伊勢志摩サミットの「あらゆる形態の保護主義と戦う」からはトーンダウン。また環境問題では米国がパリ協定離脱を検討中ということで他の6か国での合意という変則スタイルとなり、国際貿易と気候変動を巡る米国とその他国との意見の相違が目立ちました。
今週は主要イベント通過ですが、トランプ大統領の外遊終了で市場の目は再び米国に向かいます。また北朝鮮が再度ミサイル実験を行っており、地政学的リスクも依然要注意です。
米国の金融政策では6/13-14のFOMCに関心が集まりますが、今週の5月ISM製造業景況指数や5月の雇用統計がFOMC前の主要指標として注目されます。尚先週発表された5月のFOMC議事録では予想以上に慎重な姿勢が示されました。
ただ6月の利上げは市場ではほぼ織り込み済であり、6月のFOMC後に年内の利上げが1回か、2回かが今後の焦点です。
またロシアゲート関連ではコミー元FBI長官の議会証言(日程未確定)が注目されますし、トランプ大統領の娘婿であり大統領上級顧問であるクシュナー氏がFBIの捜査の対象となるなど、今週も“台風の目”となる可能性があります。
また6/8のECB理事会を控えてECBの出口戦略を巡る思惑が高まる可能性があり、他方6月の英国と仏の総選挙を控えた事前情報など欧州ネタも注視する必要があります。
ドルは5月に対円で110円台前半まで、対ユーロでは1.12台まで下落するなど最近の安値を付けて、やや達成感が出つつありますが、次なるドル下落までの小休止ととらえています。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7422-0.7517 AUDYEN 82.51-83.88
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7350-0.7550 AUDYEN 81.50-84.50
今週の豪ドルは:引き続き売り買い交錯でしょう
豪ドルはムーディーズの中国格下げ引き下げにもかかわらず、OPEC総会への期待感もあって75セント台前半、83円台後半まで上昇しましたが、OPEC総会後の原油急落を受けて74セント台前半、82円台半ばまで反落しました。
中国関連では今週5月の製造業PMI(政府、財新)が発表されますが、特に財新製造業PMIは予想が50.2であり、50を切ってくれば(景気縮小)再び中国懸念が高まる可能性があり要注意でしょう。
ただ米ドルが総じて軟調地合であることや、原油価格も再び50ドル手前まで反発しており、豪ドルの下値は押し目買いでサポートされる展開を予想します。
木曜日には4月小売売上高が発表され、予想値は+0.2%と前月の-0.1%から反発予想となっています。GDPの6割以上を占める個人消費の落ち込みが一時的なものか、あるいは5月の予算案における健康保険税や銀行税を嫌気して今後も低迷期に入るのか、見極める必要があります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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